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炎上ギリギリがモットー!? ふざけたサービス満載の三和交通の内部に迫る

ココがキニナル!

三和交通が面白い! 黒子のタクシー、忍者タクシー、SP風タクシー、心霊スポット巡礼ツアーなど、タクシーとあまり関係なさそうな企画はどのようにして決まるのでしょうか?(ハマKさん/輪太郎さん/夏兎さん)

はまれぽ調査結果!

企画の8割が社長のアイディア! 「お客様に楽しんでもらうこと」を第一に、次世代のタクシードライバーを募集するための企業ブランディングとして面白いサービスを常に考えている

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2018年09月20日

ライター:はまれぽ編集部

心霊スポット巡礼ツアー」や「裏ヨコハマ探索ツアー」、など、奇抜なツアーでその名を知らしめている横浜のタクシー会社「三和交通」が、またまたとんでもないタクシーを運行している。
 


その名も「SP風タクシー」

 
SP風タクシーとは、タクシードライバーが要人の身辺を守るSP風のスタイルでタクシー業務を遂行する三和交通のオリジナルサービス。日本伝統の黒子(くろこ)スタイルでおもてなしする「黒子のタクシー」からインスピレーションを受け、インバウンド向けにスタートしたサービスだ。(ちなみに外国人利用者はいまだ0らしい)

重要なのは、SP風のスタイルという点。あくまでも“SP風”なので、

 

拳銃は水鉄砲(要望があればお客さんに水を放つ)


イヤホンはどこにも繋がっていないし、通信機っぽい機械の電源も入っていない

 
SP風タクシーの運転手さんにお名前をうかがうと、「申し訳ございません、身分を明かせないため名刺も持っていないのです」と華麗にかわされた。
そのかわりに、「拳銃(水鉄砲)を構える時、首をしっかり曲げるのがポイントです」と別にどうでもいい情報を提供してくれた。
 


強そうに見えるが、弱い。入社4年目のホープ

 
SP風タクシーを利用する場合、指定料金として1000円(税込み)を支払う。プラス1000円でVIP気分を味わえるならば、誕生日やイベント時など特別な日にお願いしてみたい気もする。

ほかにも、忍者タクシー、黒子タクシー、タートルタクシーなど個性的なタクシーも運行中。「ロボット(の)タクシー(現在は府中で公開中)」など、エイプリルフールの手間をかけた笑える嘘も恒例行事だ。
 



2018(平成30)年は「超脱臭!!絶対クサくないTAXI」を発表

 
今回投稿が寄せられたのは、タクシー会社とは思えないようなオリジナルサービスを連発している内部の様子。ということで、謎のベールに包まれた(?)三和交通の内部に迫ってみた。
 
 
 
アイディアの神が降りてくる(らしい)
 
「企画の8割は代表取締役社長、吉川のアイディアです。吉川いわく『神が降りてくる』そうです(笑)」と話すのは、三和交通統轄本部の広報兼横浜駅前営業所次長の眞壁広貴(まかべ・ひろき)さん。
 


入社14年目の眞壁さん

 
サービスのネーミングなど、ほとんどが吉川社長のアイディアで、そのアイディアを形にするのが眞壁さんをはじめとした社員の方々。
各エリアから集まった精鋭たちと広報で行われる「新サービス会議」には10~15名ほどが集まり、月に1度アイディアを出す場を設け、2ヶ月に1つのペースで企画が実現しているそう。
 


吉川永一(よしかわ・ながいち)社長

 
次々と神が降りてくるらしく、実現には時間がかかりそうな企画も含めて、着手できていないアイディアはまだまだあるようだ。

アイディアが形になるまでの時間はさまざま。例えば「心霊スポット巡礼ツアー」は、心霊スポットの選定、コース、タクシーを止める場所などを細かに下調べする必要があるため、半年ほどかかったのだとか。
 


すべてのツアーが終了後、車両と関係者はお祓いをしている

 
「企画を考える上で大事にしているのは、炎上ギリギリのラインです。『それ本当にやるの?』と思われるようなことを実現し、三和交通をより多くの方に知っていただきたいと思っています。一見ふざけた企画でも、三和交通の2本柱があることで世に発信できています」と眞壁さん。
 


三和交通の2本柱は、安全への取り組みと接遇力

 
面白いサービスが前面に出て見えるが、安心・安全でなければ元も子もない。忍者やSP風の恰好をしても、目的地まで無事に送り届けることができなければ意味がないのだ。つまり、その2本柱に自信があるからこそのオリジナルサービスと言っても過言ではない。

これらのオリジナルサービスの原点となるのが、2014(平成26)年にスタートした「タートルタクシー」。
 


スピードより快適さや安全性を求める声に応えたタクシー

 
利用者はご年配の方、妊婦さん、車酔いをしてしまう方など。一般的なタクシーのイメージは「急いでいる時に乗るもの」だが、その既成概念を覆した業界初のサービスだ。
 


車内の「ゆっくりボタン」を押すと


亀さんが登場!

