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港北区で検出されたストロンチウム、市が突っぱねたその真相は?

ココがキニナル!

港北区のマンションの排水溝などに溜まった土から、ストロンチウム90がキロ当たり195ベクレルも検出されたようですが、市は調査の必要はないと突っぱねたその真相を知りたいです。(浜の住人さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

文科省の方針が、セシウムを対象としていた為、横浜市はそれ以上の検査は必要ではないと認識していたから。

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ライター:河野 哲弥

ストロンチウム検出は、民間の検査が先行だった



港北区の築7年5階建てマンション屋上の堆積物から、195ベクレル(1キロ当たり)のストロンチウム90が民間の検査機関の測定で検出され、横浜市が同区の土砂について検査を実施していることが12日、横浜市への取材で分かった。

文部科学省が6月から7月にかけて、福島第一原発から100キロ圏内の調査を行った結果、福島県内や宮城県南部など計6カ所でストロンチウム90が検出されているが、約250キロ離れた横浜市で検出されるのは初めてだという。100キロ圏外の調査の必要性が改めて問われるところだ。

なお、今回検出されたストロンチウム90とは、ウラン核分裂によって生成する放射性物質で、半減期は約28.8年。
骨に蓄積しやすく、骨のがんや白血病を引き起こすなど、人体への影響が大きいとされている。
 


堆積物を採取した、マンション脇の側溝の様子




ストロンチウムを無視する、市の姿勢



まずは確認も含めて、改めて時系列で経緯を整理してみよう。

横浜市健康福祉局によれば、同マンションに住む男性が、側溝などにたまった堆積物を民間検査機関「同位体研究所」に検査依頼したのは7月下旬。その結果、セシウムが1キロ当たり6万3434ベクレル検出されたそうだ。

そして、この結果が同局に通報されたのは8月25日。

これを受け、局が改めて検査をしたのは9月12日。
1キロ当たり10万6,500ベクレルのセシウムを検出し、堆積物の除去作業を行った。
 


問題となっている側溝の中の様子


同局安全課によれば、このときの調査はあくまでセシウムを対象としていたため、それ以上の検査は行わなかった。

そして15日、改めて市民よりストロンチウムが含まれている可能性の指摘を受け、10月4日より調査を再開する訳だが、男性より追加依頼を引き受けた「同位体研究所」が7月に採取した堆積物の中からストロンチウムを検出したというわけだ。

なお、同課では10月4日に開始したストロンチウムの結果は一週間ほどで出ると話す。
ではなぜ、9月12日の時点でそこまで踏み切らなかったのだろうか?

10月に入って、まるで手のひらを返したようなこの動き。
実は文科省の見解が深く関わっていた。



10月4日、同じ日に行われた中川文部科学相発言



まずは9月30日。文科省は、6月から行ってきた福島第一原発の事故で放出された放射性物質の調査に基づき、ストロンチウム89、90の土壌汚染マップをはじめて公表した。
 


文科省サイト内で公表されているマップ


これによれば、ストロンチウム90の沈着が最も高かったのは、福島県双葉町の5700ベクレル。
文科省が事故前に行った調査の最大値である950ベクレルの6倍を示した。

この時点で文部省は、セシウムの沈着量の最高値が検出された箇所における50 年間積算実効線量と比べて(ストロンチウム、プルトニウム共に)非常に小さいことを理由に、今後の放射能汚染の影響評価や除染対策はセシウムに着目するのが適切とコメント。

ところがこのコメントをひっくり返したのが、4日後の同省中川文部科学相だ。

10月4日の記者会見で中川文部科学相は、放射性物質の調査をより精密に進める方針を提示した。
これによって、ストロンチウムやプルトニウムなども着目する必要が生じたのである。

繰り返しになるが、市健康保健局が港北区の現場のストロンチウムの調査再開をしたのは、まさにこの10月4日だったのである。