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ベイスターズを陰で支えるブルペン捕手とは? 深澤季生さんの仕事に迫る!

ベイスターズを陰で支えるブルペン捕手とは? 深澤季生さんの仕事に迫る!

ココがキニナル!

横浜DeNAベイスターズにはどんなスタッフがいる?どのようにしてチームの力になっているの?裏方さんの仕事がキニナル(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

投手の球を受けるブルペン捕手の深澤季生(ふかざわ・としお)さん。用具担当補佐と兼務(今シーズンよりファーム用具担当兼ブルペン捕手)し、試合開始の7時間前から練習をサポートしフル回転でチームを支える

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ライター:山口 愛愛

元投手、元捕手ならではの何でも屋



2018(平成30)年シーズンは4位に終わった横浜DeNAベイスターズだが、横浜スタジアム(以下、ハマスタ)の大規模修繕工事が着々と進み、今シーズンは初のクライマックスシリーズの地元開催に向けファンの期待が膨らんでいく。チームはこれまで以上に戦力を上げ、今シーズンこそはお預けとなっている優勝を狙いたいところだ。

そのためには、選手はもちろんのこと、陰で選手を支えている裏方さんと一丸となって戦っていく必要がある。前回お伝えした打撃投手の吉見祐治(よしみ・ゆうじ)さんに続き、選手とともに汗を流しているチームサポーターを紹介したい。

 

ユニホーム姿で選手の練習を支えるチームサポーターたち
 

裏方の職にもいろいろな仕事があるが、こんな呼ばれ方をする役もある。――壁(かべ)。

それは、どんな球であろうと黙々と受け止め、淡々と投手の元に投げ返すブルペン捕手の通称だ。今回は「壁」と呼ばれるブルペン捕手の深澤季生(ふかざわ・としお)さんに焦点を当てる。横須賀市内にある横浜DeNAベイスターズ総合練習場にお邪魔し、秋季練習時の仕事の様子をお伝えする。

 

横須賀市長浦町にある横浜DeNAベイスターズ総合練習場に潜入
 

球場横の一角から「ナイスボール!」と威勢の良い声が聞こえてくる。
投球練習の専門の場となるブルペンに、今回の主役である深澤さんがいた。深澤さんが、石田健大(いしだ・けんた)投手の球をキャッチすると「パーン」と弾けるような音が響き渡った。「ケンタ! いいよぉ~もう一丁!」とどこまでも届きそうな声で投手の気持ちを高めている。

 

投手の調子が気になるファンの視線を浴びてキャッチ
 

張り詰めた空気感のブルペンが深澤さん(左)の主な職場
 

深澤さんは選手がグラウンドに入る前から大忙し。倉庫からボールを運び、防球ネットを並べてバッティングケージをセッティング、マスコットバットを用意してから、ブルペンもならして・・・と仕事を挙げれば切りがない。ブルペン捕手のみならず、用具担当補佐と兼任しているのでグラウンド入りは早い。

 

深澤さんは横浜生まれのハマっ子
 

午後6時からのナイター試合の日であれば、試合開始7時間前の午前11時にはハマスタに入るという。
練習用具を準備し、自分のウォーミングアップも済ました後は、「午後1時から早出のバッティングが始まるのでピッチャーとしても投げたり、外野でボール拾いもします。あと選手を笑わせたりもしますよ(笑)。一通りなんでもやって常に動いていますね」と深澤さんは頼もしい笑みを浮かべながら、仕事の流れを説明する。

 

練習前の準備からやることはいろいろ
 

「午後4時過ぎに食事を摂り、みんなにいじられたりして(笑)。午後5時過ぎには対戦相手のバッティング練習の片付け。それから先発ピッチャーとブルペンで調整し、選手のウォーミングアップやキャッチボールを手伝いに行きます」

試合中はブルペンで中継ぎ投手の球を受け、試合後にはもちろん用具の片付けが待っている。捕手でありながら打撃投手も務め、次から次に仕事をこなせるのは深澤さんならではの野球経歴があるからなのだ。

 

ボールの管理も大事な仕事のひとつ
 

深澤さんは1983(昭和58)年生まれ、現在35才。
名門野球部の藤嶺藤澤高校ではエースで4番打者を務め、専修大学でもエースとして活躍。卒業後の2007(平成19)年に独立BCリーグの石川ミリオンスターズに入団し、チームの事情から異例の捕手へ転向する。最初は慣れない守備に苦労しながらも、4番打者としてチームを牽引し、優勝に導いた努力の人だ。

NPB(日本プロ野球機構)を目指してプレイし、キャプテンも務めたが29才の時、2012(平成24)年に引退を決意。その後はバッテリーコーチとして残り、指導にあたるようになった。

2014(平成26)年からDeNAベイスターズのブルペン捕手に就任。形は違えど憧れだったNPBのユニホームに袖を通し、華やかなプロ野球を裏方として支えている。
だからこそ、「選手が活躍してくれたら自分のことのように嬉しい」と話す。これが深澤さんの原動力だ。

 

「いつでも投手が気持ち良く投げられるように」
 

では、取材日の練習の動きを追っていこう。
全体練習が始まると選手に交じり、まずは藤岡好明(ふじおか・よしあき)投手とキャッチボール。

 

濵口遥大(はまぐち・はるひろ)投手と石田投手に挟まれキャッチボール
 

その後は投手へのノックのサポート。返球をしっかりキャッチし、木塚敦志(きづか・あつし)ピッチングコーチにボールを手渡す。

 

投手の守備練習をしっかりサポート
 

深澤さんの声は良く通り、練習の雰囲気が盛り上がる
 

続いてはメイン業務へ。ブルペンで石田投手の投球を受ける。
この日はキャッチボールから、ストレートを中心にスライダーなどの変化球を交え約50球を受けた。

 

石田投手の力投が続く
 

何球かワンバウンドの球を身体で止め、木塚コーチから「ナイスキャッチ」の声
 

ちなみに、シーズン中、試合直前に深澤さんがブルペンで投球を受ける投手は1人か2人。先発投手が登板の1日、2日前に調整で投げるのでその相手を担う。そのほかに、試合の日しかブルペンで投げない控え投手は、試合中に登板が想定される直前に投球を行う。深澤さんはその投球を受けてマウンドに送り出している。これも大事な役目となる。

投球直後に今日の石田投手の調子を聞いてみると「いやぁ、キテました。かなり調子よかった(笑)」と満面の笑みを浮かべた。

 

安堵の笑みも束の間。レガース(すねあて)を外し次の仕事へ
 

練習の合間にグラウンドを整備しつつ、石田投手の下半身トレーニングをサポート。
選手の練習が終わってから用具の片付けと、深澤さんの1日は長い。

 

基礎トレーニングなどもサポート