 
タートルタクシーはお客さんのアンケートから生まれたタクシーで、「タクシーに乗る時に急いでいるか?」という質問に対して、約7割が「急いでいない」という回答だったという。反対にタクシーの運転手さんは「お客様は急いでいる」という認識があり、そういった認識のズレを逆手にとって誕生した。

また、日本人ならではかもしれないが、「もっとゆっくり走ってほしい」という意思表示ができないというアンケート結果に基づいて、「ゆっくりボタン」が作られたそうだ。
 


ボンネットにも亀さんがにっこり♪

 
ボディのラッピングも自社で製作し、「ゆっくりボタン」にいたっては基盤から作ったというから、取り組みへの本気度合いがうかがえる。

眞壁さんによると、「さまざまなサービスがありますが、すべてに対して手を抜かずに取り組んでいます。例えば忍者タクシーは、8つある営業所から2名ずつを選抜。三重県伊賀市の忍者村で修行した忍者・くノ一が担当しております」とのこと。
 


ホームページは約6年の付き合いがある制作会社さんと協力して制作

 
設定が細かいのもこだわりの一つ。実際に忍者に話を聞いてみると、「身軽さを重視して手裏剣は2枚までしか持っていないでござる。語尾は『~ござる』で統一し、素早い動きと、人目につかぬよう車体から出ないように心がけているでござる」と、もはやタクシードライバーとは思えないコメント。
 


「申し遅れました、拙者、忍者サットリ君と申す」

 
社会に出て、忍者やSPに扮する機会などそうそうない。まさかタクシードライバーになって、「いかに恥ずかしさを捨てるかが重要です」とコメントする日がくるとは普通思わないだろう。

ここまでして、唯一無二のサービスを続ける意図はどこにあるのか?
 
 
 

“細かい品揃え”で、次世代のドライバーを育てたい
 
ずばり、三和交通がオリジナルサービスを作り続ける意図は、次世代のタクシードライバーの育成のため。
10年後にはタクシードライバーが半分になると予想されているタクシー業界で、どれだけ若手のドライバーを育てることができるかが業界を生き残る鍵となってくる。
 


実はSPと忍者を兼務しています

 
「お客様に喜んでいただけることはもちろん、現場のドライバーが楽しんで仕事に取り組める環境作りにも力を入れています。現場発信の企画も多く、『THE 新選組ツアー』『三億円事件ツアー』『カメラバカドライバーと行くツアー』など、ドライバーの得意分野を活かした多彩なツアーも実現しました」と眞壁さん。

採算が合う企画は少なく、ほとんどが三和交通の認知と企業価値を高めるための取り組み。注文数が少ないコアなツアーだとしても、それがダメという訳ではなく、”細かい品揃え”自体が企業としての魅力なのだとか。

実際にユニークな企画がメディアで注目され始めてからは、新卒の応募が6~7倍に膨れ上がったという。
 


もしかしたら上司がSP風かもしれない

 
ネット社会の今、メディア戦略は必要不可欠。タクシー会社とは思えない鋭い切り口が、若い世代とつながる手段となっているようだ。

 

2018(平成30)年9月21日から業界初の定額制アプリサービスも開始
 

眞壁さんは、「現場でいただく感謝の声ばかりでなく、現在はSNSなどで三和交通に興味をもってくださった方の反響を感じることができます。三和交通らしいサービスをキッカケに、お客様をより身近に感じられることも我々のモチベーションにつながっております。今後は地域の活動や行政などと連携したサービスにも取り組み、『地域で一番やさしいタクシー』の実現を目指したいです」と話してくれた。
 


これからも三和交通らしい“おもてなし”を存分に発信してほしい

 
 
 
取材を終えて
 
失礼ながら、タクシードライバーという職種にこれまで1ミリも興味のなかった筆者。
しかし、実際にSP(風のドライバーさん)に守られ、忍者が運転するタクシーの助手席に座ってみたら、「もしタクシードライバーに転職したくなったら三和交通を選びたい」と思うまでに興味を抱いた。
 


言うなれば、街中を走るアトラクション

 
窓越しから見えたSP風の真剣な表情と、「SP風の装備で拳銃ホルダーが一番高かったんです!3000円もしたんですよ!」と笑うそのギャップにやられてしまったことは秘密にしておこう。
 
 
ー終わりー
 
 
取材協力
三和交通株式会社

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  • 忍者タクシーが実際に使用された投稿ですよ。四季の森忍術道場での新年会。  https://www.facebook.com/jubei.yamato.7       https://blogs.yahoo.co.jp/bukokai/16137183.html  

  • ゆっくりタクシーは目からウロコの発想です。たしかに妻が乗り物酔いしやすい体質なのでこういうタクシーは助かりますね。SP風は乗ってみたいです。

  • 関西では笑いが文化にあるので、寛容に受け入れられるでしょうが堅物の関東では、どのくらい寛大に受け入れられるのか様子を見ます。

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