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江の島で「2度目」のオリンピック開催まで、残り2年半。島への影響は?

江の島で「2度目」のオリンピック開催まで、残り2年半。島への影響は?

ココがキニナル!

江の島で2020年の東京オリンピック、セーリング競技が開催されますが、漁師さんは大丈夫? 漁業補償は?(ナチュラルマンさん、山下公園のカモメさん)

はまれぽ調査結果!

東京オリンピック開催に向けて、県内の準備状況をお届け。3回目では江の島での「セーリング競技」に関して調査

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ライター:はまれぽ編集部

「東京オリンピック」なのに、江の島が会場に?



2020年の東京オリンピックでは、「都外会場」として、江の島でセーリング競技が行われる。セーリングは、種目によって1~2人が小型のボートに乗り、海面に設置されたブイ(目印)を決められた順序で回り、ゴールする順位を競うもの。
 


いわゆるヨットを使ったレース

 
風を受けながら海上をダイナミックに駆ける迫力が魅力の競技だ。

江の島での開催にあたっては、神奈川県が提案した「調整素案」があり、島内にどんな施設ができるのか、おおまかな方針が示されている。
 


県の素案より。これをたたき台に調整を進める(2016年時点のイメージ)

 


現時点の江ノ島ヨットハーバー周辺(江ノ島ヨットハーバー公式サイトより)

 
セーリング競技は、東京がオリンピック候補地として立候補していた段階では、都内で開催予定だった。しかし、空港との関係でテレビ中継用のヘリコプターが飛ばせないなどの制約があったことから会場変更が検討され、神奈川県が招致を勝ち取ったという経緯がある。

なぜわざわざ江の島で? と思ったが、その理由の一つである「遺産」が、今も島の中にあった。
 


輝く「1964」の数字

 
江の島の東側、海に突き出た「センタープロムナード」に鎮座しているのは、1964(昭和39)年に行われた東京オリンピックで、実際に使用された聖火台。

実は1964年の東京オリンピックでも、江の島はセーリング競技の会場になっていた。この聖火台はその時に使われたもので、聖火リレーも行われたそうだ。
 


観光客の多いエリアからは少し離れている

 
江の島といえば、神社への参道や灯台など、島の中央から西側に観光スポットが集中している。だが、ヨットが置かれているアリーナや埠頭など、オリンピックで中心となる施設は島の東側に集中しているのだ。

島内には、ほかにもオリンピックを偲ばせる場所がある。
 


江の島に入ってすぐの場所にある、「北緑地」

 
ここにある噴水には、ギリシャ彫像のようなデザインで、江の島を象徴する弁財天の像が建てられている。これも、東京オリンピックの開催を記念して、1964年に藤沢市が設置したものだ。
 


「湘南港竣工とオリンピック開催記念」と銘記されている

 
今回の江の島でのオリンピック開催は、前回の1964年大会を踏まえたもので、突然降ってわいた話でもないようだ。しかし、開催に向けてはまだまだ調整が必要なことも多い。



漁業への影響は?



キニナル投稿にもあった、漁業への影響。セーリング競技は海上で行われるために、コースによっては周辺の漁業関係者が操業できなくなるなど、影響が出る可能性がある。
 


県の調整素案より、これまでの大会との比較。漁業への影響は必至だ

 
2017(平成29)年11月に示された仮の案では、コースの一部にシラスの漁場が含まれていた。まだコースは正式決定していないが、神奈川県の黒岩祐治(くろいわ・ゆうじ)知事は会見で「(シラス漁に)ある程度の影響はある」と話している。そのうえで、影響を最小限に抑えることができるよう、調整を続けているようだ。
 


漁ができない期間が長くなると、産業への影響は大きい

 
関係者に損害が出れば、その分の補償がされることになる。神奈川県では、漁業補償や船舶の移動、仮設の施設整備費などとして、大会組織委員会や東京都に80億円の負担を求めている。
加えて、大会では直接の漁業関係者以外にも、観光や飲食店への影響も避けられない。今後、競技コースや大会の詳細が正式決定すれば、補償の詳細も見えてくることになりそうだ。
 


神奈川県による競技コースのイメージ(県資料より)

 


ヨットの聖地から、船が大移動?



2020年のオリンピック開催に向けて、江の島では前年の2019年に「プレ(前年)大会」、2018年に「プレプレ(前前年)大会」が行われる。江の島で行われるセーリングワールドカップのタイミングに合わせて、オリンピックに向けたテストを行うという計画だ。

大会に向けての課題の一つが、江の島に保管されている大量の「クルーザー」や「ディンギー」の移動。
 


ディンギーは、1~2人乗りの小型ヨット。コントロールしやすい
 

部屋のようなスペースがあり、数人で使えるのがクルーザータイプ

 
ディンギーは約800艇、クルーザーは約200艇が、それぞれ島のヨットハーバーに保管されている。だが、このスペースはオリンピック期間中、運営エリアや競技用の船のスペースとして使われることになるため、一時的に別の場所に移動させる必要があるのだ。移動費用に関しては運営が負担することになっているが、自由に船が出せなくなるなどの影響はありそう。
 


江の島はヨットの聖地。船の移動も大仕事だ

 
神奈川県では船の移動に関して、専用の窓口を開設。2019年のプレ大会と2020年のオリンピックでは、すべての船を別の場所に移動させる必要があるとみている。