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歌丸師匠のお別れ会。笑いあり涙あり、多くのファンが別れを惜しんだ

歌丸師匠のお別れ会。笑いあり涙あり、多くのファンが別れを惜しんだ

ココがキニナル!

2018(平成30)年7月11日、港北区の妙蓮寺で桂歌丸師匠のお別れ会が開かれた。会場の様子とお別れの言葉は?(はまれぽ編集部のキニナル)

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ライター:はまれぽ編集部

「パンダの食事はパンだ」


 
続いて、笑点メンバーを代表して、林家木久扇(はやしや・きくおう)氏からの弔辞。

「6月20日に歌丸師匠のところへお見舞いに行きました。意識がまだはっきりしていらっしゃって、私の顔を見たら、棚に乗っていた『紙を取ってくれ』って言うんでお渡ししますと、それは発声練習の紙でござました。『パンダの食事はパンだ』っていう。これを毎日発声練習をやっているという手振りで教えてくださいました。ほっぺたの肉が落ちると“ぱぴぷぺぽ”が出ないということでございました」と木久扇氏。

 

「また、元気になって(落語を)やる気なんだな、と思っておりました」
 

「このたびの訃報でございまして、いろんな方が師匠が立派なお仕事をなさったと例えていらっしゃる、それはそれでその通りだと思っておりますが、私の頭の中は楽しかったことしかないんでございまして」

「ひとつは40数年前、クイズ番組で歌丸師匠と2人で組になって出ましたら優勝いたしましてね、東南アジアの旅というのをご褒美にいただいたんです。それでタイのシンガポールと台湾を回って8日間で帰ってきたんですが、シンガポールに向かう飛行機をタイのバンコク空港で待っておりまして、『兄さん、ドルどれくらい持ってきたの?』って見たら、お金持ちの師匠でいらっしゃるから、ドルをいっぱい、規定の“これくらいもって行くように”というものから外れて、額が大きかったんですよね」

「『兄さんこれ取り上げられちゃうから、大変だよこんなにドル持ってちゃ』『どどどどどうする?』ということで、トイレへ向かいましてドアを閉めて二人で上半身裸になって、兄さんが持っているドルをですね、わたくしがセロテープを持っておりましたから、どんどんどんどん貼り付けていきました」

「ゴワゴワになってしまいました。結構時間が経ったんですね、トイレから出ましてね、搭乗口が分からないものですから、日本語の分かるタイ人の人に切符を見せて『これはどこから乗ったらいいですか?』って言ったら、『あれです』って、もう飛んでっちゃったんですよね。遅れてしまいまして、そのあとものすごい苦労しまして、二人で大笑いをした思い出がございます」と、会場が笑いに包まれる。

 

歌丸師匠と共に笑点を盛り上げた林家こん平(はやしや・こんぺい)氏
 

それからもうひとつ、と続ける木久扇氏。
時代劇(ちゃんばら)が好きだったお二人は、その想いが通じてか、テレビ朝日の『旗本退屈男』というテレビ番組にゲスト出演することになったそうだ。大喜びで東映の京都撮影所に向かった二人は、時代劇に出られるという喜びで舞い上がり、もらった台本を読まずに本番を迎えてしまったという。

「台詞を覚えていないんですよね。向かい合って座っているんですけど、座布団の下に台詞(台本)を入れまして、『師匠それはダメですよ、本が映っちゃうじゃありませんか』と監督に言われて。そうしたら歌丸師匠が突然びっくりするようなことを言い始めまして、『あの、この台詞ずーっと長いんで、2行ぐらいにしてくださいよ』って」

「監督が呆れ返っちゃって、『普通役者さんは台詞いっぱいほしがるものなのに、こんなに減らしてくれなんて言う人はいませんよ師匠』って言われましてね。そのときも楽しいお仕事でございました」と、心地の良いリズムで話してくれる木久扇氏。まるで落語を聞いているようだ。

 

各社報道陣も真剣に話を聞いているようだった
 

最後は、「50年近くお付き合いしているので、いっぱい思い出はございますけど、長くなります。とにかく、いつも、いそがしくしていらっしゃった師匠でございます。ごゆっくり、おやすみになってください。ありがとうございました」と、先ほどとはうってかわって、神妙な様子で締めくくった。

一瞬、告別式の会場ということを忘れては拍手をしてしまいそうになった。周りを見渡してみると、筆者と同じような手振りの方がちらほら。噺家さんって、本当に素晴らしいと思った。

続いて、歌舞伎俳優の二代目中村吉右衛門(なかむら・きちえもん)氏の挨拶。

 

横浜の海をイメージして飾られた花々
 

「師匠、お疲れ様でございます。中村吉右衛門でございます。師匠と私の間柄というのは、私が不調法なところもあって、お酒を酌み交わしお話をしたというようなお付き合いはございませんでした。でも師匠はよく私の芝居を観に来てくださいましたし、私も時間が許す限りお話を聞きに行って勉強させていただきました」

「師匠は落語を残し、落語のお客様を残し、やるべきことすべてやり尽くして旅立たれました。言ってみれば、一人勝ちみたいなものですね。ですから私は最後に師匠にこう申し上げたい。師匠、勝ち逃げはずるいよ。ということでございます。お疲れ様でした」と、涙を堪えきれずに歌丸師匠を偲んだ。

その後、会場には参列できなかった菅義偉(すが・よしひで)官房長官と林文子横浜市長からの弔電が読み上げられ、最後に、三遊亭小遊三(さんゆうてい・こゆうざ)氏から、「もっと歌丸師匠を想っていたいのですが、このタイミングで謝辞、ということでございます。役目上やらせていただきます」と会場への感謝の言葉が贈られる。

 

「桂歌丸の告別式にご参列いただきまして誠にありがとうございます」
 

「皆様方のおかげをもちまして、歌丸師匠も機嫌よく旅立てたのではないかなと思います。女将さんはじめ、ご家族の方の悲しみはもちろんでございますが、手前ども落語芸術協会にとりましても、シンボルであり大黒柱であった歌丸師匠を失うというのは、大変な痛手でございます」

「これからどうしていいかなと呆然としている次第でございますが、残された会員一同、一人ひとりが力をつけて、以前にも増した確固たる落語芸術協会を築いていくよう努力いたしますので、本日ご列席の皆様、よろしくご支援のほどお願いを申し上げる次第でございます。そしてまた、お暑い中お集まりいただきまして本当に、本当にありがとうございます」と、力強く締めくくった。
 
 
 

取材を終えて


 
告別式が終わると、会場には再び歌丸師匠の落語が流れ始めた。参列者は涙を拭い笑顔を見せる。

 

献花を終えたファンに手渡された歌丸師匠のサイン
 

歌丸師匠とともに歩み、歌丸師匠を愛した人々の話を聞いて、最期まで落語家であり続けた姿、そして、周囲の人に笑顔と優しさを届け続けた歌丸師匠の生き様を感じられた。

桂歌丸師匠のご冥福を、心よりお祈りいたします。
 
 
ー終わりー
 
 

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  • 笑いのある人生を公言していた師匠の笑いのある葬式ステキですね

  • 人の葬式に対して「面白かった」という選択肢は不謹慎だし、「面白かった」に306票も入っているのにもびっくり。
    こういう記事のために「興味深く読んだ」といった選択肢を用意してもいいのでは?

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