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横浜市内の「神奈川淡麗系ラーメン」でオススメの店はどこ? vol.2

ココがキニナル!

吉野町にある『鶏喰 』というラーメン屋がキニナル。土日のお昼頃に近くを通ると大抵、お客さんが並んでいる。某グルメサイトでも評価点が高い。はまれぽで調査を!(ランニングマンさん)

はまれぽ調査結果!

信玄鶏とタレのコクがパンチを効かせた「鶏喰(とりっく)」、比内地鶏のやさしい旨みが後を引く「桜鳥(おーどりー)」の2店舗を紹介する。

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ライター:山口 愛愛

鶏の旨みが濃縮された鶏喰(とりっく)



「神奈川淡麗系ラーメン」なる言葉がネット上で飛び交うようになったのは、2年くらい前からだろうか。2014(平成26)年、はまれぽでも「神奈川淡麗系」の店を紹介したところ、ユーザーのみなさんからほかの店も取材してほしいなどという声をいただいた。

神奈川淡麗系といわれるラーメンは、鶏をベースにし、魚介系食材を使用した透明度の高いスープであっさりしているものが主。その中でも注目を浴びているのが、キニナル投稿をいただいた「鶏喰(とりっく)」と、コメント欄などで情報をいただいた「桜鳥(おーどりー)」【閉店】の2店。この2軒を訪ねてみよう。

まずは、横浜市営地下鉄ブルーライン吉野町駅近くにある「鶏喰」へ。
 


吉野町交差点のすぐそば
 

遠くからでも個性的な鶏の絵が描かかれた看板が目に飛び込んでくる
 

土曜日の昼時に行ってみると20人以上の行列
 

夜の営業時間前を狙って足を運んだ。扉を開けてみると、白壁の前には、赤いラインが上品に光る椅子、頭上には白いスポットライト、BGMにはジャズという店内。うーん、ラーメン屋さんらしくない。もちろん良い意味で。
さっそく主人の西垣昇(にしがき・のぼる)さんに声を掛け、行列ができる秘密を探ってみた。
 


ご夫婦で店を営んでいる。ご主人の西垣さん
 

ジャズが合う居心地の良い空間

 
店のオープンは2012(平成24)年11月。丸2年で行列ができるほどの人気店に成長した。

西垣さんは、料理の専門学校を卒業後、イタリアンのコックをし、その後、中華街で奥様と点心販売業をはじめ「いつか2人で小さな飲食店をやりたいな」と思っていたという。
「イタリアンはメニューの幅が広く大変なので、ラーメンが好きだし、ラーメンにしよう! というノリで始めたんです」と人懐こい笑みを浮かべる。
西垣さん夫婦はラーメン店で働いた経験もなく、開業したというので驚きだ。
 


外で並ぶ人への案内も

 
「中華街のトリックアートミュージアムで、店の名前を考えていたんです。鶏を喰らうでトリックっていいね! と思い浮かび、先に店の名前を決めたので(笑)、鶏ラーメンでいこうという流れです」と意外な経緯を語る。

直感でコンセプトを決めたが、ここからの苦労とこだわりは並大抵のものではなかった。
「ラーメンを作ったことがないので、スープとタレと油を混ぜることも知らなかった」というが、イタリアンで鶏ガラからスープをつくることもあるので、独学と経験を頼りに味探しの旅が始まった。
 


「スープと出汁とタレの3つバランスが命」

 
こちらで使用している鶏ガラは、山梨県の信玄鶏。鶏をさばいてから72時間後が最も出汁が出るといわれていることから、手でさばかれ、骨に肉がある程度ついているフレッシュな状態のものを仕入れている。手羽先や昆布、ネギなどと一緒に、出汁をとっていた。
 


肉がついている方が旨みが強いという

 
このときに使う水は、不純物99.9%除去するというフィルターを通した「プレミアムウォーター」。
 


2階には260リットルのタンクがあり、浄水したものを使っている

 
もちろん、タレも厳選されたものでつくっている。醤油は、石川県金沢の生醤油「ひしお」に、店で初めて火を入れ、兵庫県丹波の黒豆醤油や香川県小豆島の魚醤(ぎょしょう)などとブレンドしている。

「最も重要なのは火入れの温度やタイミング。最初は同じ味が出せずにオープンが遅れたのですが、準備資金が減ってきたので、オープンしてしまおうという感じだったんですよ。ようやく味が安定してきましたが、今でも勉強中」と西垣さん。

では、そんな苦労とこだわりの詰まった至極の1杯をいただく。
 


しょうゆラーメンに味玉(100円)をつけた「味玉鶏の醤油らーめん(880円)」

 
岡山の吉備鶏などを使ってブレンドしている鶏油(ちーゆ)のコクと香りが鮮烈だ。鶏の旨みが凝縮されていて、それに負けないしょうゆの風味も強いが、さらっとしてキレ味も良い。

三河製麺の平麺はスープの絡みも良く、思わず麺の運びが早くなる。そこに、黄金に輝く玉子も。とろーりとした濃厚な黄身がたまらない。玉子は千葉県にある押木(おしき)養鶏場から直送される「紅孔雀(べにくじゃく)」の産み立て玉子と、これもまたこだわりの逸品。
 


国産小麦「春よ恋」の中でもグレードの高いものを使った麺

 
次は「味玉鶏の塩らーめん(880円)」。
塩ダレはアゴの焼き干し、かつお節、アサリなどの旨みと、フランスのゲランド塩や沖縄の天然塩をブレンドしたもの。
 


塩ラーメンは、深い丼の外側に「鶏喰」の文字

 
塩の麺は「春よ恋」の全粒粉も入っているが、ほのかな粒感はでしゃばりすぎず、しなやかな麺がスープの旨みをうまくすくう。
 


麺とのバランスも試行錯誤した
 

チャーシューは鶏モモと胸肉の2種類

 
軟骨の入った自家製鶏団子も鶏特有の臭みもなく、味わい深い。具材がバランスよく寄り添っていると感じる。

このほかに「鶏と鰹の醤油らーめん(780円)」もあり、こちらはカツオの香味油を使っている。油がスープの上面にくるので、れんげですくうと、ひと口目にカツオの風味を感じるという。次回はこちらも味わってみたい。
 


おしながきと黒板でメニューをチェック

 
淡麗系はあっさり系といわれているが、その中でもコクとインパクトが強く印象に残る。行列ができるのも納得だ。

行列や口コミサイトでの評価をどのように思っているか聞いてみると「多少、プレッシャーはありますよね。ネットの感想は、本当の素直な意見かなとも思いますし、でもそれがすべてではないので参考にしながら、手を抜かず地道に自分の目指したい味をつくります」と西垣さん。
 


「ゆくゆくは自家製麺も考えています」と話す
 

2015(平成27)年の2月~3月限定で、カップラーメンも発売されていた

 
「妻が笑顔で接客してくれるので、作るほうに集中できるんです」とご主人はいい、奥様は「他人だといいたいことがあっても遠慮しがちですが、素直に意見をいえる点も良いかも。自分でもうちのラーメンが本当に美味しいと思っています」と笑う。
お2人の言葉を聞き、隠し味は夫婦愛だなと思わずにいられなかった。