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激レア路線もある「神奈中バス」の運行範囲はどこからどこまで?

ココがキニナル!

神奈中バスってどこまで路線が伸びているの?山梨県まで行っちゃってたり?(そうてつボーイさん)神奈中バス「間15系統」は乗客数が少なくないのに増発しないのはなぜなのでしょう(雲葉@since1992さん

はまれぽ調査結果!

神奈中バスは三浦半島、箱根などを除く神奈川県全域と東京都の一部で約900系統を運行。実は山梨県にもバス停がある。

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ライター:岡田 幸子

神奈川県内でもあるエリアではごく頻繁に目にし、見ない場所ではさっぱり見かけない神奈中バス。以前にも特徴的な車両カラーの歴史や日本一を誇るという車両数などをご紹介したが、その運行エリアについてもキニナル。

 

 神奈川中央交通というからには「神奈川の中央」を土俵にしているはず


でも、「神奈川の中央」って・・・どこだ?

 

 なんとなく「厚木」とか「伊勢原」とか「海老名」とか?


キニナル神奈中バスの運行エリアについて、調べてみた。


 

21の拠点で広いエリアをカバー


 
2016(平成28)年8月19日現在、神奈川中央交通では横浜、戸塚、茅ヶ崎、伊勢原、厚木、相模原、大和、町田、綾瀬、多摩の10営業所と、グループ会社に運営を委託した秦野、平塚、津久井、舞岡、中山、相模原、厚木、町田、大和、藤沢の10営業所に、相模神奈交バスが川崎市交通局から受託した菅生営業所を加えた21の拠点を軸に、900を超える系統を運行している。

そのエリアは広く神奈川全域におよび、神奈中バスが運行していないエリアをご紹介したほうが早いくらいだ。

 

 京急バスと江ノ電バスがひしめく鎌倉や
 

 逗子、葉山
 

 京急バスのお膝元!? 三浦半島
 

 川崎市バスや東急バスが陣取る川崎市内一部
 

 こちらは市営バスが元気な横浜市内一部
 

 さらに箱根、湯河原といった県西部では神奈中バスをあまり見かけない

 
これら地域のうち、横浜市内や川崎市内では一部神奈中バスが運行している。従来からの路線もあれば、市営バスやほかのバス会社から路線を譲り受けたケース、路線を共同運行しているケースなども多く、厳密にエリアを区切ることは困難だ。

 

 横浜市内で市営バスとの重複路線と委譲を受けた路線では均一運賃も採用されている


とはいえ、ざっくりと上記エリアを除く神奈川県全域に加え、多摩市、町田市、八王子市といった東京都の南多摩エリアが神奈中バスの運行エリアといえるだろう。

 

 路線図を1枚にまとめるとこんな感じ・・・ひ、広い!(『神奈川中央交通90年史』より)※クリックして拡大

 

 

神奈中バスは“激レア路線”の宝庫!?


 
さて、そんな広い営業エリアを誇る神奈川中央交通には、限定的な運行となっているいわゆる“レア路線”も多数存在している。

 

 週に1便、日に1便といった路線だ

 
並べてみると“レア路線”には運行距離が長いものが多く、部分的にではあるものの鉄道や同社の他系統バス路線、他社路線などと並走しているものも多い。

 

 複数のバス事業者で共有されている停留所も多い

 
キニナルにもあった平日1便の「間15」系統は「瀬谷」駅を経由して“三ツ境”駅に向かうが、「鶴間〜瀬谷」間では「間14」や「瀬01」「瀬03」系統、“三ツ境”駅に向かうルートでは「境30」などが並走している。利用者が多いにもかかわらず増便には至らないのはこのためではないだろうか。

 

 「間15」「間14」「瀬01」など、複数路線がルートを走る(神奈川中央交通HP路線図より) ※クリックして拡大

 
“淵野辺”駅北口から“登戸”駅を結ぶ「淵24」や、“調布”駅南口から“鶴川”駅に至る「鶴22」などの路線は、週に1度、日曜早朝の1往復のみが運行されている“激レア路線”として知られている。

「間15」のように、日に1便、日に2〜3便といった路線を入れると、かなりの路線を“レア認定”することができそうだ。

前述した通り、神奈川県内ではバス事業者が混在している地域もあり、競合の歴史を経て便数を絞りながら継続してきたという経緯もあるのだろう。


 

週1便「日曜早朝のみ」の「平44」に乗車!


