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磯子区の「トトロ幼稚舎」がスゴイらしい!どんなところなの?

ココがキニナル!

磯子区杉田にある「トトロ幼稚舎」が気になります。園児の遊び方や園庭で飯盒炊飯してお昼を食べているみたいです。どういった方が経営していて、幼稚園とどういった違いがあるのでしょうか?(いちごちゃんさん)

はまれぽ調査結果!

トトロ幼稚舎は大人が与える物やルールがとても少なく、探検部出身の島根園長の元、園児が自ら想像し、創り上げることを尊重している園だった。

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ライター:吉川 ゆこ

約6kmを余裕で歩く園児たち



トトロ幼稚舎なんて可愛らしい名前だ……とのん気に構えていた自分が恥ずかしい。
取材に行ってびっくりだ。トトロ幼稚舎の園児たちはスーパー園児だと本気で思った。

取材を申し込もうとトトロ幼稚舎に連絡を入れたら、ちょうど夏休み中。
「野外活動があるので、そちらに参加してみますか」
と島根園長に言われ、指定された日に江ノ島電鉄江ノ島駅に向かった。
朝7時集合である。普段の私なら明け方まで仕事して、ただ今爆睡中といえる時間。ぼんやりした頭で駅に到着した私を待っていたのは、朝から信じられないくらい元気な園児たちだった。
 


園児たちは幼稚園を6時に出発し、電車に乗って到着


トトロ幼稚舎では、夏休みや週末を使って野外活動を盛んに行っている。私が参加した日は江ノ島駅から由比ガ浜海水浴場まで歩いてから泳ぐという。年少さんは途中で電車に乗るが、年中・年長さんは約6kmを歩く。
 


海沿いの道を元気に出発


島根園長を先頭に、皆がどんどん歩いていく。見てみると小学生くらいの子も混じっている。卒園児だそうだ。トトロ幼稚舎の野外活動には親御さんは無論、卒園児や園児の兄弟、誰でも参加できる。
「そこらへんは自由なんですよ」
と島根園長。まず参加そのものが自由。参加したい人だけ来ればいいそうだ。
 


泥まみれは当たり前、濡れても平気


ちなみにトトロ幼稚舎では登山、キャンプや自転車で遠方に出かけるといった野外活動も行っている。2日間で30km以上も自転車で走る伝統行事もあるそうだ。雨が降れば合羽を着て自転車をこぎ続ける。聞けば聞くほど大丈夫なの!?と思えてくる。
歩きながら何人かの親御さんに聞いてみると、最初は「びっくりした」。でも「子どもはすぐに慣れる」と皆さん同じことをおっしゃる。トトロ幼稚舎に子どもを預けたくて、遠方から通ってきている人も多いという。
 


大学時代、探検部だった島根園長


「この年齢のうちにしっかり運動させなければ、基礎体力がつかないんです。大丈夫、最初は大変でもすぐ慣れます」
と笑う島根園長は、ご自身のお子さんが幼稚園に通う年齢になったとき、近くに我が子を預けたいと思えるような幼稚園がなかったそうだ。そこで同世代の子どもを持つ親御さんたちに声をかけて集まり、一緒に時間を過ごすようになった。

だから島根園長は保父さんを目指していた人ではない。幼稚園を作ろうと思っていたわけでもない。自然に規模が大きくなっていったので1984(昭和59)年にトトロ幼稚舎を設立。島根園長38歳のときだった。「自分の子どもたちを教育し育てていくのは、親である自分たちの責任。子どもの教育方針を行政に決めてもらう必要はない」ので無認可の幼稚園である。

大学時代、探検部だった島根園長は自身の経験を生かし、自然の中にとことん園児たちを放つ。野外活動には特にお父さんが積極的に参加するそうだ。大人も子どもも一緒になって野山や海を駆け回る。
「自然の中でなら子どもたちは何時間だって遊ぶことができるんです。大人が決めたルールを子どもたちに押しつけるなんて意味がない。何でも自由に、自分で選んで決めさせればいいんです。生き物は生まれたときから自立しているんですから」