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洋光台の「ホビーショップアトム」、老舗模型店にファミコンソフトがある理由がキニナル!

洋光台の「ホビーショップアトム」、老舗模型店にファミコンソフトがある理由がキニナル!

ココがキニナル!

洋光台の駅前のショップ27のビルに、何年も前から「アトム」という模型店があります。洋光台に住んでいてもあまり目立たず、公式サイトもユニークで、とても気になります。(にしゆうさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

「ホビーショップアトム」はスーパーカーブーム真っただ中の1977年に開業し、近隣のお店と連携して商品を仕入れていた昔ながらの模型店。模型に交じってファミコンソフトもあるのは当時の名残。

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ライター:若林健矢


JR根岸線・洋光台駅のバスロータリー前には、ビビッドカラーのオレンジが目立つ「ショップ27」という施設があり、親しまれている。「ショップ27」公式サイトによれば、同施設は1977(昭和52)年に開業し、今年で44周年を迎えたとのことでなおさらめでたい!

「にしゆう」さんのキニナルによると、その中に「ホビーショップアトム」という模型店が入店しており、しかもあまり目立たないとのこと。

フォローになっているか分からないけど、目立たないって言われるお店にこそ、誰もが思ってもいなかった面白さがあるはずだ。実物の鉄道ばかり追っているけれども、実は細々とNゲージ鉄道模型をかじっているライター・若林が調査してみたい。



プラモデルが所狭しと並ぶ昔ながらの模型店!




ということで今回は洋光台駅からスタート!「ホビーショップアトム」が入店している「ショップ27」は駅の向かい側にあり、オレンジの外観でけっこう目立つ。ロータリーを抜けて「洋光台駅前」横断歩道を渡れば、その建物はすぐ目の前だ。


根岸線の洋光台駅



洋光台駅舎のすぐ向かい側にオレンジの建物、ショップ27!



食品関係に薬局・内科など、入店する施設はさまざま


ショップ27には22のさまざまな店舗・施設が入店しており、過去にはまれぽでは1階の日本茶・海苔のお店「いしだ園」を取り上げたこともある。だが今回訪問したいのは2階だ。建物内の階段を上がって2階を歩いていくと、懐かしい字体で「ホビーショップアトム」と書かれたお店がある。

ここが今回のキニナルで調査するお店だ!お店の外観を見ると、なかなかに古い時代からありそうな雰囲気をしているが、KATO(株式会社カトーのNゲージブランド)の登録販売店に指定されている。


この雰囲気はまさしく昔ながらの模型店



狭いスペースにプラモデルが所狭しと並ぶ


店内には、鉄道模型・プラモデル・エアーガンが所狭しと並んでおり、個人経営かつ昔ながらの模型店の雰囲気が十分すぎるくらいによくわかる。

鉄道模型はTOMIX(トミックス)、マイクロエース、MODEMO(モデモ)の製品などが見られるが、お店としてはKATOの製品が多い。車両だけでなく、線路やコントローラー、パーツなどももちろん取り扱っている。

ちなみに「TOMIX」は株式会社トミーテック、「MODEMO」は株式会社ハセガワのNゲージブランド。株式会社マイクロエースの鉄道模型はそのまま「マイクロエース」だ。


ダークグリーンのケースがKATOの鉄道模型の目印。画像以外にも多数並ぶ



TOMIXの鉄道模型はグレーのケースに青いラベル



京急ミュージアムでおなじみ230形のNゲージも発売中(画像は筆者の私物)


プラモデルは、自動車、戦闘機、ガンダムプラモデル(ガンプラ)に至るまでいろんな種類の商品がぎっしりと並んでいる。エアーガンに関しても、時間の都合上全て把握することはできなかったが、眺めるだけでモデラー心をくすぐられる。


自動車、戦車、戦闘機など豊富なプラモデルが棚にぎっしり!



ガンダムプラモデル(ガンプラ)やスプレー・ビン塗料も



ミニ四駆もこんなにいっぱい



電動ガンも、小型から大型までモデルがいろいろ


また、店舗入り口前のショーケースには、驚くことにファミリーコンピュータ(ファミコン)やスーパーファミコンなどのゲームソフトがほぼ新品の状態で陳列されている!

詳しく見てみると、ゲームボーイアドバンスや、ニンテンドー64のソフトも、パッケージの劣化を除けばかなり良さそうな状態で残っているではないか!

ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンスやニンテンドー64でよく遊んでいた筆者には、これだけで幼少期の感動がよみがえる。


レトロゲームファンにはたまらない!


