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いよいよ記録更新なるか!? 横浜で一番急な坂はどこ? 2014冬・後編

ココがキニナル!

2011年、全区を回り「一番急な坂はどこか」を調査後、寄せられた情報をもとに再調査した2013年冬。その後寄せられたコメントに今度こそ瀬谷区天竺坂の20°越えの急坂はあるか(はまれぽ編集部)

はまれぽ調査結果!

遊行坂、キリン園公園裏坂ほか2坂の10°が最高だったが参考ながら驚愕の20°や趣深い路地坂など数字の向こうにある坂の魅力が見えた気がした

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ライター:永田 ミナミ

坂の街から14’冬- ’15 春



2013(平成25)年冬、およそ2年ぶりに横浜の急坂をめぐってから早また1年。嬉しいことにその後も新たに寄せられた急坂の調査依頼をもとに、急坂を見に出かけた「2014年冬」前編と中編の続きである。今回は、2015年1月に測った中区から南区へと歩いた山手の坂と、西区、港南区の坂を紹介していく。

では今回も、次第に風格と揺るぎなさを感じさせるようになってきた感もある、横浜の5急坂を紹介しておこう。

1位 瀬谷区相沢4-15「天竺坂(通称)」・・・20°(36.4%)
 


測った坂が増えるにつれ、20°という角度は奇跡だったのではと思わされる


2位 港北区新吉田町4569「正福寺横の坂」・・・19°(34.4%)
 


急坂ドットではなく細かいスリットが入ったような独特な舗装も魅力の2位


3位 港北区樽町1-7-14「新幹線の線路横の坂」・・・18°(32.5%)
 


坂下に停まる車の小ささで18°の迫力がわかる納得の3位


4位 南区永田北2-16「緑の煙突(元衛生湯)裏の坂」・・・17°(30.6%)
 


段もカーブもない直線急坂でこの角度を叩き出されたらぐうの音も出ない


4位 戸塚区平戸3-13「エンジェルストランペットが咲く坂」・・・17°(30.6%)
 


もうひとつの4位は美しい二段坂。花も美しい夏に訪れるのがおすすめ


そして今回も、急坂の認定基準を再確認しておく。

1. 車が通行できる
2. 公道
3. 行き止まりにならない(通り抜けられる)
4. 短すぎない


以上の4つだが、目を見張るような坂であれば参考記録として紹介していく。



中区・山手の名坂たちから南区へ



南区最深部の急坂散策に向かう前に、はまれぽFacebookのコメントのなかにあった、中区の地蔵坂、遊行坂、狸坂を測りに山手に出かけた。山手といえば著名坂が多い。せっかくなので地蔵坂から狸坂までの間にある坂もいくつか計測していくことにした。
 


元町・中華街駅から地上に出ようとしてうっかりアメリカ山山頂に出てしまった
 

すぐ横には階段坂の見尻坂


地蔵坂は2011(平成23)年に計測済みだが、山手の最西端坂である谷戸坂から東に向かっていけば地蔵坂にも遊行坂にも狸坂にも出会えるという単純な考えであった。

中区山手町100付近「谷戸坂」・・・6°(10.5%)
 


アメリカ山を左に見ながら港の見える丘公園前へと至る言わずと知れた谷戸坂
 

中腹から見下ろせば、みなとみらいが一望できる
 

山手の坂を削り出したかつての海はその輪郭を中村川に残している


さて、元町まで下り地図を確認すると、地蔵坂はJR石川町駅のだいぶ向こうだと気づいた。しまった、これでは日没までに今回の主役たちを測りきれないかもしれない。ということで最初の主人公、地蔵坂まで急ぐことにした。
 


スタート地点の設定に失敗を取り戻すべく早足で石川町駅をくぐり抜け
 

しかし、ときどき路地の隙間から山手の崖面を眺めながら地蔵坂を目指した


中区石川町3「地蔵坂」・・・6°(10.5%)
 


そして地蔵坂に到着。緩やかにカーブを描く堂々とした様子は相変わらずで
 

もちろん角度も2011(平成23)年と変わらず6°だった
 

蓮光寺越しに眺めるランドマークタワーもあの日と同じ
 

最後、右にカーブしながらぐぐっと上っていく最上部は部分的に8°をマーク
 

そして山手本通りの終点である地蔵坂上に出ると
 

レトロでクールなどっしりとしたマンションの手前を右折
 

直線的なデザインのなかで曲線が映えるエントランス。フォントも素晴らしい
 

そして道なりに横浜共立学園を左折する
 

浜共立学園を過ぎてすぐの猿坂は地図で階段坂と分かり、通り過ぎようとした


ところが、実際に見た猿坂はセンター階段坂だった。センター階段は、両側のスロープが車両通行用、センター階段が人間通行用という、路肩階段が設置できないような道幅の狭い急坂に用いられる、最も合理的な構造であり、つまり車両が通行する坂ということである。
 


ということは、と目を凝らすと確かに坂下に乗用車が見える
 

そういうことなら話は別だと階段を下りると、右折してすぐに舗装が途切れた


未舗装の道路はいまや貴重な存在だが、参考坂の気配が漂いはじめたのも確かである。足音をしのばせながらセンター踏石を踏んでいくと、じわじわと道幅が狭くなり、自動車の通行は難しくなった。
 


そして残念ながらというかやはりというか、右折した先で階段となった


しかし、この猿坂がとんでもない坂であったことだけは伝えておかねばならないだろう。どうやらこの一帯はかつて「猿山」と呼ばれ、「猿坂」という名前がついたこの坂は、参考坂ながら1位タイの記録を叩き出したのである。

中区打越9付近「猿坂」・・・20°(36.4%) *参考記録
 


坂上部のセンター階段坂部分でその記録は叩き出された
 

静かにしかしぴたりと20°を差した測定器
 

階段が悔やまれるが、この坂は自動車より前からあるのだからこれでいいのだ
 

時空のはざまにたたずむような風情坂であった
 

さて、坂上の通りに戻り、この打越橋は右側が中区、左側は南区という境界線
 

かながわの橋100選にも選ばれた1928(昭和3)年竣工の美しい鋼アーチ橋を渡る