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横浜の「桜」がついている地名の場所に桜が咲いていない訳

横浜の「桜」がついている地名の場所に桜が咲いていない訳

ココがキニナル!

桜ヶ丘、花見台、桜台小学校、桜丘高校etc桜の木があってこその名称だと思うのですが、桜の木が消えてしまっています。行政は対処されることは無いのでしょうか?(giovanniさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

かつては桜の名所だったが、交通量の増大による通学路の安全確保や老木化による倒木の危険から伐採が進められた。並木道の復活は困難だが周辺には地名に相応しい花見どころがまだある。

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ライター:結城靖博

giovanniさんが指摘する場所は、市営バス25系統が通る保土ケ谷区桜ヶ丘の高台の尾根道、通称「学園通り」と呼ばれる辺り。そう呼ばれる理由は、通り沿いに桜台小学校、岩崎中学校、桜丘高校(かつては県立栄養短期大学も)と学校施設が並んでいるからだ。
 

点線のルートを中心に東西にまたがる道が「学園通り」

 
学園通りと言えば美しい桜並木を連想する。だが、今この通りには、桜の木が消えてしまっているという。まずはその現状を確かめるべく、現地へと足を運んだ。
 
 
 

過去の桜を探る「尾根の細道探訪記」


 
交番のお巡りさんに訊いてみたところ、「学園通り」は通称なので、正確にどこからどこまでという区切りはないそうだ。ただ、通りの東の先は、JR保土ヶ谷駅西口から相鉄線天王町駅へ続く大通りの交差点「岩間町交番」に突き当たる。ここを起点にして、西に向かって道を辿ってみた。
 


スタート地点の岩間町交番交差点

 


歩き始めるとすぐ長い上り坂が続く。途中にはお寺も

 


やっと上りきると月見台交差点。ここから尾根道が続く

 


尾根道が始まるとすぐ現れたバス停「桜ヶ丘」。でも桜はない

 


そして学園通りの由来の学校登場。左手が桜台小学校の校舎

 


桜台小学校を正門側から見る。わかりづらいが右端に1本桜らしきものが

 
桜台小学校の正門側は交差点に面している。そのはす向かいに、長く続いていそうな電気店があったので、訪ねてみることにした。
 


「町の電気屋さん」の趣の三晃商会

 
三晃商会は昭和40年ごろからここで店を開いていた。話を伺うことができた2代目のご主人・相馬さんは1961(昭和36)年にここで生まれ、桜台小、岩崎中卒。いうなれば生粋の「桜ヶ丘っ子」だ。
ご主人によれば、子ども時代は目の前の通りは桜の木だらけだったという。とくに桜の木が多かった場所は岩崎中学校から桜丘高校までの間で、「まるで桜のトンネルみたいだった」と。
しかし、20年以上前に横浜新道・藤塚インターができたころから交通量が増え始め、さらに環状2号線ができて、ますます激しくなってきたという。
「たまに友だちが車で遊びに来ると、『この通りは桜の幹や枝が通りに突き出していて運転が怖いよ』と言っていたな」と相馬さん。
なにしろ子どもたちの通学路である。そんな事情から桜の伐採が始まったらしい。確かにこうして今道を辿っていても、車の往来はひっきりなしだ。
「それと、よく桜の寿命は40年とか50年とか言うでしょう。このあたりの桜はもっとずっと古くからあったからね」と、相馬さんは桜の老朽化も原因に挙げていた。
 
相馬さんにお礼を言い、さらに学園通りを西へ辿った。すると通りの先に岩崎中学校の校舎が見えてきた。
 


「祝関東大会出場」の垂れ幕が誇らしげな岩崎中学校

 


正門側から見た岩崎中学校。門の左にあるのは桜のようだ

 


中学校正門の右側に「学園通り」の道路標示板発見

 
岩崎中学校からさらに西へ進むと、すぐ右手に桜丘高校出現。
 


正門から校舎へ続く巨樹の並木が見事な桜丘高校

 
見事な並木が目に飛び込むが、桜ではないところが残念。でも、正門前右手の木、これは桜だろう。
この桜丘高校から岩崎中学校のほうへ振り返って写真を撮ってみた。この区間こそ、相馬さんが言っていたかつての「桜のトンネル」があった場所だ。
だが今では、左側の桜丘高校と私有地敷地内に桜の木が数本あるだけだ。
 


桜丘高校の前から岩崎中学校側を臨む

 
桜丘高校の西隣には花見台ハイツと花見台アパートが続く。この二つの集合住宅の通り沿いには、敷地内に桜の木がちらほらと見えた。
 


学園通り沿いの花見台ハイツと花見台アパートの桜の木

 


花見台団地が途切れた先は、南北にのびる県立保土ケ谷公園の南端

 
そして保土ケ谷公園の角は花見台交番前の交差点だ。
尾根道の始まりの月見台交差点からこの交差点までが、いわゆる「学園通り」と呼ばれるあたりととらえて良いようだ。町名もここから先の西側は花見台から仏向町(ぶっこうちょう)に変わる。
 


花見台交番前の交差点。この先をずっと行くと藤塚インターがある

 
桜を求めて訪ね歩く「尾根の細道」探訪は、ここで終わる。その道の桜事情は、giovanniさんの言う通りなんとも寂しいものだった。ならばかつてこのあたり一帯はいったいどんな様子だったのだろう、それを知りたいという思いがムラムラと湧いてきた。