それではここからは、ホビーショップアトム店長の松原竹雄(まつばら・たけお)さんに、お店のもっと詳しい話を聞いていこう。


今回の取材に対応してくれた、ホビーショップアトムの松原さん




ショップ27と同時に開業、44年の時を共に送った




ホビーショップアトムは1977(昭和52)年11月3日、ショップ27と同時に開業した。もともと松原さんは、それ以前は普通のサラリーマンだったが、あるときに当時スーパーカーのブームを知人から知った。そこでお店を開いてみようと一念発起し、ホビーショップを開店するに至ったという。

スーパーカー…、模型でいえばプラモデルが最初だ。だから開業当初はまだ鉄道模型の取り扱いはなかった。中でも『サーキットの狼』(週刊少年ジャンプで1975~1979年に連載していた漫画)に登場するスーパーカーのプラモデルは非常に人気で、仕入れても1週間で売り切れてしまうほどだった。

訪れるお客さんに関して松原さんは、「この当時は子どもが非常に多かったんですよ。洋光台近辺の子どもたちが来ていました」と振り返る。しかし現在はそうした子どもたちの姿はほとんどなく、コアなファンが訪れるのみ。それだけ開業当時のスーパーカーブームがすさまじく、お店に通った子どもたちも多かったことがうかがえる。


漫画で見た自動車の雄姿は、当時のこどもたちの憧れだったことだろう


けれどもお店を開いて2年後くらいに、お客さんから「鉄道模型は扱ってないのですか?」と質問を受けたこともある。それをきっかけに鉄道模型の取り扱いも始めたとのことだ。でも当時はインターネットなんてものはない。

当時の仕入れについて「売れたお金を持って東京の浅草橋まで毎週通って、商品を買って(仕入れて)いました」と松原さんは話す。お客さんの中には、発売予定の新製品のことを話すと、その場で予約してくれる人も一定数いたとのこと。

そうしてお客さんの要望を聞きつつ、売れ筋(またはその見込みがある)商品を目利きして、問屋から仕入れる。鉄道模型は東京へ、鉄道以外のプラモデルは横浜へ、松原さんは毎週2回仕入れに行っていた。それなりの苦労が思い浮かばれるが、お客さんや問屋と直接やり取りできる商売は、ネットがない当時だからこその良さだったのかもしれない。


開業から約2年後に鉄道模型も始め、常連さんも徐々に増えた




ファミコン・スーファミのソフトがあったのはなぜ…?




「にしゆう」さんのキニナルには、ホビーショップアトムにファミリーコンピュータ(ファミコン)やスーパーファミコンのソフトがあって、しかも半額で売られている理由が知りたいという記載もあった。確かに他の模型店ではそうそうない光景だが、その理由はなんだろうか。

結論から言えば、過去に取り扱っていた名残の商品が、現在半額になっているということになる。


今残っているものは、過去に取り扱っていた名残ということになる


取り扱いを始めた当初、松原さんがお世話になっていた問屋では、ファミコンソフトの取り扱いはほぼなかったという。

しかし松原さんと情報交換をしていた商売仲間の中に、ファミコンソフトを扱う問屋を知っている人がおり、その人と共同で仕入れを行ったのがきっかけで松原さんもファミコンソフトを販売できるように。

のちに、もともと接点のあった問屋からもファミコンソフトに関して声がかかり、商売仲間を介さずにソフトを仕入れることができるようになった、という流れとなる。


当時の商売仲間と仕入れを始め、のちに松原さんだけでも取り扱えるように


松原さんによれば、過去に「ホビーショップアトム」では『ドラゴンクエストⅢ』(ファミリーコンピュータ版、1988年発売)を販売していたことがある。当時、全体で500本仕入れており、半分は予約品、残りは店頭販売用として仕入れていたが、たったの1日で完売した。

もう一度言おう、完売までたったの1日だ!

確かに『ドラゴンクエスト』シリーズは今なお大人気のコンテンツ、当時の人気も用意に察せられる。大型量販店と個人商店では規模が違うとはいえ、それでもたった1日でゲームソフトが売り切れるとは…。

今となってはゲームのダウンロード購入もできるようになったので品切れの心配はほぼないとは思うが、ゲームソフトの即日完売もあった当時を、松原さんの話を通して覚えていてほしい。

しかし、ファミコンやスーパーファミコンなども時代の進歩と共に古いゲームとなってしまい、松原さんとつながりのあった問屋でも取り扱いを終了してしまった。それにともなって「ホビーショップアトム」でも新作ゲームソフトの仕入れを停止した。

現在も店頭のショーケースに古いゲームソフトが残っているのはその名残ゆえのことで、現在は全て定価の半額となっている。時間が経っているため、さすがにパッケージの劣化は見られるが、松原さん自身もほとんど触っていないとのことで、商品状態は良好なことが予想される。あくまでも予想なので、購入の際は自己責任でお願いしたい。


『ドラゴンボール』や『桃太郎電鉄』などにもファミコンの時代があった




商売仲間との連携はカードゲームにも




ちなみにアトム店内には、なんと「遊戯王OCG デュエルモンスターズ」のブースターパック(拡張パック)やストラクチャーデッキ(構築済みデッキ)も販売されている。これまた驚くことに、最近発売されたばかりの商品だけでなく、相当前に発売されたものも見事に残っている!


