薬剤師で開業30年の老舗？

看板も「こう南台」になっていた

　
もともとは薬剤師として6年ほど勤めていたのだが、薬による副作用がひどい患者や、過剰に薬を処方して本来悪くない臓器に負担をかけて、その臓器のために別の薬を処方するという悪循環を意図的に繰り返す医師を目の当たりにしたことから、夫の転勤を機に退職した。

ちょうどそのころ、工学博士の浅野一彦氏が開発した、体内に取り入れても汗や便で排出されるため、蓄積されることなく血液の掃除などの効能がある「有機ゲルマニウム」に感銘を受け、それを取り入れた「ゲルマニウム温浴」を始めた。

「港南台」でなく「こう南台」なのは、永岩さんがゲルマニウム温浴を学んだ施設の関係者に「ひらがなのほうが、店の運気がいい」などといわれたため。

当初は同じ港南台にある「フクシマショッピングセンター」で25年ほど営業していたが、夫と死別したことで店を畳むつもりだった。
　

福島ショッピングセンター

　
常連さんから継続してほしいという声が根強かったが、永岩さんは悩んでいた。
ところが、長く通っていた表の「境寿し」で食事をしていたとき、もともと知り合いだった境寿しのオーナーと息子から「だったら、ウチの裏が空いているから使えばいい」という声をかけてもらい、移転を決意。
そうして2012（平成24）年10月、「寿司屋さんの勝手口にあるゲルマニウム温浴の店」が誕生したのだ。

ゲルマニウム温浴は、全身で浴槽に浸かるのではなく手と足を水溶性の有機ゲルマニウムがたっぷり入った42℃前後のお湯に20分ほど入れるだけ。
　

両手両足を有機ゲルマニウム入りのお湯に浸す

永岩さんによると、「直接心臓に負担がかからず、基礎代謝を上げられるので人間が本来持つ自然治ゆ力が高まる。薬でないので、副作用もない」という。そして、ゲルマニウムが血液の流れをよくしてくれるので、体内から「へどろ」のような老廃物が出るそうで、前述の「ろ過装置」でろ過している。

なるほど、薬剤師の言葉だけに、納得してしまう。

だが、言葉だけでなく実際に試してみなければ効果はわからない。ということで、永岩さんにお願いして本来は1回20分2000円という「ゲルマニウム温浴」を体験させてもらうことに。
　

とても温かい

　
座ったままの体操もろくにできず、ボクシング体験をしては足をつるという、まさに不健康が服を着て歩いている、基礎代謝がボロボロの筆者だが、ほんの3分程度体験させてもらっただけでポカポカに。

常連さんの中には開業当初から週に1回は通っているという90歳を超えた女性もいるそうで、なるほど、その気持ちもわかるような気がする。

取材中も70代の女性が来店。風邪をひいているそうだが、「体を温めようと思って。ここにはよく来ます」とのことだった。

取材を終えて

ここでようやく登場の永岩さん

　
かいつまんで言えば、筆者は14歳と32歳の時に大きな転機があったらしいが“当たらずとも遠からず”といった感じ。さらに、ラッキーナンバーは「7」だそう。
　

“ラッキー7”だそうです！

　
確かに見た目は完全に勝手口だし、「クールバード」という寒そうな名前だし、入りくい感じがあるが、入ってみれば永岩さんの人柄とゲルマニウムで身も心もポカポカなれるお店だった。
ちなみに、「経営は別」ということで、お寿司のご相伴にはあずかれなかった。


―終わり―
　
　
クールバードこう南台
電話／045－831－1710
所在地／横浜市港南区港南台3－4－5
営業時間／14:00～20:00（火～金）、14:00～18:00（日、祝）
定休日／月曜日