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もし電車に乗っているときに地震が起こったら?京急電鉄事故復旧訓練に行ってみた

もし電車に乗っているときに地震が起こったら?京急電鉄事故復旧訓練に行ってみた

ココがキニナル!

いつ起こるかわからない地震!今後30年で震度6以上の地震が起こる確率は横浜で82%ともいわれる中、鉄道会社の「もしや?」のための対応がキニナル!(鉄道大好きライター若林のキニナル)

はまれぽ調査結果!

2018年の京急電鉄の鉄道事故復旧訓練に参加してみた。乗務員や作業員同士が連携を取りつつ迅速に避難誘導と設備の復旧を進めているところが印象的。実際に災害が起きる事を常に意識し、行動を考えておきたい。

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ライター:若林健矢

事故対策本部が司令塔に!


 
今回は屋外に設置されているが、実際は総合司令所という建物内に対策本部が置かれる。

 


事故対策本部

 
そして、事故現場には現地指揮所を設置(今回は会場中央)。現地の活動拠点として対策本部と連絡を取りつつ、復旧に向けて各部に作業指示を出していく。
 


現地指揮所

 
 
 

救援車両到着!電車の脱線を復旧せよ!


 
対策本部と現地指揮所が設置されるまでに乗客全員の避難が完了し、電車線の仮復旧も終了したが、先頭車両の車輪はまだ脱線したままだ。どうする京急!
そんな時には、あの黄色い車両の出番だ!
 


デト11・12形!


旗の誘導に従って事故車両の近くに停車

 
普段なかなか見ることができないこのデト11・12形は、基本的には神奈川新町~金沢文庫間で資材の運搬をしているが、事故災害時は救援列車としても使用される。この救援列車に乗って作業員と復旧機材が到着!点呼を終え、電車線の停電確認後に脱線復旧作業に入る。
 


コンテナのような保安用具箱から機材を搬入していく

 
脱線を復旧させるためにはまず、「ブリッジ」という鉄骨のような機材を車体の下に入れる必要がある。そこでバラスト(線路に敷き詰める石)を打ち固めて枕木を設置するのだ。
 


枕木を設置し、さらにその上にブリッジを設置する

 
余談なのだが、設置する位置を微調整する時の掛け声がかなり強烈!
「浦賀!浦賀!」という、他にはない掛け声で連携を取っていた。聞く限り、これは電車の進む方向に合わせて言い方が決められているように感じた。そうすれば、ただ“手前”や“奥”と言うよりも確実に機材などの微調整をしやすいのではないだろうか。
わたしも「浦賀!浦賀!」と言ってみたくなった。

さて、ブリッジが設置されたら、次に「ジャッキ」と呼ばれる機材が登場。油圧式で高さを調節できる。
 


油圧式ジャッキをホースと繋いで準備完了!


ジャッキのホースはこのコントロールデスクにつながっている

 
ジャッキの高さを上げ、慎重に車輪を戻していくと・・・車輪がレールの上に乗る。これで復旧完了だ!
 


見づらいが、車輪はちゃんとレールに乗っている

 
このあと対策本部と現地指揮所とのやり取りが行われる。その中で出された指示は「神奈川新町まで回送。速度は、現場進出まで最徐行で、その後15キロ以下で運転」だ。つまり、事故現場を抜けるまでは最徐行を行い、現場を抜けてからは時速15キロで神奈川新町駅まで回送されることになる。まずは救援列車がゆっくりと事故現場を後にする。
 


役目を終えた救援列車が先に神奈川新町駅へ

 
救援列車が神奈川新町に到着したとの連絡が届いたら、復旧した車両は自力で走行できるため、復旧車両も神奈川新町まで回送されていく。
 


現場をゆっくりと発車する復旧車両


今回は会場都合で、この黄色いモーターカーで押し出す形で回送される

 
 
 

全復旧に向けて全力投球!


 
復旧車両が神奈川新町に到着すると、全復旧に向けた作業が本格的に行われる。
まずは高架橋の高欄を復旧させる。先ほどは防護ネットをかぶせていたが、より丈夫なものに交換する。
 


防護ネットから、木製の欄干に交換!

