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新山下ドンキ横の歴史ある「丸善ビル」、怪しく光るネオンと謎の音楽の正体は? 全店徹底取材!

ココがキニナル!

新山下のメガドンキの隣にある丸善ビルにあるお店が魅力的。特に2階の音楽が流れてくるお店とネオンのお店がキニナル(Seijiさん、ro-me-3さん、ASCAさん、まみごんさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

40~50年前に建てられたという丸善ビル。当初は居酒屋で、現在は個性豊かな4店舗がそれぞれの世界観で営業中。とても居心地のいい場所だった。

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ライター:山崎 島

新山下、ドン・キホーテ横の蔦が絡まっているビル、といえば、ヨコハマニアの皆さんはぴんとくると思います。
 


ここです、丸善ビル。夜の様子
 

昼間だとこんな感じ

 
妖しさと気張ってないかっこよさが魅力的な丸善ビル。心惹かれるビルだが、なんていうか、入りにくさがある。

気がつくと服が全体的に同系色になってしまう私なんかが入っていいのだろうか、とか、がんばって入れたとして、果たして出てこられるのだろうか、とか、いろいろキニナってしまって、結局ドンキでボールペンを買って帰る。結構そういう方がいたりいなかったりするのではないだろうか。

じゃあこの際わたくしめが偵察してきます、ということで1階から3階まで丸善ビルを駆け上がってまいりました。



1階



最初に伺ったのは、老舗の紅茶専門店「ラ・テイエール」。
 


ちょこんとした扉がかわいいお店
 

一歩入ると、ふうわり優雅な香りに包まれます
 

見たことない名前の紅茶がずらり

 
こぢんまりとした愛らしい店内には、オリジナルティーや季節によってのシーズナルティー、ドイツのロンネフェルト社、フランスのジャンナッツ社の選び抜かれた約80種類もの茶葉と、紅茶をおいしくいただくためのアイテムが並んでいる。
 


この日お話を伺ったのは社長の小濱康三(こはま・やすぞう)さん

 
とても丁寧にご対応くださった小濱さんは、なんとロンネフェルト社認定ティーマスターの資格を保有している、紅茶のプロフェッショナル。その上スタッフさんは、全員日本紅茶協会認定インストラクターの資格をお持ちなんだとか。
 


こちらが認定書

 
「あなたに会ったお紅茶がきっと見つかるお店です」というポリシーを掲げるラ・テイエールの創業は今から12年前の2003(平成15)年。当初は元町に店舗を構えていた。初代の店舗は紅茶と輸入雑貨を取り扱っていたそう。丸善ビルに入られたのは2013(平成25)年のこと。

「はじめは別のビルが候補だったのですが、建物の設計の問題などでなかなか決まりませんでした。移店することは決まっているし、常連のお客様のためにも遠くへは行きたくないし、ではどうしようか、と思っていたときに、たまたまこの場所が空いていたので、ここにきました」と小濱さん。

元町周辺に根付いたお店にしたい、という想いと、それまで通ってくれていたお客さんにご不便をかけたくない、という気遣いが丸善ビルとのご縁を生んだのだなあ。
 


お客さん想い

 
小濱さんは、元町の昔のご様子にも詳しく、丸善ビルの歴史についても伺うことができた。

丸善ビルが建てられたのは今から約50年前。昔から元町周辺で飲食業をやっていた当時のオーナーさんが、もともと所有していたこの場所にビルを建てられ、1階で飲食店をやっていたのだとか。

しばらくしてオーナーさんがお店を辞めてからは、賃貸ビルになり、1階はカフェバー、2・3階はバーが入っていたとのこと。建物の建て替えはしていないそう。
 


建物自体もおよそ半世紀建つ、貴重なものなんですね

 
多くの方が認める味わい深さを持つ丸善ビル。

すぐ隣にかつて多くの著名人が訪れたという、今はなきバンドホテルが建っていたのだが、現在はそのころと比べて新山下も大きく変わっただろう。
 


かつてのバンドホテル(写真提供:森日出夫)

