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横浜で唯一現存する外国資本の銀行建築! 旧露亜銀行ビルとは?

ココがキニナル!

旧露亜銀行ビルは奇跡的に解体から逃れ、いまは結婚式場として再生されています。関東大震災にも横浜大空襲にも負けずハマの街を見続けてきた建物。当時の内装や雰囲気などが残っているのか(栄区かまくらさん)

はまれぽ調査結果!

現在の旧露亜銀行ビルは95年前の姿を残しつつ、外観は塗り替えられ、内観は結婚式場としてリノベーションされている。

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ライター:すがた もえ子

横浜の有形文化財「旧露亜(ろあ)銀行ビル」は、横浜で唯一現存する外国資本の銀行建築の遺構という。1923(大正12)年の関東大震災や1945(昭和20)年の横浜大空襲という激動の時代を乗り越え、現在も残る数少ない歴史ある建物の一つだ。現在は結婚式場となっているので、立ち入る機会も少くないだろう。

今回はリノベーションされて結婚式場として生まれ変わった旧露亜銀行ビルの歴史と現在の様子について調べてみた。



旧露亜銀行ビルとは?



旧露亜銀行ビルは、横浜市中区山下町280に建つバロック様式の建物だ。1921(大正10)年に英国人建築家バーナード・M・ウォードによって設計され、露亜銀行横浜支店として作られた。

関東大震災では山下町一帯が焼け野原になったが、旧露亜銀行ビルは倒壊を免れ、瓦礫の中に旧露亜銀行ビルだけがポツンと建っている写真が残されている。
 


周りには何もない(横浜開港資料館所蔵)

 
1926(大正15)年に露亜銀行(ロシアで誕生したロシア・アジア銀行)が日本から撤退した後は、設計事務所や横浜市瓦斯(ガス)局、ドイツ領事館や法務省の入国管理事務所、警友(けいゆう)病院別館として使用され、1996(平成8)年からは空き家の状態が続いていた。その後、2005(平成17)年に、建物の保存、活用を条件として入居者が民間公募された。

そして2011(平成23)年9月14日、旧露亜銀行ビルは結婚式場「ラ・バンク・ド・ロア(La Banque du LoA)」としてリノベーションされ、新しく生まれ変わった。



現在の旧露亜銀行ビルへ


 


旧露亜銀行ビルはここ(Googlemapより)

 
旧露亜銀行ビルは、2006(平成18)年11月1日に横浜市指定有形文化財へと指定されている。現在は横浜・音の教会ラ・バンク・ド・ロアの結婚式場になっている。
 


白い壁が印象的な地上3階建ての建物


建物の正面右側には説明板が設置されている

 
今回ご対応いただいたのはラ・バンク・ド・ロアの門田健(もんでん・けん)さん。
 


笑顔がさわやか!

 
門田さんによると、旧露亜銀行ビルは一般公開をしているわけではないので、ラ・バンク・ド・ロアで結婚式を挙げられる方や式に参列される方などは建物内を見ることができる。。

リノベーションをして結婚式場へと生まれ変わった旧露亜銀行ビルは、外観は壁を塗り替え、ロゴを追加したが、そのほかには大きく手を加えてはいない。
有形文化財のため、横浜市の景観条例が厳しく大きく手を加えることはできないという。
 


追加されたロゴ

 
「横浜市から、この部分とこの部分はリノベーションしても必ず残してください、という指示に基づいて、該当部分はそのまま残しています」と門田さん。ブライダルと有形文化財という組み合わせだが、旧露亜銀行ビルのかもしだす特有の雰囲気はお客さんにも好評とのこと。

内部へ足を踏み入れると、外観同様に白を基調とした空間が広がっていた。思わず感嘆の声を上げてしまう美しさ! 石造りの建物のため、話し声もよく響く。
 


クラシカルならせん階段


こちらは旧露亜銀行の金庫室として使われていた部屋

 
さすが金庫室として使われていただけあって、壁がぶ厚い。
 


海外ドラマに出て来そうな部屋だ

 
部屋の中央にはガラス張りの床が広がっている。
 


ガラス下には、95年前の当時のモザイクタイルが残されている

 
この金庫室は、結婚式当日に開放され、式の参列者であれば自由に見学ができるようになっている。壁には関東大震災や横浜の歴史をたどる写真も飾られていて、横浜らしさや歴史を感じることができる。
 


式場オープン時の写真も

 
門田さんは、「旧露亜銀行ビルは有形文化財のため、長く建物を使用することができ、式場として残していけるところが良い」と話し、「ここで結婚式を挙げた新郎新婦に、挙式後いつでも結婚式を思い返してもらえるようオルゴールを作らせていただいています」と話してくれた。

ラ・バンク・ド・ロアでは新郎新婦にオリジナルのオルゴールを製作していて、この金庫室の棚で保管されている。
 


クラシカルなディスクオルゴールだ

 
挙式日や夫婦の名前も刻印し、音楽は20曲ほどから選ぶことができる。記念日や子どもが産まれてからなど、いつでも聴きに来ることができるようになっている。