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買いたたかれている? 横浜市のネーミングライツの仕組みってどうなっているの?

ココがキニナル!

横浜市のネーミングライツ。更新時に大幅に安く買いたたかれている?市はどんな営業をしてるの?募集かけて応募を待つだけ?私ならトヨタやホンダに日産スタジアムを売りに行きます(さぶさぶろーさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

更新時は現在の契約者と優先的に交渉するが、折り合わなければ公募。更新時の経済情勢や契約者の思惑が影響する。他都市でも金額が下がっている

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ライター:はまれぽ編集部

そもそも「ネーミングライツ」ってなに?



公共施設の名称を民間に売ることで、その収益を自治体の財源に充当しようという「ネーミングライツ(以下、NR)」制度。
財政危機が叫ばれる横浜市にあって、その貴重な収入源が買いたたかれている? これは非常にキニナル! 早速、横浜市政策局共創推進室共創推進課に取材を申し込んだところ、宮崎郁(いく)担当係長と広報担当の片山玲子さんが取材に応じてくれるという。
 


対応してくれた宮崎担当係長(右)と片山さん
 

横浜市では現在7施設でNRを導入しており、2005(平成17)年に横浜国際総合競技場の命名権を日産自動車が取得して「日産スタジアム」としたのが最初の事例。

その後、2008(平成20)年には三ツ沢公園球技場が「ニッパツ三ツ沢球技場」に、横浜こども科学館が「はまぎんこども宇宙科学館」とNRの取得が相次いだことから、市では同年10月に「横浜市ネーミングライツ導入に関するガイドライン」を制定した。

ガイドラインによると、NR導入の目的は「安定的な財源確保による施設の継続的な運営と民間資源を活用することで施設の魅力を向上させ、地域活性につなげること」としている。



本当に「買いたたかれている」の?



安定的な財源確保という大きな目的があるのに、その権利が「買いたたかれている」というのはどういうことか。宮崎担当係長にそれぞれの施設について詳細を伺うことに。

まずは「日産スタジアム」について。
 


横浜市のNRの最初の事例
 

前述のとおり、日産スタジアムは日産自動車が2005(平成17)年にNRを取得。その際の契約は年間4億7000万円の5年間契約だった。

ガイドラインには「現在のスポンサーは次回契約期間について優先的に交渉できる」という規定があるため、横浜市は契約が満了する2010(平成22)年以前に日産自動車と同条件での契約延長を軸に話し合いを進めてきたが、2008(平成20)年の米リーマン・ショック以降、経済情勢が悪化したこともあって、金額面で調整がつかなかった。

このため、ガイドラインに基づき、一定の要件を満たす個人・団体であれば全国誰でも応募できる「公募」の手続きに移行した。
 


当時のプレスリリース(横浜市ホームページより)
 

公募は市の広報誌やホームページで行ったほか、県内のみならず、年間数億円を拠出できそうな大手企業数社をリストアップし、ダイレクトメールで案内を出した。
しかし、結果的には日産自動車1社しか応募がなく、市が提示した年間1億5000万円で期間は3年という条件での契約となった。

ニッパツ三ツ沢球技場については、年間8000万円という契約だが、具体的な金額は年度ごとに設定するという、ややイレギュラーな方式になっている。
8000万円という数字は、同球技場を本拠地とする、サッカーJ2「横浜FC」がJ1のステージで活躍し、それに見合った広告効果を得られることを前提とした金額だという。
 


横浜FCの本拠地としても利用されている(フリー画像より)
 

ところが、チームは現在J2に所属しているため、「メディア露出が少なくスポンサーとしてメリットが少ない」ことなどを理由に、契約した2008(平成20)年度(3月1日~翌2月28日まで)の7000万円から6500万円、6500万円、6000万円、5500万円と推移している。

2013(平成25)年3月1日からは2期目の契約で2016年3月31日まで延長したが、年額は4000万円となった。

はまぎんこども宇宙科学館についても同様だ。
 


さまざまな展示がある「はまぎんこども宇宙科学館」
 


この施設も契約時は年間3000万円だったが、現在は2013(平成25)年4月1日から2016年3月31日までの3年契約で、契約金は年間1500万円となっている。