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鎌倉市食べ歩き自粛条例施行後の小町通り・客観的レポート

ココがキニナル!

鎌倉市が食べ歩き自粛条例を可決しました。市の意図と、地域住民の考え、観光客の声、店側の本音(客が減る、営業妨害等)を取材お願いします(LA-CL3さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

今回のマナー向上条例は食べ歩きだけが対象ではない。罰則なしの「理念条例」であるところに、人気観光地としての微妙な立場が覗く。その微妙さを映すように、現地ではさまざまな意見が錯綜していた

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2019年04月30日

ライター:結城靖博


鎌倉駅の表玄関・東口改札前

 
2019(平成31)年4月1日から鎌倉市で施行された「鎌倉市公共の場所におけるマナーの向上に関する条例」。この条例の中に迷惑行為の一つとして食べ歩きも含まれていたことから、条例が可決されるや否や、「鎌倉での食べ歩きが禁止か!」と、早々に多くのマスコミが小町通りに押し寄せた。狭い通りに群がるテレビクルーこそまさに「迷惑行為」といえなくもないそんな加熱報道を、一時テレビで目にした人たちも少なくないだろう。
 
だが、この大手メディアの過剰反応は、少なからず観光客に誤解を与えたようだ。はまれぽでは、今回の条例とこれに伴う出来事を、できるだけ予断を挟まず客観的にレポートしていきたい。
 
 
 
鎌倉市役所を直撃!この条例はどういうものなのか?
 
まずは、今回の条例を施行した当事者、行政側の意図を問うべく、鎌倉市役所を訪ねた。
 


鎌倉市役所は、やはり鎌倉らしくなんとなくお寺っぽい

 
取材に応じていただいたのは、鎌倉市観光課の廣川正(ひろかわ・ただし)課長。
 
「そもそも今回の条例の発端は、ハイキングコースでのトレイルランニングの増加だったんです」そう廣川さんは話を切り出した。
トレイルラン走行者とハイカーとの接触事故などが問題化し、2014(平成26)年からこの規制について議論が始まる。一時はハイキングコースでのトレイルラン全面禁止も検討されたが、広い山中を常時監視するのは実質不可能。そこで、罰則を伴う「規制」から「自粛」へと舵を切り、その際、トレイルラン以外の市街地も含む鎌倉市全域でのマナー向上に目を向けることになったという。
したがって、対象となる迷惑行為には、このほか、車道や線路内での危険な撮影行為、広場・山道などでの火気使用、狭く混雑した場所への自転車・バイクの乗り入れなど、さまざまな項目が含まれている。その中の一つが、「狭あいな(狭い)場所又は混雑した場所で、歩行しながら飲食を行う等他者の衣類を汚損するおそれのある行為をすること」(条例原文)なのだ。条例全文と解説は、鎌倉市HPで見ることができる。
 
そして、廣川さんは強調した。
「食べ歩きについては、『ほかの人に注意して食べてください』ということであって、『売ってはダメ、食べてはダメ』ということでは、決してないんです」
 


「食べ歩き禁止ではありません!」と力説する廣川さん

 
「お店の人が商品を渡すとき『どうか気をつけて食べてくださいね』と注意を喚起していただき、買う側もそれにこたえてマナーを守って食べていただく。とりあえずそんなところから、お互いの意識向上に期待したいですね」と廣川さんは言う。
そして、この条例が、「誰もが気持ち良く過ごし、『住んでよかった、訪れてよかった』と思える成熟した観光都市を目指す」という鎌倉市の基本理念実現のために、行政も事業者も観光客も市民も一体となって取り組む契機になってくれれば、と願っているとのことだ。
 
ところで、迷惑行為の中に食べ歩きが含まれたわけには、当然これまで食べ歩きに対する苦情が市民から届いていたからだろう。それについて具体的な内容を伺うと、「ぶつかりそうになった」とか「服を汚された」という苦情ももちろん多いが、それ以上に一番多かったのが「みっともない」というクレームだったとのとこ。一番がそれ、というところに、伝統を誇る鎌倉市民の住民意識の特性が現れているようにも感じた。
 
いっぽう、食べ歩きにはゴミのポイ捨て問題も付き物のはずだ。しかし、ポイ捨てについては、すでに鎌倉市では別途条例が施行されているので、今回の条例には触れられていない。基本的に「ゴミは自分で持ち帰る」が大前提とのこと。
 
最後に廣川さんは付け加えた。
「今回の条例について一部マスコミでやや偏った報道のされ方をしましたが、でもそれも、この問題を考える良いきっかけになったのではないでしょうか。食べ歩きが鎌倉にとって本当にいいことなのかどうか、それはそれで今後じっくり、みんなで議論していかなければならないことだと思います」
 
 
 
いざ小町通りへ!
 
というわけで、行政側のいわば「オフィシャルな見解」を踏まえたうえで、4月中旬、施行後やや落ち着きを取り戻したかと思われる、鎌倉食べ歩きスポットの代名詞「小町通り」へと足を運び、さまざまな立場の人々に話を聞いてみることにした。
 

鶴岡八幡宮の参道・若宮大路と並行に走る小町通りは全長約360メートル

 


入り口には「八幡宮近道」と掲げられた赤い鳥居がドンッと構える

 


さすが年間約2000万人訪れる小町通り、平日でもこんなに賑わう

 
通りを歩いていて目についたのは、食べ歩きやゴミのポイ捨てへの注意喚起をうながす掲示板の多さだった。
 


英語で書かれたものもあれば

 


注意喚起しつつもお客さまへの微妙な気遣いを感じるものもあれば

 


ものすごい数の注意書きが掲示されている場所もある

 
店頭にゴミ箱を設置するなど、ほかにもお店側の努力を感じる光景が見られる。
 


通り沿いにゴミ箱を設置する店

 


わずかなスペースに椅子を置く涙ぐましい配慮

 
そんな中、お客さん側はどうかというと、思いのほか食べ歩きをしている人の姿が少ないという印象だった。買った後、通行の邪魔にならないようにお店の前で食べている観光客の姿がむしろ目立つ。
 


マナーを守ってちゃんと店頭で立ち食いする方々

 
 

 

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