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横浜の事故物件の内情は? 事情通に覆面インタビュー&体験レポート!

ココがキニナル!

友人が旭区の格安事故物件に住んでいます。横浜って意外とあるものなの?(太roさん)横浜のいわゆる「事故物件」はどれくらいあるのでしょう?一晩泊まってみません?(ほっけさん)

はまれぽ調査結果!

Sさんの不動産会社では賃貸物件の0.3%ほどが事故物件とのこと。事故物件を24時間体験したが、心霊現象らしきものは起こらなかった

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ライター:はまれぽ編集部

突然だが筆者は心霊現象というものが大の苦手だ。

3歳ぐらいのとき、深夜に「ピース(じゃんけんのチョキ)型」のおばけが、張り替えたばかりのふすまの前に現れた。サイズは1メートル以上あっただろう。硬直して気絶するように眠りにつき、朝目覚めると、張り替えたばかりのふすまに穴が開いていた。その穴は幼い筆者の手が届く高さではなかったが、母から「ピース型おばけなんてふざけたものがいるわけない、穴を空けたのなら素直に謝りなさい」としこたま叱られたのである。

 

 おばけの形状から笑い話と取られることが多いが、本気で怖かった


そのせいかアラサーになった今もお墓の前を通るだけでも怖いし、なんなら心のなかで「すみません、失礼します、通ります」とそこにいるかもしれない方々に挨拶をするぐらいなので、その手のスポットに近付くこともなかった。

そんな筆者が今回、事故物件についての取材を行う。何の因果だろうか。


 

事故物件の「都市伝説」はウソ?


 
今回、事故物件について赤裸々に話してくれたのは、旭区で不動産会社を営むSさん。恐る恐るの取材交渉だったが、「なんでも聞いて!」と朗らかに受け入れてくれた。

 

 Sさん「悪党業者っぽい態度をした方がいい?」筆者「普通で大丈夫です」


そもそも「事故物件」と呼ばれるものは、一般的に自殺や他殺などで死者が出たり、事故や孤独死などで居住者が死亡したりと、目に見える不具合ではなく心理的に不具合である「心理的瑕疵(しんりてきかし)」がある物件のことを指す。このような物件は不動産広告に「告知事項あり」と記載されているため、「告知物件」と呼ばれることもあるそうだ。

この「告知事項」だが、表記の通り、不動産業者はその家や部屋で何があったか調べ、買主・借主に告知する義務がある。そして告知事項がある物件はなかなか買い手・借り手がつかないため、家賃相場が同レベルの物件に比べ、50~60%オフにもなるという。

 

 お安い・・・!


事前にインターネットで調べたところ、事故物件に対し告知をしなくてはいけないのは事故から1人目の買主・借主だけなので、1ヶ月ほど専門のスタッフを住まわせて告知義務期間を終わらせ、あとは何食わぬ顔で売買・賃貸に出す、なんて話が散見するが・・・

 

 「それは都市伝説ですよ笑」と、ぴしゃり

 
「法律的には決まっていませんが、一般的には10年くらい経てば心理的瑕疵も十分薄まっていると考えられ、それ以降は告知しないことが多いですね。だから、たった1ヶ月住まわせただけでは心理的瑕疵が薄まったとは言えません」

過去には50年も前に殺人事件が発生した物件に対し、買主が売主と仲介業者に対して損害賠償を請求し、それが認められた事案がある。この場合、50年前にその土地で凄惨な殺人事件が起きており、今もなお周囲住人の記憶にその惨状が強く残っていて、心理的瑕疵が薄まったとは言えなかったことが大きな要因であるそうだ。

「ただ、賃貸だと1回借りられたあとは告知しないことが多いかと思います。賃貸で更新まで2年としても、その間に何も起こらなければ、心理的瑕疵はかなり薄まっていると判断する業者も多いと聞いています」とSさん。このことから都市伝説と言われた「1ヶ月で告知期間終了」の話ができたのかもしれない。


 

救急車が分かれ道?


 
「そういえば、首を切ったり病気で吐血したり・・・血が飛び散ってしまった現場は臭いが強く残るので、壁紙の張り替えから行いますよ」

話の内容に筆者は一瞬硬直するが、事故物件を通して当たり前のものとして日々「死」と接しているSさんは、淡々と話を続ける。事故物件の引き渡しに際して、事故当時の状態によるが、通常のクリーニングだけでは間に合わない場合は、壁紙の張り替えや畳の入れ替えなどをしっかり行うそうだ。

しかし、いくら50~60%オフとはいえ、買えば1軒数百から数千万円はする大きな買い物だ。実際にどのような方が購入するのだろうか?

 

 事故物件の内覧の際に「ここ寒い」と言われたことがあるそう(画像はイメージ)


Sさんは「たとえば医療従事者の方々は、病死や孤独死に対して理解があるので、それならば問題ないと判断して購入する方が多いですね」と話す。

どうしても自殺や他殺など、センセーショナルな話題がある物件ばかり目を引くが、実際は病死による孤独死などの事故物件の方が多い。たとえば、自宅で安らかに大往生したとしても、心肺停止後に時間が経過し、救急隊から見て明らかに死亡と確認できた場合は、病院への搬送を行わず、警察が検視を行うことがある。

「死亡診断はできるだけ病院でして貰いたいんです。警察を呼ばれて死亡診断書がその部屋で出てしまうだけで、事故物件扱いになりますから。救急隊は死亡判断ができませんから、救急車にさえ乗っていただければ、病院で死亡診断書が出ます。何があっても救急車です」と、Sさんは力強い救急車押し。どのような死であれ、死亡を診断された場所によって半額以下の割引が決定されることを考えると、その力強さは理解できる。

 

 救急車はとても重要(フリー画像より)


Sさんの会社では、賃貸だと全体の0.3%程度が事故物件だという。生活のすぐそばにあるのが死だ。マンションを何棟か管理していたとすれば、一部屋ぐらいは事故物件になってしまうそうだ。

「事故物件に住みたいって人はいままでいないね。安い物件を探していて、たまたまそれが事故物件だったけど、安さ優先で買う・借りる、という方は10人に1人いるかいないか・・・ですね」

また、各地のマップ上に事故物件が表示され、事故詳細を見ることができる「大島てる」というサイトを見て事故物件に対する予備知識を付けてくるお客さんもいるそうで、「不動産業界の人間なら、大島てるは皆見ているんじゃないかな? すごいよね、あのサイト」とのことだった。