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元町百段公園が伝える横浜の光と影

元町百段公園が伝える横浜の光と影

ココがキニナル!

元町百段公園に光を当ててください。廃墟感が半端なく景色は良いのに観光客どころか地元にも見捨てられたような雰囲気が。名前の由来もキニナリます(横濱マリーさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

「元町百段公園」の成り立ちを調べていくと、開国から明治期に至る新興都市・横浜の誕生と繁栄、そして関東大震災が横浜に与えた被害の甚大さが浮き彫りになっていった

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ライター:結城靖博

「百段」というなんとも不思議な名前が付けられた公園。「横濱マリー」さんが言う通り、山手には数々の観光名所の公園があるが、そんな名前の公園があることを知る観光客はなかなかいないだろう。はたしてなぜ「百段」という名前が付けられたのか。そして、どんな公園なのか。さっそく現地を訪ねることにした。
 
 
 
近くて遠い元町百段公園
 


公園は最寄り駅「元町・中華街」からほど近い。けれど・・・

 
目指す「元町百段公園(もとまちひゃくだんこうえん)」はGoogleマップで調べてみれば、最寄りのみなとみらい線「元町・中華街」駅から徒歩7分という距離。メインの元町通りの裏道・仲通りから代官坂(だいかんざか)に入る。
 


仲通りから代官坂を見たところ

 
代官坂からさらに右の脇道にそれるのだが、その分岐点が代官坂に入ってあまりにもすぐの場所にあり、うっかりすると見落としてしまう。
 


脇道の分岐点は赤い丸で囲った辺りにある(赤丸は筆者が付記)

 
上の写真は、仲通りに掲げられたマップだが、残念ながら、元町百段公園に通じる脇道も公園自体も表示されていない。
 


元町百段公園へ通じる脇道がある分岐点

 
右にカーブする中央の道がメインの代官坂。右端の「堀内歯科クリニック」の看板左の階段が、元町百段公園へと通じる道だ。
 


元町百段公園に通じる階段を上る

 
階段を上ると20段ほどで踊り場となり、右に折れてさらに続く。
 


踊り場から階段上を臨む。その先はさらに左に折れている

 


左にカーブした先に頂上らしき車止めのポールが見えてきた

 


やれやれ、頂上に到着


振り返るとこんな感じ

 
なぜか上りきったところに椅子があった。近隣住民の方々がやっと階段を上り終えて、ここで一息つくのだろうか。
ちなみに階段は全部で94段だった。オシイ!
 


さらに階段の先を臨むと・・・

 
おおっ! 右手奥にレンガ造りの公園入り口らしきものが小さく見える。ちなみに階段から公園に至るこの細い坂道の名は「高田坂(たかだざか)」(「百段坂」とも)。
 


ほどなく「元町百段公園」の入り口に到着

 
公園を横目にさらに奥へ進むと、閑静な高級住宅地を抜けて、山手本通りの汐汲坂(しおくみざか)交差点に突き当たる。そこを右へ行けばフェリス女学院、左へ行けば元町公園や外人墓地、港の見える丘公園と横浜観光のメイン・スポットへ通じる。
 


フェリス女学院の前にあった周辺地図掲示板(高田坂ではなく百段坂となっている)

 


公園入口の銘板。「ここで間違いございません」と主張していた

 


入り口から公園の中を臨む

 
公園の中には確かに「横濱マリー」さんの指摘通り、古代ローマ遺跡風の円柱が何本も立っていた。
中に入って、公園内の様子をさまざまな角度からとらえてみる。
 


道路側から公園奥を真正面に見る

 


同じ角度からさらに寄る。花々がきれいに整えられて植えてある

 


崖沿いの弧形の展望テラス。レンガ造りが味わい深い

 


テラスからの眺望

 
この日はあいにく雨が降ったりやんだりの天気。公園から関内、みなとみらい方面を望む景色はどんよりとしていた。だが、仮に晴れていたとしても、見えるものはビルと高速道路だけであることに変わりはないだろう。
ただ、夜景は美しいにちがいない。横浜の隠れたナイトビュー・スポットと言えるかもしれない。
 


テラスから公園内を振り返る。ほぼ円形の敷地

 
写真では小さくて見づらいと思うが、道路寄りには広場を囲んでベンチや水場、自治会のものらしい掲示板があり、普通の公園の態をなしている。
 


掲示板に近づいてみると「公園愛護会掲示板」と書かれていた

 
後で調べると、「公園愛護会」とは横浜市内の公園の清掃や緑化活動を進めるボランティア団体で、元町百段公園では、バラの無農薬栽培をおこなっている。テラスの前の花々は、横浜市花のバラだった。
 


キニナル円柱に迫る

 
問題の円柱は、公園内に全部で8本あった。レンガのテラスを縁取るように建てられている。よく見ると中心にわずかなふくらみがあり、先端に行くほど微妙に細くなっていた。古代建築のエンタシス様式をちゃんと踏襲しているのだ。
 
公園を一目見たとき、この柱の列に目を奪われるのはもちろんなのだが、もうひとつ引きつけられるものがあった。それは、公園奥右側にこんもりと緑の葉を茂らせた一本の樹木だ。
 


園内にはほかに大きな木がないので、なおさら目立つのだが・・・

 


近づくと見事な桜の大木だということがわかる

 


さらに寄ってみると、生命力がブワッと弾けているようだ

 
きっと桜の花が満開のころは、素晴らしい姿を見せてくれるだろう。隠れた夜景スポットは、隠れた一本桜の名所でもあった。来年の桜の季節には、ぜひ取材に訪れてみたい。