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八景島シーパラダイスの「普段は聞けない水族館ウラ話」を一挙公開!

ココがキニナル!

シーパラでジンベエザメを飼育し始めた理由は?/八兵衛が天国へ旅立ったが七海ちゃんの今後は?/サメがサバやイワシを食べる?/うみファームはアジを唐揚げするだけ?(だいさん/彩雲さん/黒蕎麦さん/nobさ

はまれぽ調査結果!

ジンベエザメ八兵衛なきあとも七海ちゃんは元気。同じ水槽内にいるサメはイワシやサバを食べていて、うみファームではアジ以外の魚も食べられる

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ライター:大和田 敏子

横浜・八景島シーパラダイスについては、いろいろなキニナルが寄せられている。今回、それらを一挙に解決したいと担当者にお願いした。
 


過去にはまれぽでは
1日フリーパスで最大どのくらい乗り物に乗れるか検証したことも
 

一時期は、シーパラの年間パスポートを持っていたほど、シーパラ大好きな筆者だが、ここのところ、すっかり足が遠のいていた。

シーパラに行ける、しかも、担当者からお話を聞けるとあって、かなり浮かれている。テンションが上がり過ぎて、疑問の解決が疎かにならなければ良いのだが・・・。
気を引き締めて、いざ八景島シーパラダイスへ!
 


心躍らせシーパラへ



2月某日、横浜シーサイドラインで「八景島」駅へ向かう。
  


八景島シーパラダイスだ
 

駅から5分ほど、橋をわたって・・・
 

入口近くのメリーゴーラウンドが見えると、気分が盛り上がってくる
 

今日は取材なので寄り道はせず、八景島シーパラダイスを運営する株式会社横浜八景島に話を伺った。
  


センターハウス2階にある株式会社八景島事業所
 

広報催事担当の西岡真佳(にしおか・まなか)さんと、アクアリゾーツのリーダー飼育技師、安部奏(あべ・そう)さんにお話を伺った。
 


西岡さん(左)と安部さん
 

横浜・八景島シーパラダイスは1993(平成 5)年 5月開業。オープンから21年になる。敷地面積は7万6385.68平方メートル(ハマスタ約3個分!)、現在、施設内で展示している生きものの種類は約500種類、10万点。うちほぼ8割は日本国内の生きものだそうだ。
 


アクアミュージアム
 

オープン当初から何度も展示替えをし、生きものも変化した。当初、水族館(アクアリゾーツ)は「アクアミュージアム」だけだったが、現在までに「ドルフィンファンタジー」「ふれあいラグーン」「うみファーム」が加わり4施設になったことでより数が増えたという。
 


アクアミュージアム入口
 

ハマスタ3個分もある敷地面積は開業当初から変わらず横浜市から借りている土地の中で運営しているが、まだまだ新施設を作れる余裕がある状況なのだそう。
 


ジンベエザメってどんな魚? 飼育の経緯、八兵衛の死因は?



つづいてキニナル投稿にあったジンベエザメについて、来館したきっかけから話を伺った。
 


ジンベエザメがやってきた経緯は・・・
 

2010(平成22)年7月、水族館と付き合いのある千葉県の漁師さんから「ジンベエザメが定置網にかかった」と連絡があった。しかも、つがいだという。

ジンベエザメはもともと赤道近くの暖かな海にいる。日本の太平洋沖の黒潮(暖流)が東京湾付近に接近した際、そこが回遊ルートに入っているサメのグループが網にかかることがありうるそうだが、これはかなりめずらしいケースだそう。

八景島シーパラダイスの当時の担当者は「ジンベエザメが東京湾にもやってくることを知ってほしい」という思いがあった。また飼育の機会が少ない人気のある生きものなので、八景島の人気者になれば、とのことで展示を決めた。
 


安部さんは、八景島シーパラダイス勤務歴18年
 

3ヶ月で場所の検討、準備ののち2010(平成22)年10月・11月に1頭ずつ入れた。名前は公募で「八兵衛(はちべえ/オス)」と「七海(ななみ/メス)」に決まった。

ジンベエザメは成長すると10メートル以上になる世界最大の魚。八景島で一番広いところに入れたいと考え、イルカなどの動物のいるショープールに入れることに。
 


ジンベエザメが飼育されているのはショープール
 

ショープールは3500トンの水量があり、日本でジンベエザメを飼育する水族館の中では沖縄県の「美ら海(ちゅらうみ)水族館」の次に広いという。八景島に来たとき、八兵衛は4.6メートル、七海は5.2メートルだった。正確な体重は測定できないというが、推測で900kg程度だそう。
  


ショープールで悠々と泳いでいるジンベエザメ
 

鹿児島県の「いおワールドかごしま水族館」など、ジンベエザメを飼育するために十分な広さのないところ(水量1500トン)では、成長すると野生へ返すという方法をとっているところもあるが、八景島では、繁殖を目指し最後まで飼育する考えだという。
 


悠々と泳ぐジンベエザメの姿を上から見られる
 

ショープールはもともとイルカやアシカなど動物の水槽。これらはあまり水に含まれた成分の影響を受けないので、お客さんから見やすいといった透明度などの水質が大切だった。

ジンベエザメのような大きい魚を飼うというのは初めての試み。アンモニア濃度が高くなって水質が悪化することのないよう管理し「半屋外」で外気に左右される水温を飼育に適切な水温23度以上にキープするなど、魚であるジンベエザメに適した環境に整えるのには苦労もあったという。
 


イルカとジンベエザメの共演(?)も見られる
 

ジンベエザメは、大きな身体に似合わないおとなしい性格。オキアミなどのプランクトンを主食とし、たまにキビナゴを与えているが、大きなサイズのエサは吐き出してしまうという繊細な性質なのだそう。
 


ジンベエホールでは・・・
 

ジンベエザメの水中での様子が見られる
 

八景島に来てから、2頭とも順調に成長し、体長は6メートルを超えるほどになっていた。

ところが、飼育を始めて4年近く経った2014(平成26)年7月、八兵衛が急にエサを食べなくなった。ほかの水族館から「ジンベエザメはエサを食べなくなって1ヶ月くらいは大丈夫」という話を聞いていたので、当初はさほど深刻な状況とは考えていなかったという。

しかし、八兵衛はエサを食べなくなって4日目に水底に身体が着くような状態になり、5日目には死んでしまった。

ほかの水族館でも急激に体調を崩すケースはなく、専門家にも診てもらったが死因は判明していない。
 


飼育の苦労、八兵衛が亡くなった経緯などを話してくれた
 

安部さんをはじめ、八兵衛に関わってきた多くの方々が、急死にショックを受けたことを思うと心が痛んだ。

八兵衛の死後、七海のことは心配しつつも、個体に負担がかからないような水質管理やエサの管理を強化。よく観察しながら飼育している。現在も、とても元気で、体長は6.2メートルほどになったという。
 


元気に泳いでいる七海
 

大きな口やおしゃれな模様が特徴的なジンベエザメは、水族館での人気要素「大きい・かわいい」という特徴を備えており・・・
 


ホッキョクグマ
 

セイウチ
 

ペンギン
 

ウミガメ
 

・・・などと同様に、人気を集めている。
 


大きな口の特徴を表現したオブジェ
 

かわいい柄が強調されたぬいぐるみ