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スイーツ激戦区!? 都筑区一部地域に洋菓子店が急増中、港北ニュータウンのケーキ屋さんを一挙レポート!

ココがキニナル!

最近北山田~都筑ふれあいの丘駅周辺で洋菓子店が沢山オープンしているのですが何か理由があるのでしょうか。取材をお願いします。(みやっきさん/せったーさん)

はまれぽ調査結果!

洋菓子店は近年急成長中の港北ニュータウン主要駅周辺に住み始めた若い世代の層をターゲットにして2~3年で12軒ほど増えている。同時に閉店する店も

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ライター:小方 サダオ

急成長する街、港北ニュータウン



2012(平成24)年6月にあった投稿では「横浜市営地下鉄のブルーライン・グリーンラインのセンター北駅・センター南駅の周辺と、グリーンライン北山田駅・都筑ふれあいの丘駅の周辺で洋菓子店が増えている、という。

インターネットで洋菓子店を検索すると、確かにセンター北とセンター南の駅を中心に多く集まっているのが分かる。このエリアは港北ニュータウンの「タウンセンター地区」だ。
 


センター北・センター南の駅の周辺と、今回取材した洋菓子店


港北ニュータウンについて、横浜市のホームページによると「都筑区内の丘陵地に広がる、約2530ha(※横浜スタジアム約966個分)の区域を港北ニュータウンとして『乱開発の防止』などを基本理念とし、1965(昭和40)年に市の6大事業の一つとして発表され、開発が進んだ」とある。

その交通網として、1993(平成5)年に横浜市営地下鉄3号線・ブルーラインが開通、2008(平成20)年に横浜市営地下鉄4号線・グリーンラインが開通した。 

そして港北ニュータウンの発展により、都筑区では人口が増加している、という。

都筑区のホームページによると「最近15年間の人口推移では、都筑区は8万人以上の人口増加となっており、横浜市の中でも最大の伸びを示しています。若い世代や子育て世代が多く住んでいることが大きな特色です」とある。
 


1989(平成元)年のタウンセンター地区(『港北ニュータウンむかし・いま、そして未来へ・・・田園都市出版』)
 

2001(平成13)年のタウンセンター地区


急成長する港北ニュータウンのタウンセンター地区における洋菓子店の増加は、多くの来客を見越してのオープンだったのだろうか?

現地に赴き、個人店に絞って洋菓子店を巡り、お話を伺ってみた。



センター北駅周辺の洋菓子店


 


センター北駅
 

モザイクモール港北都筑阪急


駅から数分のところに、洋菓子店レジオンがある。
シェフの藤巻さんにお話を伺った。
「パティシエ歴は40年以上で、当店はオープンして18年目になります」とのこと。
 


洋菓子店レジオン


この場所の立地に関して伺う。
「オープン時は港北ニュータウンの開発前で、このあたりには駅以外は何もありませんでした。このあたりは洋菓子店の激戦区です。ここ2~3年で特に増えました。新たに12店舗ほど増え、デパートの中の店でも4~5店舗はあります」
 


プレミアヨコハマのビル内にも洋菓子店がある


「デパート内の洋菓子店はブランドが変わったりしていますが、店舗数は今でも同じくらいです。このあたりには住人が増え、大企業の商業施設が入ってきました。若い人たちが多いため、洋菓子店が増えているようです」
 


フランスの洋菓子店の雰囲気のあるレジオン


「テラスのある広いお店を出すことが理想だったため、当店をここにオープンしました。当時周辺は広くてきれいでしたが、何もありませんでした。そうじゃないと駅から数分の立地の広い場所を貸してくれるわけはありません」

「今は土地の値段が上がっていますが『高くしないでください』とお願いしています。商品の原材料費が上がっている今、厳しいのです」
 


ショーウインドーに並んだケーキ


最後に、クルミのスポンジとヌガーをクルミのムースとミルクチョコレートで包んだ、ノアイエ(648円)を試食させていただいた。

柔らかいスポンジとクリーム、その中に隠れたカリカリしたクルミの食感の違いが良い。またチョコレートとキャラメルの濃厚な甘さとクルミのほのかな渋みの調和が楽しかった。
 


クルミづくしのノアイエ
 

洋風な内装が凝っている




センター南駅周辺の洋菓子店



次にセンター南駅に向かった。
検索すると、センター南駅の周辺が最も洋菓子店が多く、10軒ほどあった。激戦区といえよう。
 


センター南駅


駅から離れた場所に菓子工房・スグーリがあった。
 


菓子工房・スグーリ


店主の須栗(すぐり)さんに、お店に関して伺うと「当店はオープンして18年目になります。パティシエ歴は30年です」とのこと。
 


ショーウインドーのケーキ
 

焼き菓子も充実している


立地に関しては「オープン当初は駅前には、オリンピックという商業施設と都筑区役所ぐらいしかありませんでした」
 


駅前にある都筑区役所


「まさか駅の周辺があんなに発達するとは考えていませんでした。はじめは店の前を車で通るお客を当てにしていました。昔と比べて人の流れが分散しましたね。客層は新興住宅地のため若い年齢層の方が多いです」と答えてくれた。