 
これからの新山下の変貌も踏まえつつ、今後の展望について伺う。

小濱さんは「街が変わっていくのは、時代の流れの中では仕方のないことです。残すべき物も、もちろんあるのですが、商業施設などは衛生面や耐震性のため、新しくしていかなくてはなりません。この場所に合う、デザインされた街になっていってほしいです。近くに新たな商業施設ができたら、ティールームを併設した紅茶専門店、ラ・テイエールを作りたいです」とおっしゃっていた。

前向きなご意見に、なんだか明るい気持ちになりました。元町・新山下の老舗紅茶専門店となるであろうラ・テイエール。品のある素敵なお店でした。有難うございました。

次は同じく1階の・・・
 


風通しのよさそうなイタリアンレストラン「RAZZO」
 

通りかかるたびに、にぎわっている印象がある

 
「RAZZO」のあれこれについてお話くださったのは、シンプルな装いが素敵な社長さん。お忙しいときに伺ってしまったにもかかわらず、ご丁寧にご対応くださる、素敵な女性だった。残念ながら、お写真はNG。お美しいのに残念・・・
 


白と木の質感が、リラックスできそうな店内

 
「RAZZO」は2007(平成19)年7月からの営業。「海のそばでお店を出したい」という社長さんの夢を、この丸善ビルでかなえた。

「私はフランス菓子のパティシエで、主人がイタリア料理の職人なので、ピザとジェラートのお店にしよう、と思いました。1年かけて物件を探したのですが、なかなかしっくり来る場所がなくて・・・そんな時、たまたまここが空いているのを見つけました。この場所には2階のバーにお客さんとして来ていた時期もあったため、もともと知ってはいたのですが、海のそばで、明るくて、ほどよい人の通りがあるという、理想的な環境でした」とのこと。
 


うんうん、素敵な場所です

 
以前はお客さんとしてこのビルに訪れ、思い入れのあるこの場所でご自分の夢をかなえられたなんて、物語があります。

ちなみに、どうしてもキニナルお隣のドンキについては「ここより先にドンキさんがあったので、特に何も気にしていません。むしろ、何か足りないものがあったときにいつでもすぐに買い出しにいけるので、便利かな」とおっしゃっていた。

ではでは、RAZZOさんの光るお料理をご紹介させていただきましょう。
 


ディナーのお勧めメニューは黒板に書かれている
 

前菜、パスタ、ピザなど、メニューはとても充実
 

「色々前菜盛り(1000円)」

 
ボリュームも満足で目にも鮮やかな前菜の盛り合わせ。ハートランドの生(540円)と一緒にいただいた。
 


前菜文化ってすばらしい

 
手前から時計回りに、鰯のポルペット(肉団子)、ヒイカの釜焼き、隣がパテ・ド・カンパーニュ(田舎風パテ)、自家製のポルケッタ、ニンジンのラペ・クミンシード風味、ほうれん草のアーリオーリオ、キノコのマリネ、温野菜のグリルマリネ。

どのお料理も素材の味をしっかり生かした素朴な味わい。野菜は鎌倉野菜を使っているそう。楽しい食事を演出してくれるであろう、こだわりの一皿。

個人的にはニンジンのラペが好きだった。甘酸っぱく味付けられたニンジンに、クミンシードのさわやかなアクセントが絶妙。おいしかった。
 


それから同店一押しのピザも

 
スモークした水牛モッツァレラのマルゲリータ(1690円)。
 


厨房の釜で一枚一枚丹念に焼き上げる

 
ナポリっ子はナイフとフォークでピザを切り、くるくるっと巻いてフォークで食べるんですって。
 


このように

 
うーっ、燻製チーズって反則・・・コクがぜんぜん違う。スモーキーでみずみずしいチーズと、ぱりっとしたバジルがなんとも美味。風味と香り、両方からせめられ、一回黙って味わいたくなる見事さ。生地もとても柔らかで、耳までおいしくいただける。
 


それから同店自慢のジェラートも
 

いただいちゃった、ミルク(400円)

 
さらっとした、ピュアなミルク。濃厚なのにさわやか、という、相反する味わいを成し遂げている逸品。これはほかのフレーバーもぜひともいただいてみたい。ジェラートはテークアウトでもいただくことができるので、お近くを通った方は一度食べてみてほしい。

さすが、丸善ビル唯一のレストラン。雰囲気だけではなく、お料理も素敵だった。