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面白いアイデア盛り沢山!?旭区にあるアイデア技研とは? 横浜発明振興会との関連は?

ココがキニナル!

旭区にアイデア技研という会社があるそうです。面白そうなアイデア商品を作っているようで気になります。横浜発明振興会という組織とも関連があるようです(maniaさん)

はまれぽ調査結果!

“アイデア技研”は現在、横浜発明振興会会長の発明家・金城寿雄さんの屋号として存続。横浜発明振興会は日曜発明教室を開催中。

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ライター:松崎 辰彦

不便・不自由・不合理 ──“不”のつくものにチャンスあり



アイデア技研とは、金城寿雄(きんじょうひさお)さんが2001(平成13)年に設立した、さまざまな商品を製作・販売する会社である(所在地・横浜市旭区万騎が原13-11 資本金100万円)。といっても、社員は金城氏と奥様の二人だけという、家庭的な組織である。

沖縄県出身の金城さんは、本土にわたり日大理工学部大学院を卒業後、日本ビクター(現JVCケンウッド)の研究開発部に就職。エレクトロニクス技術研究一筋に打ち込んだ。
 


金城寿夫さん


「私は『テレビの父』として世界的に有名な高柳健次郎(日本ビクター元副社長・技術最高顧問)先生の最後の門下生です。先生からアイデアを学び、発明が三度の飯より好きになりました」
金城さんはいう。
ビクターの副技師長時代にVHD(溝なし静電容量)方式と呼ばれるビデオディスクカラオケシステムを開発し、“ビデオディスク革命”を起こした金城さんは、1980年代の電気科学技術への最大の貢献者としてオーム技術賞(電気科学技術奨励会)や機械振興協会賞(機械振興協会)など数々の賞を受賞した。
 


VHDビデオディスクシステム開発に携わった金城さん(画像提供:横浜発明振興会)


会社に500件もの特許をもたらした金城さんは、会社定年後に「アイデア技研」を興して発明に励んだ。そこで次に述べる「カプセル傘」などさまざまな発明品を作り上げたが、2006(平成18)年、アイデア技研は法人としての活動を停止し、現在は金城さんの屋号として存続している。理由は、東急ハンズなどの取引の場合に、とくに法人である必要はないと聞いたからとのこと。
「法人だと法人税を払わなければなりませんから」と、金城さんは合理的である。

金城さんは発明のコツに関して、
「不便・不自由・不合理という“不”のつくものに発明の種が宿っています。常に問題意識を持ち、考え続けることが大切です」
とアイデア哲学の持論を述べる。



あったら便利な発明品

それでは投稿者の質問にある「カバーのいらない折りたたみ傘」なるものを拝見しよう。これは金城さんが発明した本体とカバーが一体になった傘で、自身が折り畳み傘のカバーをよくなくすので、「カバーと本体を一体化すればいいのではないか」と閃いたのがきっかけである。
 


金城さん発明のカプセル傘


「手元の握りとトップ(石突き)に工夫があります。傘を畳んで小さくまとめたとき、手元からカバーを引き出して、全体を覆います。そのままバッグに入れても周囲のものを濡らさない、便利なカバー合体の折畳傘です」
 


よく絞って
 

手元のカプセルからカバーを取り出し
 

全体を覆って
 

はい、できあがり


商品化まで5~6年かかり、主要部品の金型費に約250万円を要したという。
「横浜市の助成金制度を使いました。『カプセル傘』というネーミングで、東急ハンズなどで販売しました。実はこれ、結婚式の引き出物として人気があります。カバーと本体が別れないので、夫婦も別れてはいけないということで、縁起がいいのです」
 


カプセル傘の説明(画像提供:横浜発明振興会)


何本も買い換える人もいるというアイデア商品である。値段は3500円。

そしてゴルフボールを使った皮膚を刺激する器具。これも金城さんの開発だ。
 


美顔ボール(840円)


「ゴルフボールをプラスチックのケースに入れただけのものですが、ゴルフコンペの賞品として人気があります。楽天で『ゴルコロ』というネーミングで売れています」と金城さん。

もともとゴルフボールに関心をもっていたという金城さん。ロストボールが安価で入手できることを知り、ボールを見つめて、「何か利用できないか?」と考え続けた結果、浮かんだアイデアであるとのこと。
“ゴルコロ”の他に“美顔ボール”というネーミングも持っている。顔や首などの上を、コロコロ回して刺激する。
たしかにいずれも世紀の大発明ではないが、あったら生活が便利になり、楽しくなるだろうといった商品である。