 
次はバラスト(線路に敷き詰める石)と枕木の整備作業。電車が脱線した際に枕木が損傷してしまったため、新しい枕木を固定しバラストを撒いて線路を整えるのだ。ちなみに、昔は木製の枕木が各地で多く見られたそうだが、最近の京急線では、ほとんどの区間で耐久性と安定性のある、コンクリート製の「PC枕木」を採用している。今度京急に乗るときは進行方向と反対側の線路を注意深く見てみよう。
 


周囲のバラストをいったん取り除き、PC枕木を設置


枕木を固定し、さらに新しいバラストを敷き詰め、ゆがんだ線路を直していく

 
続いて、架線柱の建植作業だ。この架線柱は折れ曲がってしまっているためこのままでは使えない。そこで木製の新しい架線柱を用意し、基礎に固定する。
 


「せーの!」の掛け声で、大人数で架線柱を立ち上げる

 
新しい架線柱を固定し、架線の固定具を移し替えたら、折れ曲がった柱をガスバーナーで切断。
 


かなり熱そうだ。作業員も注意して作業


切断された鉄柱は数人がかりで慎重に地上に下ろす

 
次は電車線の本復旧作業。先ほどは電車の周辺の切れた電車線を張りなおしたが、ここで本格的に新しい電車線を張りなおしていく。
 


竹ハシゴを使い、高い位置で慎重に固定してから張っていく

 
ちなみに、このように作業員がハシゴに登って行う作業は、機械化されつつあり、段々と行われなくなってきているらしい。京急では技術継承の目的から、あえて作業員による作業を行っている。同時に切れてしまった列車無線誘導線の復旧作業を開始。架線柱の外側に張られているのが列車無線誘導線で、本来は黒い色だがここでは赤い色で用意されている。
 


列車無線誘導線を慎重に伸ばしていく


これで架線柱の復旧も完了だ

 
最後に、信号機の復旧。鉄道各線では閉塞(へいそく)信号機が設置され、これによって走行中の電車の管理を行っている。今回は信号機が倒れている設定。まずは信号機の柱を固定するところから行われる。
 


信号機の柱を立て、路盤にしっかり固定させる

 
柱を固定できたら、次に信号機そのものを固定。
 


信号機を取り付け、正常に表示されるか確認。黄色一色は「注意」


正常に作動すればこの作業も完了!青一色は「進行」

 
また、今回は閉塞信号機とは別に「徐行標識」を設置。黄色の丸いマークが徐行区間のスタート地点で、決められた速度に減速して走らなければならない。青色の丸いマークを、最後尾の車両が完全に通り終えたら徐行解除。
 


黄色は徐行開始地点。この場合は時速15キロ走行が指示される


青は徐行解除。ここを完全に通り過ぎれば電車は加速できる

 
各部の最終確認を行い、再び対策本部と現地指揮所が各所へ連絡。試運転列車の運転後、午後3時15分運転が再開することになった!その5分後に対策本部と現地指揮所の解散指示が出され、事故復旧訓練は全て終了となる。

午前11時16分に始まってここまで約4時間。実際の事故はどれほどのレベルになるかわからない。当然復旧までの時間には差が出ると思うが、懸命に復旧に取り組んでくれることだろう。
 


全ての作業が終了すれば、まもなく営業運転再開!

 
 
 

駅で誰かが倒れたらどうする?救命処置デモンストレーション


 
災害につきものなのが人命救助だ。最後にAED(自動体外式除細動器)を使用した救命処置デモンストレーションが行われた。現在京急線の各駅にはAEDが設置されており、駅係員も定期的に普通救命講習を受けて救急隊に引き継ぐまでの処置について学んでいる。

まず倒れた人に「大丈夫ですか?」と声をかける。ここで反応が無かった場合、「助けてください!人が倒れています!」と駅員さんが大声で呼びかける。
 


人命第一!

 
駅員さんは集まった人にAEDを持ってくること、救急隊を呼ぶことを指示。指示を受けた人がAEDを運んでくるまでの間、駅員さんが胸骨圧迫(心臓マッサージ)と人工呼吸を繰り返す。
「どなたかお願いします」ではなく、具体的に「あなたに◯◯をお願いします」と指示がある。実際そういった場に遭遇したらきちんと対応したいものだ。
 


AEDの到着まで胸骨圧迫と心臓マッサージを繰り返し行う


協力者が持ってきたAEDを駅員さんに渡す

 
AEDの電源が入ったら、音声ガイドに沿って処置が進む。急病人の状況次第ではAEDから電気ショックが流れるため、駅員さんから「離れてください!」との声がかかる。
 


駅員さんの「離れてください!」に従うこと!

 
その後も胸骨圧迫と人工呼吸を続け、救急隊が到着したところで引き継ぎとなる。
 


救急隊が到着。ここから先は救急隊に引き継ぎだ

 
災害時だけではなく、急病人はいつ発生するかわからない。もし自分がその現場に居合わせたら、駅員さんに協力したいものだ。一人ひとりが理解して救助に協力すれば、倒れた人が助かる可能性は大きく上がるはずだ。
 
 
 

取材を終えて


 
駅や電車を利用中に災害に遭う可能性は高い。
災害時の対応をしっかりと覚え、災害時には乗務員や駅員の指示に従って慌てずに行動したい。こうした訓練の重要性をひしひしと感じた。
 
 
ー終わりー
 
 

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  • 私は阪神大震災を経験しました。幾度となく通った阪急伊丹駅の倒壊、夙川付近の高架の倒壊、あのような事が二度と起こって欲しくない。

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