大手のショップでは見られなくなったデッキがまだある!


松原さんによれば、カードゲームの取り扱いは25年ぐらい前から行っているとのこと。これも商売仲間との情報交換でカードゲームのことを知り、仲間と共同で取り扱いを始めたのが最初になる。

ホビーショップアトムで扱ったことのあるカードゲームは、他にも「デュエルマスターズ」があったが、現在は「遊戯王OCG」のみの取り扱いとなっている。


最近は、新規カードを交えて過去の人気テーマが再録されることも


余談だが、筆者も「遊戯王」のデッキを持っており、最近は水属性や植物族(水や植物に関係するカード)でデッキを組んでいる。ふだんは鉄道関係の取材をしているのであまり言わないが、実は筆者も「デュエリスト」だ。

カード選びは完全に筆者の感覚だが、「遊戯王カードにはこんな種類がある」程度の参考例に私物の画像も添えさせていただきたい。

デュエリストの目線で見ても、このお店には、予想もしなかったカードパックやストラクチャーデッキが残っていた。


ルールを守って楽しくデュエル!(画像は筆者の私物)




通販サイトは単純構造でも、拡販に貢献




「にしゆう」さんのキニナルにさらにもう一つ、ホームページ(通販サイト)に関する記載もあった。「ホビーショップアトム」は鉄道模型に限ってインターネットで通販を行っているのだが、サイト自体は単純に在庫表や店舗情報が載っているのみ。

最近のウェブサイトみたいに文字や画像がフェードインしたり、読み込み時にアイコンが動いたりするなど、凝った装飾があるわけではない。

しかしホームページがあるおかげで全国に店舗在庫が拡販され、北海道から九州まで各地から電話一本(またはメール)でユーザーと繋がるということで、かなり役立っている様子。実際、通販経由で試しに鉄道模型を購入したユーザーの中でも、リピーターになってくれている人がいるとのことだった。


通販は鉄道模型のみの取り扱いだが、意外な車両が見つかるかも・・・?



ちなみに松原さん自身は、過去に商店街野球の選手だった。地元の商店街の面々で野球のチームを組み、他地区のチームと試合を行っていたとのこと。洋光台以外にも、山元町や、伊勢佐木町などからも商店街野球のチームが出ていたようだ。

そのため模型店の人間が模型を趣味としているわけではないが、来てくれたお客さんの声を聞きつつ、自らの足と目で商品の仕入れを行ってきた長年の経験は本物だ。

本来の専門ジャンルではないTVゲーム・カードゲームに関しても、商売仲間と情報交換や連携を取って共同で取り扱っていた実績があり、個人経営だからこその柔軟な対応だったのかもしれない。インターネットの無い時代から経験を積んできた個人商店だからこその懐かしさや、来て初めてわかる意外な在庫品など、目を向けるところはさまざまあるはず。



取材を終えて




近年は大手の量販店でも鉄道模型やプラモデルは販売されていて、広い店内で豊富な品揃えを見られる。それとは対照的に、狭いスペースに商品が並んでいたり、積み上げられていたりする様子を見ると「やっぱりこの雰囲気だ」と思う人は一定数いるのではないだろうか。

筆者もその一人だ。今回お世話になった「ホビーショップアトム」も、一見地味だったかもしれないが、昔から地元になじみある模型店ということがお店に入ってすぐに伝わった。


懐かしさの残るホビーショップ、洋光台にありました


肝心の「キニナル」への回答としては、ファミリーコンピュータ(ファミコン)・スーパーファミコンのソフトが店頭にあったのは、過去に商売仲間との情報交換をきっかけに、共同でゲームソフトを仕入れたことに始まり、お世話になっていた問屋での取り扱い終了とともに自身も新作の仕入れを終了。その過程で売れ残った商品が今も残っている、ということになる。

横浜市内に模型店が点在している中で、「ホビーショップアトム」では鉄道模型・プラモデル・エアーガンだけでなく、子どもの頃遊んでいた、あるいは憧れだった懐かしいゲームソフトも見つかるかもしれない。


―終わり―


取材協力

ホビーショップアトム
横浜市磯子区洋光台3-1-1
営業時間/月曜日~土曜日 14:00~19:00
日曜日・祝日 13:00~19:00
電話番号/045-832-3573
公式サイト(通販サイト)/http://hobbyshopatom.web.fc2.com/

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  • こういうモヤモヤした店に取材に行くのっていいかもしれないね。

  • こういう記事が出ると、『お宝』を探しにお店に出掛ける奴がいるんだろうなぁ私もそのクチだけど(笑)

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