学習塾
啓進塾 金沢文庫校
- 京浜急行「金沢文庫駅」より徒歩5分
- 横浜市金沢区泥亀1-17-1
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- 営業時間:11:00~21:00(日曜日: 9:00~17:00)
- 定休日:GW、夏期(8/13~8/15前後)、元旦
コンクリートの壁をはうナメクジは何をしているのか。頭が良いとは、その答えを推理できること。単に知識を詰め込んでも、受験が終われば、ただの思い出にしかならない
受験対策はテスト対策にあらず。点数より、知ることへの興味を伸ばす「啓進塾 金沢文庫校」
2016年06月10日
塾長は香川県出身。当時、国立の付属小学校に通っていたのだが、テストを成績順で返すようなスパルタ校だったという。
「最後の方に呼ばれるクラスメイトが顔を真っ赤にしていましてね、直視できなかったですよ。あれはモチベーションじゃなくてトラウマ。そういうところが原体験になっていったのでしょう」
現在の同塾に貼られた、先輩たちからの寄せ書き
やがて大学生になると、早々に学生結婚をしたこともあり、条件の良いアルバイトを探す必要に迫られた。そのなかの一つが家庭教師。まったくの偶然から教育者の道を歩むことになったのだが、その才能を一番近くで見抜いていたのは奥さんだった。ある日、「塾の講師って、向いているんじゃない?」と、新聞の募集チラシを持ってきたのだ。
物は試しとばかりに教鞭をとってみると、全国組織であるにも関わらず、講師としての総合評価はダントツの1位。24歳のことである。当然トップのクラスを受け持つことになったが、自ら望んで、伸び悩んでいる子どもたちの授業にも力を入れていった。
生徒とのやりとりをする私書箱、講師のあだ名が付いている
そのまま5年が過ぎたころ、生徒たちの親から直談判が持ちかけられた。異動などで担任から外れることのないよう、個人経営の塾を立ち上げてほしいと言うのだ。ただし、当時所属していたのは、組織力が頑強な最大手の塾。それまでにも独立の例はあったが、誰一人として長続きしなかったそうである。
「それが、唯一いらっしゃったんですよ。二俣川で『啓明舎(けいめいしゃ)』という塾を立ち上げた、大沼先生という方です。さっそくご縁にあやかろうと、『啓』の字を譲っていただけるよう、お願いに上がりました」
「『啓』進塾」の進撃が始まった
塾の設立時に付いてきたのは、上のクラスと下のクラスからそれぞれ40人前後、合計約80人の生徒たち。しかし塾長の本心は、「コンプレックスにさいなまれている小学生を放っておけない、中学校で苦しまないようにしたい」というもの。しかし、この理念を貫くと、半数の親から反感を買ってしまう。
「そこで、最初は内緒にしていたんです。頭の良い子はどんどん受かっていきますから、黙っていれば文句は来ません。それよりも、成績のふるわない子をどうやったら変えられるのか。遊ぶことは夢中になれるのに、なぜ勉強は嫌いなのか。そこが最大の課題でした」
遊びかつ学びの一例として、塾内にあるエアドーム型プラネタリウム
勉強が嫌いなのは、それが義務としてやらされる「勉強」だからだ。そうではなく、さまざまな知識を知り、それが自分の力に結びついていることを知れば、楽しくてしょうがなくなる。もっといろいろなことを調べたくなる。講師に求められるのは、勉強を遊びにできる力だったのだ。
家庭でもできる、「考える力」の引き出し方
講師が知識や解き方を教えるのは当たり前のことだし、わざわざお金を払わなくても問題集や参考書に載っている、と言う塾長。その一方、子どもの知的好奇心を育てるのは、本来、学校が担うべき役割であり、理想を言えば、学校教育が充実していれば塾は必要ないのだ、とまで言い切る。
塾長の奥さんは、現在の姿を予想していたのだろうか
「子どもの成長に欠かせないものには、もちろん、家庭の環境も大切。昔は人付き合いが多かったから、子どもも人間関係を見抜いておしゃべりをしていましたよね。この人は目上だし気をつけようとか、この人はお母さんと友だちだから甘えられるとか。この分析する力と、会話を通した表現力が身につけば、勉強は何とかなっちゃうんです」
ジャンルを問わず、さまざまな蔵書が置いてある
では、現在の家庭なら、何に気をつければいいのか。塾長が勧めるのは、父子による「お手紙交換」だ。仕事で帰宅が遅くなったとしても、毎日、寝る前に1行でいいから、何かメッセージをやりとりする。これを小学校の6年間続ければ、相当な力が身につくという。
「お母さんでもいいのだけれど、目的は他人への気遣いだから、ちょっと距離のあるお父さんのほうがいい。物分かりのよすぎる、子どもの意見を何でも聞いてしまうようなお父さんとのやりとりでは、あまり効果は上がりませんが。」
テストの点数にとらわれすぎると、物事を数字でしか判断できなくなる。どうだろう、高学歴の官僚に限って、こうした傾向が見受けられないだろうか。世界を動かしているのは人間、未来を築くのも人間の知恵なのだ。
―終わり―
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