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南区の小学校裏で化石を発見? 海だったころの横浜を徹底調査!

ココがキニナル!

子供のころ、南区の永田小学校横にある竹林のむき出しの地層付近で貝の化石を採った覚えがあります。永田周辺は海だったと聞きましたが、本当でしょうか?(fukaさん)

はまれぽ調査結果!

はるか昔、8万年前以前、永田小学校付近を含む横浜市は海だった! かつて海の底であったことを示す地層も分布している。

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ライター:大和田 敏子

海の底だった横浜



オシャレなビルが建ち並び、観光スポットやレジャー・ショッピング施設が集まる洗練された大都会、横浜。ここがかつて海だったことを想像したことがあるだろうか。今回の調査は、そういった時代、大昔の横浜に思いをはせるきっかけをつくってくれた。調査にあたって、キニナル投稿者が貝の化石を採ったという場所を特定してみようと思い、京浜急行「井土ヶ谷駅」から徒歩15分、南区の永田小学校に向かった。
 


永田小学校


付近に竹林はないかと探してみる。すると、校舎裏手に竹林らしき緑の生い茂った場所が見つかった。
 


校舎の背景に竹林が見える


竹林のあるところは崖になっている。投稿者が貝の化石を採ったという場所は、ここなのだろうか。
 


永田小学校校舎裏にある竹林
 

崖には、所どころ、むきだしの土が見えている


投稿にある、「ここで化石が採れた」という事実は一体どういうことなのか。また、それはいつごろのもので、どのような貝なのだろうか? 地質学や古生物に関する知識がほとんどない筆者は、一つひとつ確認していくしかない。

まず、化石とは何か?  そこから始めてみることにする。

地質や環境エネルギーなど6分野で研究を行う日本最大級の公的研究機関「産業技術総合研究所」によると「化石とは、一般に、太古の遺骸が砂や泥などの中に埋もれて、何千年、何万年、あるいは何億年という長い年月がかかって、地層の中に残されたもの」だという。

生物などが地層に埋没して自然状態で保存されているものを指すので、余った食料や貝殻を捨てたゴミ箱のようなものであったと考えられている「貝塚」から出土したものは、「自然状態ではない」ため、化石には含まれないそうだ。

このことから考えると、「貝の化石が採れる」ということは、「そこがかつて海あるいは湖であった」と考えるのが自然なようだ。
 


貝の化石(現地で採れたものとは無関係)
『化石図鑑~地球の歴史をかたる古生物たち~』より




専門家に聞く



永田小学校周辺で貝の化石が採取できる可能性について知ることができたらと、「生命の星・地球博物館」の主任学芸員、田口公則さんに相談させていただいた。
田口さんが、1982(昭和57)年に地質調査所(現在の産業技術総合研究所の地質調査総合センター)から「横浜地域の地質」として出版されている地質図と説明書をもとに、永田小学校付近の地質図を紹介してくださった。
 


当時の永田小学校付近の地質図。地質調査所発行5万分の1地質図「横浜」を引用
※クリックして拡大


田口さんは「地質図を読むと、永田小学校周辺には「中里層(なかざとそう)」とよばれる地層が分布していることがわかります。中里層は、およそ100万~70万年前の海成層(海でたまった地層)で、ときには貝化石が見つかることがあります」と解説する。
 


中里層から見つかったウニの仲間の化石(生命の星・地球博物館にて展示)
 

中里層から見つかった二枚貝の化石(生命の星・地球博物館にて展示)


「永田小学校付近には40万年ほど前の地層のひとつ「相模層群上倉田層(さがみそうぐんかみくらたそう)」も分布しています。この上倉田層からも貝化石が見つかることが知られています。」
 


上倉田層から見つかった貝化石(生命の星・地球博物館にて展示)