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「水道道」は、なぜ「水道道」と呼ばれている?

ココがキニナル!

神奈川区、鶴見区、港北区を通る市道85号線は、水道道と呼ばれていて標識にも載っていますが、名前の由来はどこから? 何かしらの水道設備が通っているのでしょうか?(Yorupikuさん)

はまれぽ調査結果!

市道85号線の「水道道」は、昭和9年に水道管設置工事が行われたことから、水道道と呼ばれるように。現在は西谷浄水場からの水道管が通っている

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ライター:橘 アリー

水道道の様子は?



市道85号線は、神奈川区片倉町の新横浜通りにある「下耕地(しもこうち)」の交差点から、岸根公園の横を通り、港北区の篠原・馬場・東寺尾を抜け、鶴見区の總持寺わきを通って鶴見駅西口へと至る道路である。

キニナル投稿にもあるように、ここが「水道道(すいどうどう、すいどうみち)」とよばれているらしい。
 


下耕地交差点の様子。この交差点を右折すると水道道に入る
 

水道道の標識


水道道の篠原近辺の様子
 


響橋(ひびきばし)交差点の様子


交差点の標識によると響橋交差点から先は、「鶴見獅子ヶ谷通り」となっており、水道道はこの交差点までである。

今回の調査は、この水道道の“名前の由来”と、“何かしらの水道設備が通っているのか”について。

この水道道と呼ばれる道は、どの辺りも片側一車線で、住宅・商店・公園などの横を通り、これといった目立った特徴の無い地味な道路であるが、その由来はどのようなものなのだろうか? さっそく調べていくことに。



やはり、水道設備が通っている!?



まずは、以前に道路の名前について調査した時に参考にした資料『愛称道路』で、今回も調べてみた。

水道道は、神奈川区・港北区・鶴見区に跨(またが)っているので、それぞれの区の「水道道」を見てみると・・・
 


神奈川区は、松見町3丁目~片倉町までの延長1700メートル


以下、地図中の青線が水道道。
 


港北区は、菊名町~岸根町までの延長3250メートル
 

鶴見区は、東寺尾6丁目~馬場1丁目までの延長1900メートル


距離を合計すると、総延長6850メートル。

資料には、水道道の説明として「市内に上水道が整備された初期、野毛山浄水場から水道本管がこの道路沿いに配管されたために『水道道』と呼ばれるようになった」とある。
なお、現在は、西谷浄水場からの上水が送水されているそうだ。
 


西谷浄水場の様子


水道道と呼ばれるようになったのは、やはり、水道設備と関係があるようだ。

横浜市の道路局に上水道が整備された時期を問い合わせてみたところ、1934(昭和9)年3月にこの水道工事が完成したという。その当時、とても大きな水道管を設置していたのを見ていた人々が、いつしか“ここには大きな水道管が通っているから水道道だ”と言い始めたことから「水道道」と呼ばれるようになっていったそうである。

さらに『愛称道路』によると、「水道道」と呼ばれる道はこれ以外にも2つあるようだ!



水道道ってこんなに長いの!?



前述の「水道道」以外の2本はそれぞれ、旭区と保土ケ谷区の2区にまたがっているものが1本、そして保土ケ谷区と西区にまたがっているものが1本あるそうだ。それを資料中の地図で確認してみることに。

まずは、旭区と保土ケ谷区にまたがっている水道道から。地図中に黄色い線で表してみた。
まずは旭区から。
 


旭区の「愛称道路」の地図

川島町~上川井町の延長6400メートルが水道道。
1892(明治25)年に川井接合井(川井浄水場)が造られ、1901(明治34)年同場所にろ過池を完備した時から水道道が設置された、とのこと。

そして保土ケ谷区では・・・
 


保土ケ谷区にある「愛称道路」の地図


旭区から繋がっているのが、左側にある黄色い線、川島町800メートルの道。
旭区上川井町~保土ケ谷区川島町まで、総延長7200メートルのものが旭区と保土ケ谷区にまたがる水道道だ。

そして保土ケ谷区にはもう1本の水道道がある。
写真中の緑色の線、天王町1丁目~川島町までの延長3250メートルがそれにあたる。
保土ケ谷区には水道創設時、浄水場が野毛山にあって、そこへ送水するための水道管のルート用地が現在の水道道になったとのこと。

この水道道は、西区までつながっていて・・・
 


西区の「愛称道路」の地図


緑色の線、西戸部1丁目~浅間町5丁目までの延長1900メートルがそれにあたる。
西区の水道道は「西谷浄水場から野毛山貯水池まで水道管が埋設されている道路で、1909(明治42)年ごろには、道路の通行は人の歩行のみが許された」とある。

つまり、保土ケ谷区川島町~西区西戸部1丁目まで、総延長5150メートルのものがまたがっている。
 


西谷浄水場前の水道道の様子


これで、横浜市内の水道道は3本あり、その長さを足すと、1万9200メートル(=19.2km)という、けっこう長い道になると分かった。

それにしても、横浜市内に水道道が3本もあり、神奈川区・港北区・鶴見区・西区・保土ケ谷区・旭区の6区にも渡っているとは驚きである。

水道道について分かったところで、次に「横浜水道記念館・技術資料館」で展示されている水道管などの様子について。