 
さて、神奈中における“激レア路線”の代表ともいえる「日曜早朝の1往復のみ」の路線に、“平塚”駅北口から“小田原駅”を結ぶ「平44」がある。神奈中バス路線のなかでも、その長さにおいてトップを争う全長約21kmの長距離路線だ。

 

 本社所在地である神奈中の本陣・平塚発なのに“激レア”とは!(『神奈川中央交通90年史』より)


週に1度の運行で、はたして利用者はいるのだろうか? 神奈中“激レア路線”の実態を探るべく、実際に乗車してみた。

 

 日曜日午前6時すぎの“平塚”駅に降り立ち
 

 北口ロータリー向かい側の3番乗り場に向かう

 
バス停に先客は1名のみ。到着する別便のバスをやり過ごす姿に「もしや?」と話しかけてみると、やはり「平44」に乗る予定だという。某校の「鉄道サービス科」に所属する学生だそうで、この路線についてのレポートを作成するらしい。

午前6時40分のバス出発時刻が近づくにつれて、バス停周辺にパラパラと人の姿が増えてきた。停車予定位置の前に陣取って数人がカメラを構えるなか・・・

 

 バス到着

 
先の学生さんに「このバスは中が狭いから気をつけてください」と声をかけていただきながら、いざ乗車。

 

 「全線680円。“環境定期券制度”で定期所持者は100円で乗れます」とも。いいな
 

 数世代前の車両なのか、確かに車内は狭い印象


この日の「平44 小田原駅行」に乗車したのはオカダと、学生さんを含む男性4名の計5名。

発車したバスは次々と停留所を通過し、車内ではアナウンスばかりが響く。

 

 大磯町に入ると、時間調整のため無人の停留所でしばらく停車する始末


「“レア路線”だけに乗る人もレアなのかなぁ」などと考えながらうとうとしかけると、突然降車ブザーの音が車内の静寂を切り裂き、“大磯プリンスホテル入口”で平塚駅からご一緒だったスーツ姿の男性が1人降車。

その後、大磯町から二宮町へと進むうち、乗客は増えてきた。座席が埋まるほどではないが、停留所ごとに数名の乗車があり、車内にそこそこのにぎやかさが加わる。

 

 二宮駅では釣竿を携えた3人組が乗車し、釣り場に近いと思しき停留所で下車された


バスルートでは“大磯”駅“鴨宮”駅こそ通過するものの、“二宮”駅と“国府津”駅ではロータリーに乗り入れる。駅前停留所では多数の乗客が降車し、通勤やお出かけ目的の利用者も多くいそうな感じが見てとれる。

 

 箱根登山バスの路線と並走している部分も多く、この便以外では他社便を利用するのかもしれない
 

 小田原市に入ると・・・・
 

 海だ!
 

 その後も乗車客は絶えず、それなりの客を乗せて午前7時47分、“小田原駅”停留所に到着

 
結局、始発から終点まで通して乗った4名は“激レア路線”目当てと思われるが、ほかにも別の目的で乗降された客が多数いたようだ。

 

 バスは午前8時5分発で“平塚駅北口”に戻るべく待機
 

 こちらが箱根登山バスと共用の“平塚駅北口行き”乗り場なのだが・・・
 

 神奈中バス時刻表の扱いがちょっとヒドイ


さて、このままバスで戻ってもよいのだが、せっかくの小田原。とはいえ、かまぼこ屋さんも干物屋さんもまだ空いていない。とりあえず・・・

 

 磯丸水産小田原錦通り店で「マグロアカモク丼(795円)」と
 

 安くてウマいとウワサの「白蛤(ホンビノスガイ)網焼き(2個599円)」で朝ごはん(ビール自粛)
 

 平成の大改修を終えた小田原城を見学して
 

 列車で帰路に


平塚から小田原までバスでは1時間強かかったのに対し、JR東海道線を利用すればたったの20分弱。お急ぎの方には電車がおすすめだ。

とはいえ、細かく停留所が設定されたバス路線には、バスならではの便利さがある。列車代わりに全路線を利用する人は“激レア路線”目当てのバスファンに限られるようだが、区間ごとにはそれなりの利用者がいる実態は分かった。