続いて駅西口から数分のところにある、パティスリー・イケダの店員にお話を伺った。
「当店は2010(平成22)年にオープンしました」
 


パティスリー・イケダ


立地に関しては「駅から近い1階にある路面店の場所を探していました。港北ニュータウンだからこの場所を選んだわけではありません」とのこと。

洋菓子店が増えたことに関して伺うと「現在洋菓子業界では独立することがブームのようなので、そのためではないでしょうか?」と答えてくれた。
 


ショーウインドーのケーキ


お店の特徴に関しては「当店ではマカロンや焼き菓子が人気で、売り上げの6割になっています」
 


人気のマカロン


最後にマカロンが載っていてお得感のある、ジバラ(400円/税別)を試食させてもらった。

ヴァローナ社ジバララクテ(チョコレートの種類)を使用したミルクチョコレートの下にヘーゼルナッツプラリネの香ばしいクリームが重なっている。濃厚な甘さながらも、最下層にあるオレンジリキュールの味だろうか、最後にほのかにさわやかな酸味が残ったのが印象的だった。
 


ジバラ


次に訪れたのは、駅西口から数分の距離にあるカーベルだ。
 


パン工房・カーベル


代表取締役の鈴木さんに、お店と立地に関して伺った。
「パティシエ歴は40年目です。初期のころは和菓子も作っていました。以前は新横浜のプリンスホテルで仕事をしていて、職場の先輩に、婚礼の引き出物の仕事を頼まれて、市ヶ尾に自分の店をオープンしたのです」
 


婚礼の引き出物の仕事があるという


「しかし手狭になったため11年前にここに移転しました。スタッフの多い大所帯のため、広くて稼働率の多い場所としてここは良かったのです」
 


店内と厨房がともに広い
 

ショーウインドーに並んだケーキ


「当時は、このあたりには昭和大学病院や警察署や都筑区役所くらいしかありませんでした。しかし卸売の仕事ができればよいので、店の前の人通りが少なくても問題はありませんでした」
 


昭和大学・横浜市北部病院。周辺は電柱が地下にあるモデル地区だ


「ここは仕事帰りの夕方に寄るお客が多いです。キャラクターデコレーションをやっているので、お子様のいる夫婦にも対応しています。若い人が多く住んでいますが、若い主婦はサイフのひもが固いですよ。そのため客層としては中高年の方が多いです」と答えてくれた。

人気商品としての個性的なものに関して伺うと「個性的なものよりも、中高年の方の誕生日記念向けで、バタークリームを使ったオーソドックスなものなどの方が、人気があります。昔懐かしい味として人気があるようで、ほかではどこでもやってくれない、とお願いに来られる方もいます。よろず屋のような仕事もしているのです」と答えてくれた。
 


パンも販売している
 

店を訪れたDeNAベイスターズの三浦大輔投手と横浜F・マリノスの中村俊輔選手のサイン


取材後、さまざまなフルーツの乗った「タルトフルーツ(498円)」をサービスしていただいた。スイカ、キウイ、ナシの乗ったフルーツとともに、タルト台の中に苺ジャムが隠し味となっている。一足早い夏を感じる味だった。
 


フルーツづくしのタルトフルーツ


次に向かったお店は、駅東口から歩いて20分ほどの離れた距離にあった。アトリエ・ロンドの飛松(とびまつ)さんにお話を伺う。

「当店は昨年の2月にオープンしました。パティシエ歴は10年になります」
 


アトリエ・ロンド


「茅ヶ崎公園の前ということでこの場所を選びました。公園でテイクアウトしていく方が多いので、エクレアなどが売れています」
 


人気のエクレア


「このあたりは私にとっては地元でした。以前は神戸にいまして、5年ほど経って戻ってきたら、センター南とセンター北のあたりが変わっていて驚きました」
 


ショ一ウインドーのケーキ


「このあたりは駅から遠いですが、駅の近くですと家賃が高いので、車で来られるお客を頼りにしています。都筑区は若い世代が多く、市内で一番人口が増えている区だそうですね。また洋菓子店が増えているのは、以前は田園都市線が激戦区で、そのエリアがこっちに流れてきている、という話もあります。今このあたりの洋菓子店で話題なのはユウジ・アジキの出店です」と答えてくれた。
 


雑誌『田園都市生活』で取り上げられた、アトリエ・ロンドのエクレア


さらに住宅地の中の道を進むと、ブルーラインの仲町台駅の近くに、パティシエ・シュクレがあった。周りには建設中のマンションがあり、成長中の街であることが伺えた。
 


仲町台駅前のシュクレ
 

仲町台駅の近くの建設中のマンション