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横浜のココがキニナル!

2018(平成30)年3月、新たに横浜市により指定された2件の認定歴史的建造物。指定理由と今後の活用・再生の方針は?(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果

白楽の「旧市原重治郎邸」と川和町の「中山恒三郎家店蔵及び書院」を認定。建設当時の様式が残る貴重な和風建築で、今後一般利用に向け整備される

ライター:はまれぽ編集部 (2018年04月26日)

2018(平成30)年3月、横浜市は神奈川区白楽の「旧市原重治郎(いちはら・じゅうじろう)邸」と都筑区川和町の「中山恒三郎(なかやま・つねさぶろう)家店蔵及び書院」の2件を横浜市認定歴史的建造物に指定した。

いずれも幕末から戦前にかけて建てられた和風建築物であり、認定歴史的建造物となったことで、横浜市の「歴史を生かしたまちづくり要綱」に基づいて往時の外観を保ちつつも内装を積極的にリノベーションし、さまざまな用途への活用が可能になる。建物の価値と、保全・再生に携わる人の声を取材した。
 
 
 
旧市原重治郎邸の特徴
 
旧市原重治郎邸は、東急東横線「白楽駅」から徒歩1~2分の至近距離にあり、重厚な大谷石(おおやいし)の塀に囲まれた庭園付きの邸宅。1925(大正14)年に建てられた母屋と1932(昭和7)年建造の土蔵を持つ。
戦前の典型的な和風邸宅の様式がほぼそのまま残されている数少ない建築として希少性が評価され、市内の建物の中で初めて「近代和風建築」の認定を受けた。
 


入母屋づくりの玄関(左)に、特徴的な洋館部が隣接する

 
施主の市原重治郎氏は、1853(嘉永6)年の生まれで、横浜で鶏卵などの貿易商として財を成し、横浜市会議員をも務めた名士。この邸宅は中区花咲町の本邸とは別に、賓客をもてなす別邸として建設されたそうだ。
 


庭園から母屋を見た様子

 
 
 
目立つ洋館部

母屋は伝統的な瓦葺き木造平屋建てを基本としながらも玄関右側には応接室を持った洋館部を備え、和洋折衷の邸宅という風情。洋館部の高い屋根は塀の外からも目立ち、白楽の街にとっては馴染み深い存在だった。
 


洋館部の外からの眺め

 


白楽駅からも確認できるほど目立つ

 


洋風のインテリアで統一された応接室

 
応接室を右手に見て進むと直線状に配置された三間の座敷に進むことができる。玄関側から奥に進むにつれ広くなっており、奥の座敷ほど格が上がることがうかがえる。
 


庭園からの陽光で開放感のある座敷

 


飾られている調度品も価値がありそう

 


欄間の技巧も今となっては貴重だ

 
庭園には立派な灯籠が何基も残り、四季の草花が鑑賞できるようたくさん植えられている。土蔵は二層構造で高さがあり、近世のものに比べると昭和初期の土蔵建築技術の進歩を感じさせる。壁面の那智黒石(なちぐろいし)仕上げも見事で、こちらも貴重な昭和初期の土蔵建築だ。
 


広々とした緑豊かな庭園

 


土蔵の高さが昭和初期の建築の特徴

 


邸宅の外からも目立つ

 


土蔵壁面のアップ。びっしり那智黒石が詰め込まれている

 
 
 
邸宅のこれから
 
このように横浜市内に残る近代の木造和風住宅として極めて貴重な旧市原重治郎邸。邸宅は重治郎氏の没後、市原家の家族が代々引き継いできた。しかし2年前に住宅としては役目を終え、家族だけで維持することが難しくなり、横浜市に相談をしたところ、建物の価値が評価されて歴史的建造物の認定を受けたとのことだ。

市原家や横浜市とともにこの邸宅のリノベーションに携わっているのは、株式会社アクトコールの尾﨑渉(おざき・わたる)さん。
 


市原家とともに邸宅の再生に携わる尾﨑さん

 
建物の日本家屋らしさや住居としての歴史を活かし、ワーキングスペースとして多くの人がリラックスしながら働ける場所にできればと考えているという。とはいえあくまで現時点の考えであり、地域の皆さんに実際に建物に来てもらい、意見を参考に活用法を決めていくとのことだ。
 


横浜大空襲でも焼失しなかった歴史的建築。どのように再生されるのか興味深い

 
 
都筑区川和町の「中山恒三郎家店蔵及び書院」とはどんな建物?≫
 

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