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横浜の「魔の池」、川崎の「綱下げの松」・・・各地に残る災害の言い伝えとは

横浜の「魔の池」、川崎の「綱下げの松」・・・各地に残る災害の言い伝えとは

ココがキニナル!

相模川で鮎が大漁♪と嬉しいニュースと思いきや、昔からの言い伝えで「鮎が大漁の時は大地震がある」と地元では複雑な気持ちだそう。他にも都市伝説的な言い伝えを調べて下さい。(ホトリコさん)

はまれぽ調査結果!

県内にも多く残されている地震や水害に関する言い伝えや伝承。今もゆかりが残る伝説や、「信ぴょう性がある迷信」も?

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ライター:はまれぽ編集部

ナマズが騒ぐと地震が起きる、という言い伝えは、聞いたことがある人も多いだろう。これは地域問わず、全国的な伝承と言えるかもしれない。

一方で、「鮎が大漁の時は大地震」という話は、筆者は初めて耳にした。
 


おいしいから歓迎! というわけにもいかない?(過去記事より)
 

全国各地で語り継がれている伝承は、実際の災害を元に教訓が言い伝えられたと考えられるものも多く、いわば長きにわたる「ビッグデータに基づく迷信」だ。

実は総務省消防庁では、民間伝承を防災に生かそうと各地域に残る資料を整理して一般に公開している。
 


全国から収集した資料は一見の価値あり(画像:
総務省消防庁HP

 
一方、こちらの資料では横浜市内の言い伝えは掲載されていないなど、網羅しきれていない伝承もある。
今回は編集部で調査した伝説も含めて、ポイントとなるものの内容をまとめてみよう。



地震に関する言い伝え



・ネズミが騒ぐと地震が来る(平塚市)

地震に関する言い伝えは、動物にまつわるものが多い。
平塚市には、「ネズミが騒ぐと地震が来る」「ナマズが動き出すと地震が起こる」といった伝承が伝わっている。
 


地震を起こすと伝えられてきた(フリー素材より)
 

これは相模川の鮎の言い伝えにも通じるところがあるが、人間には感じ取れない地震の前兆を、動物たちが感知していることを昔の人たちは理解していたのかもしれない。

ちなみに、平塚市では地震が起きた時に唱える呪文もある。「くわばら、くらばら」はよく知られている災難除けの呪文だが、地震の際には倒れるものが少ない竹やぶに逃げながら、「マンダラッコ、マンダラッコ」「まんぜー、まんぜー」といった呪文を唱えていたという。
 


桑畑は雷が落ちにくいとされた(フリー素材より)

 

・やすで虫がたくさん落ちるときは地震あり(三崎地方)

こちらはヤスデ(ムカデに似た節足動物)の大量発生や異常行動を地震の前兆とする言い伝え。
ヤスデは落ち葉や菌類を分解する役割を持った虫で、なかなか街中では見掛けない。こうした自然の生き物から災害の予兆を知ることは、現代では難しくなっているのかもしれない。
 


目撃したらそれどころではなさそうだが・・・(フリー素材より)

 

・巽の風は良くない(綾瀬市)

巽(たつみ)とは東南の方角を指す。この伝承の背景には、1923(大正12)年9月の関東大震災が起きた時、東南方向に入道雲があったという教訓があるという。
綾瀬市では「辰巳(巽)風はアク風」という、台風襲来時に東南からの強い風が家を潰したことを教訓とする伝承もあるなど、「凶事がやってくる方角」と捉えていたようだ。

 

京橋の第一相互ビルヂング屋上より見た日本橋および神田方面の惨状

 


水害への備え



・横浜市西区にあった「魔の池」

やはり多いのが、水害にまつわる言い伝え。特に昔話のように語り継がれる中に、教訓が含まれることがあるようだ。横浜にも、神奈川区に未亡人の河童が現れて、夫の皿を渡す伝承などが残されている。

そして西区西戸部町には、大正の終わりまで直径100メートルの「魔の池」と呼ばれる用水池があったという。
 


用水路は高台の市立西中学校と、低地の民家の間にあったそうだ

 
言い伝えによれば、昔とある美人の娘が嫁いだが、別に情夫がいたために夫を殺し、この池に沈めた。その後は情夫と暮らしていたが、この男にも飽きて別の男と浮気。不貞を知った情夫は女を殺し、死体とともに池に沈んだ。それを知った浮気相手も池に身を投げてしまった。
しばらくして4人の死体が一度に浮かび上がり、大騒ぎになったという。

以来、その池の土手を歩いていた男が池の中に引きずり込まれることが相次ぎ、「魔の池」として恐れられた。
 


現在の西戸部町。池の面影はない

 
夜間などに足を取られやすい水辺を歩く危険を伝えるための言い伝えだったと考えられる。
だがその後、1920(大正9)年の大豪雨で「魔の池」ががけ崩れによって決壊し、20戸を半壊し19人が死亡する大惨事を起こした。

こうした歴史があったことも、今でも伝説が語り継がれる一因かもしれない。