逗子の米軍住宅地区が一部開放、自然豊かな「池子の森自然公園」とは?
ココがキニナル!
逗子の池子米軍住宅地区(旧日本海軍の弾薬庫跡)だったエリアが「池子の森自然公園」として一部開放され、特に「緑地エリア」は多くの自然が残されているとか。公園の様子を取材願います(まさしさん)
はまれぽ調査結果!
散策路には植物がワイルドに茂り、芝生の広場ではオオルリ、ウグイスなどの鳥類が見られる、豊かな自然を満喫できる公園だった!
ライター:ムラクシサヨコ
逗子の接収地
「池子の森自然公園」は、逗子市にある約40ヘクタールという広さを持つ公園。
2016(平成28)年3月より土日休日限定で開園とのこと(逗子市ホームページより)
公園のある逗子市の池子住宅地区は終戦後、米軍に接収されていた。その歴史を逗子市基地対策課担当河合さんに伺う。
米軍池子住宅地区(逗子市HPより)
1954(昭和29)年の逗子市制の開始とともに、接収地の返還運動が始まる。
ちょうど60年後の2014(平成26)年11月、接収地の一部、約40ヘクタールの土地の「返還を前提とした日米共同使用」が開始され、2015(平成27)年2月から「池子の森自然公園」として市が維持管理を行っている。
そして今年3月に緑地エリアの限定開放を開始。投稿にあった米軍住宅などは公園の敷地外となっている。
整備前の池子の森自然公園(逗子市HPより)
池子の森自然公園へ。70年間手つかずの自然とは?
現在はこうなった(逗子市HPより)
続いて、公園について逗子市緑政課担当の宗像(むなかた)さんに伺う。この場所は、旧日本海軍による接収前までは地域の人たちにより里山として利用されていたが、接収後約 70 年間にわたって人の手が加えられなかったという。
その間、自然と木々が生えて、森林を作り出す「二次林」が形成され、ほかの地域では見られないような巨木化した落葉樹なども目にすることができるという。
いったいどんな公園なのか?
5月の晴れた日曜日、現地へ行ってみた。池子の森自然公園は、緑地エリア以外にも400メートルトラックテニスコートのあるスポーツエリアもあるそうだが、今回は、緑地エリアを中心に紹介する。
最寄り駅の京浜急行逗子線・神武寺駅。ここから徒歩8分
逗子線の車内は人が少なく、のんびり。いつに間にか、車内には日本人より外国人の親子が多いことに気付く。
ここから池子の森自然公園まで、徒歩8分
駅周辺の住宅地をしばらく歩き、最初の信号で右折。踏み切りをわたると、右手にあるのが米軍住宅だ。
線路の向こうは米軍住宅
スポーツエリア。グラウンドが広い!
米軍住宅入口ゲートの目の前が大きなグラウンド。その先に「緑地エリア」がある。
なんだかここまで来るだけで結構な距離を歩いたような・・・。5月の日差しは強く、入る前にすでに疲れ気味。この先はどんなところなのだろうか・・・
気持ちを奮い立たせていざ中へ
トンネル発見、先には何が?
人気もまばらで、一人でトンネルを歩いていくのはなんだか気味が悪いような。トンネルを抜けた先の光りの中で人影が見えたので、少し安心。
トンネルを抜けると、やっと「緑地エリア」が見えてきた! 歩道の両脇には木々が茂り、山の中に来たような感じ・・・。
トンネルを抜けたところ
トンネルを出た先に、ワイルドな藤の花
驚いたのは、藤が生えていたこと。筆者は今まで藤といえば、藤棚に咲くものしか見たことがなかった。ここにあるのは、おそらくは自生したものとみられ、およそ手入れされたとは思えないいびつな形に幹が伸び、花が咲いている。
進行方向左手に「散策路入り口」という小さな表示を見つけ、早速中へ入ってみる。
この先に何が・・・?
散策路は、歩道は整備されているものの、いかにも手付かずの自然といった感じで、さまざまな植物がワイルドに生えている。大きなシダ、名前のわからない大きな葉、いろいろな種類の木が茂っている。ちょっと異空間に迷い込んだかのような雰囲気さえしている。
散策路というより、山道・・・
何か出てきそう。道なき道を歩いていく
この葉、なんだろう。麻だろうか。散策路にはいろいろな葉が自生している
この散策路、かなりの傾斜があり、アップダウンが激しい。いったいどこまで続くか分からない。引き返そうにも、引き返すタイミングがわからず。5分、10分と歩いていく。途中、反対側からこちらに向かう人とすれちがって少しほっとする。
すれ違った方が見せてくださったアオオサムシ
撮影後には、公園のルールどおり、アオオサムシをちゃんと解放していた。
この高低差、足腰に来る。キツイ・・・