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新子安駅近くにある「だいたい100円」と垂れ幕を掲げるお店ってどんな店?

新子安駅近くにある「だいたい100円」と垂れ幕を掲げるお店ってどんな店?

ココがキニナル!

京浜東北線を乗っていると新子安のちょっと手前(横浜寄り)にほとんど100円と書いた垂れ幕が見えます。いったい何屋さんなのでしょうか? 100均でも無さそうだし(baybridgeさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

垂れ幕があるお店の正体は、物々交換ができるお店「わらしべ伊八」。商品価格は従業員の気分と客の熱意で決まるユニークなお店だった

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ライター:おとも尚美

急に雨が降り、100円ショップで傘を買ったことがある。手の中に108円を握りしめていると「324円です」と言われ、動揺がバレないように清算したあの日。100円じゃない品物もあるなら先に知りたかった。

今回のキニナル投稿の「ほとんど100円」の垂れ幕とは、もしかしたら親切な100円ショップなのだろうか?

 

いや、全然違った!
 

お店の場所は、JR京浜東北線「新子安」駅から徒歩10分ほど。

 

国道15号線沿い。一つ目の信号を超えてすぐの赤丸あたり(Googlemapより)
 

新子安駅から国道15号線に向かう
 

国道15号線に出ると、かなり分かりにくい感じでのぼりが見えた。

 

右側の赤枠で囲まれた場所がお店
 

正面から見ると、投稿にあった垂れ幕が大きく目立ち、「物々交換」の文字もある
 

店先には雑貨や食器が並んでおり
 

看板には「倉庫開放のわらしべショップ」とある。なんだか面白そうだ!
 

昔話の『わらしべ長者』のように、物々交換して田畑や屋敷が手に入るような、そんな夢みたいなことが「わらしべ伊八」にもあるのだろうか。さっそく中に入ってみる。

 

店内は家具などの商品も置かれ、倉庫といった感じ
 

すると、「はまれぽさんですね! お待ちしていました!」と法被(はっぴ)を着た女性が声をかけてくれた。

 

オーラバリバリの超美人さん!
 

ついつい「壺触ってもらっていいですか? 」とお願いしてしまった
 

直視できないぐらい素敵すぎるこの女性は、「築地 伊八」の若女将である小上馬美歌(こじょうま・みか)さん。小上馬さんに「わらしべ伊八」についてお話を伺うことにした。



わらしべ伊八とは



「わらしべ伊八」は、株式会社L.I.G(エル・アイ・ジー)が運営するお店。この物々交換ができるお店を始めたのは、同会社が運営する高級明太子専門店「築地 伊八」で起きたある出来事がきっかけだったという。

ある日、常連のお客さんに明太子を配送していた際、いらない物を引き取ってほしいと相談をうけたという。“人とのつながりを大切にする”ことが「築地 伊八」のモットーであるため、その不要品を引き取り、試食のお皿に使っていたそうだ。

すると、お皿を欲しがる人が「これいくら?」と声をかけてきたという。売る気はなかったので値段はつけられずに、お客さんの持ち物と交換した。それが物々交換の始まりだったとのこと。

その後も、採れたてレタスとお皿を交換したり、ジャンケンで勝った方にタダ同然であげたりしていたら、そのやり取りを目当てにくるお客さんが増えていったそうだ。

 

お客さんでにぎわう「築地 伊八」の様子(「築地 伊八」のホームページより)
 

お客さんと「こんなつながり方もいいな」と、2016(平成28)年に「わらしべ伊八」がオープン。「お客様に得をしてもらいたい」という思いから、『わらしべ長者』にあやかって店名を「わらしべ伊八」にしたとのこと。
現在は東京・神奈川に6店舗あり、2017(平成29)年9月に店舗兼倉庫として新子安店を出店した。

また、物々交換の珍しさから、『モヤモヤさまぁ~ず2』や『出没! アド街ック天国』などのテレビの取材も多いという。



垂れ幕にある「だいたい100円」とは



さて、キニナル投稿にもある垂れ幕の「全品どれでもだいたい100円」という商品は、店舗前に並んでいる商品のこと。それ以外の商品は店内にあり、100円以上の商品もある。日によっては、掘り出し物が店先に並ぶこともあるそうだ。

 

店先の「100円コーナー」。食器類はすべて100円(税込/以下同)
 

こちらのカゴの中も100円。取材前日は高級ブランドのスカーフも入っていたという
 

続けて、店内の商品を見てみる。

 

自転車や電子レンジ、お宝が紛れているかもしれない絵画
 

過去に筆者も持っていたオセロに、火消しの半纏(はんてん)などもある!
 

倉庫というだけあって、社員ですら「どこにどんな商品が置いてあるか把握していない」とのことだが、その乱雑感が「宝探しのような感覚でいい!」と、やってくるお客さんも多いのだとか。

そして、店内を見まわしてキニナったのは、商品に値段が一切ついていないこと。値段をつけない理由を伺うと、お客さんに聞いてもらうことで交流が増えるからだそう。
試しに、目の前にあったランプの値段を聞いてみたところ、「それは、気に入ってるから3000円かな」と店長さんが答えてくれた。残念ながら名前も顔出しもNG。

 

こちらが店長さんお気に入りのため、3000円のホラ貝のランプ
 

そのほかの商品の値段も伺った。すると「それねー、どうしよう。セットで3万・・・いや1万くらい?」と値段をつけてくれたのが、イスが4脚ついた高級家具メーカー「カリモク」のテーブルセット。

 

3万円から1万円にその場で変更になった
 

アバウトすぎる値段設定に驚いたが、その設定基準を聞いてみると「気分です!」と即答され、ますます驚いた。

新子安店に限らず「わらしべ伊八」では、商品の価格は99%が店員の気分で決まるという。気分が良い時と良くない時の価格差も決まっておらず、最低1000円差から最高半額になることもあるのだとか。

これは聞き捨てならない。気分が良い時はどんな時か小上馬さんに伺うと「晴れの日はやっぱり気分がいいですよ」という。では、雨の日は避けたほうがいいらしいと頭の中でメモしていると「でも、雨なのにわざわざいらしてくれると嬉しいです」と抜け目ない返答が。本当にその時の気分で決まるようだ。

そんな店員さんとのやり取りが好評のようで、リピーターとして来店する人も多いとのこと。