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野毛のレンタル暗室「THE DARKROOM(ザ・ダークルーム)」ってどんなとこ?

ココがキニナル!

野毛に自分で写真を現像できる時間貸しのレンタル暗室「THE DARKROOM」。デジカメ全盛の御時世ですが、私はフィルムが好き。まだ入ったことが無いのでぜひ取材を(マリンルージュさん)

はまれぽ調査結果!

1時間1000円から気軽に通えるモノクロ暗室。フィルムの現像からプリントまで完全対応。プロから初心者まで幅広く利用可能で、見学のみも歓迎

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ライター:紀あさ

横浜の写真の歴史



開港都市横浜には多くの「事始め」があると伝わる。アイスクリームやビール、乗合馬車など、開港を機にさまざまな西欧文化が横浜に伝わった。
 


「ヨコハマ事始め」
 

写真もそのひとつとされ、1860(万延元)年にアメリカ人写真家のO.E.フリーマンが横浜で写真館を開業したことにより「写真師発祥の地」として知られる。

日本人では下岡蓮杖(しもおか・れんじょう)が1862(文久2)年に野毛で開業したものが横浜初の写真館とされており、横浜市中区南仲通の神奈川県立歴史博物館の斜め前には「日本写真の開祖 写真師 下岡蓮杖顕彰碑」もある。
 


発祥125周年の2010年に建立された碑。「日本に写真師という職業を確立した」とある
 

野毛にある暗室「THE DARKROOM」は、ウェブサイトによると「日本初の本格的レンタル暗室」だという。開港以来の写真の歴史とあいまってキニナル! いざ、現地へ



横浜野毛のレンタル暗室



桜木町駅から徒歩約5分。
 


hana*hanaと書かれたビルの2階の
 

THE DARKROOMと書かれた部屋に到着した。

出迎えてくれたのは、レンタル暗室「THE DARKROOM」の創立者で、運営団体であるNPO法人「THE DARKROOM INTERNATIONAL」理事長の齋藤久夫(さいとう・ひさお)さん(写真左)と「THE DARKROOM」店長の神谷龍樹(かみや・たつき)さん。
 


よろしくお願いします
 

まずはキニナル料金体系から。暗室は時間貸しで、料金は1時間1000円からとのこと。
 


「とてもシンプルな料金設定だと思います」と神谷さん
 

料金表。用紙種類などにより値段が異なる(クリックして拡大)
 

初めての人向けには「初心者手取り足取りコース」があり、撮影済みのフィルムを持参すると、フィルム現像からプリントまで1日で指導してもらえる。暗室作業が初めてでも安心だ。

その内容を順に追っていこう。



まずフィルム現像


 


フィルムはわずかな明かりにも感光してしまうためライトを消し、完全な暗闇で作業
 

だが暗闇だと見えないので、神谷さんが明るい場所で再現してくれた。
 


撮影済みフィルムを引き出し、現像用のタンクのリールに巻きつける
 

タンク容器に、フィルムを装填したリールを入れる
 

タンクの内ぶたをしっかり閉める。ここまでを完全暗所で作業
 

現像液をいれて、外ぶたを閉め、撹拌(かくはん)
 

停止液、定着液という必要な薬剤を使い、さらに同じことを繰り返す。
 


壁には手順表
 

タンクからフィルムを取り出し、水洗と乾燥に合計約1時間かけて完成。手取り足取り講習の場合は通常、午前中にこのフィルム現像を行う。
 


フィルムドライヤーに水洗後のフィルムを入れ、乾燥中にお昼ごはん!
 



モノクロフィルムをプリント



乾燥後は通常、「ベタ」と呼ばれる全コマのインデックスを作ってプリントするコマを選ぶ。ここで、実は筆者は、理事長の齋藤さんと共通の師匠、写真家・故鈴木清(すずき・きよし)氏に学んだ経歴があり、この取材には師匠を写したネガを持参した。
 


土門拳(どもん・けん)賞など受賞の鈴木清氏の初期作を持つ齋藤さん
 

筆者は、その鈴木清先生を撮ったネガとベタを持参
 

「これをプリントしてもいいですか?」という筆者の申し出に齋藤さん快諾。いざ暗室へ。

入ると・・・
 


セーフライトの赤の世界
 

銀塩モノクロ印画紙は、弱い赤い光には感光しないため、完全な暗闇ではなく、赤い光が作業用として灯されている。ここでは最大8人同時に作業が可能。
 


暗室見取り図。入口は二重扉で、人が出入りしても外光が入らない仕組み
 

フィルムフォルダにネガをセットして
 

引伸し機の前に立つ
 

ルーペでピントを合わせ
 

印画紙に光をあてて感光させる
 

薬液中で像が浮かび上がる
 

暗室を出て仕上がりを確認。「焼き込みという、画像の一部分だけを濃くする作業をした方がいいのでは」などアドバイスをもらい、もう一枚。
 


1枚目(左)では手だけが白かったので、2枚目ではその部分を焼き込んだ
(※転載を禁じる)
 

こうした細かいこだわりを実現できるのが、暗室作業の醍醐味だろう。

「『カラーより色鮮やかに』と言われたことがありますが、まさにそれがモノクロプリントだと思います」と齋藤さん。
 


過去の新聞の切り抜き。モノクロの思い出が鮮やかによみがえる