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58年の歴史に幕を閉じる横浜文化体育館。閉館後はどうなるの?

58年の歴史に幕を閉じる横浜文化体育館。閉館後はどうなるの?

ココがキニナル!

横浜文化体育館が閉館とあったのですが、建て替えか何かでしょうか?長い歴史の中、様々なイベントがあったと思います。忘れられないイベントはなんですか(はんとさん、Can’t_a⁇さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

現・文体は閉館し、屋内競技をする「横浜武道館」や、文化やエンターテイメントを発信する「メインアリーナ」に生まれ変わる。館長の想い出は、64年の東京五輪で男子バレーボールチームが銅メダルを獲得したこと

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ライター:はまれぽ編集部

オリンピックイヤーを迎えた2020年現在、横浜市は再開発が進み、これからさまざまな施設が開業する。


新たに開業する施設もあれば、横浜を支えてきた歴史に幕を閉じ、閉館する施設もあるが、役割を終えた施設は今後、どのようになるのかキニナルところ。
今回調査したのは、58年の歴史を持つ「横浜文化体育館」だ。2020(令和2)年9月6日に閉館することが決定しているこの施設は今後どのようになるのか。館長に話を伺った。
 
 
 

スポーツと文化の普及振興を目的に開設された横浜文化体育館


 
「横浜文化体育館(以下、文体)」はJR京浜東北線・根岸線の関内駅と市営地下鉄ブルーラインの伊勢佐木長者町駅から徒歩5分ほどの所にある。
 

 
この建物は横浜開港100年を記念し、スポーツと文化の普及振興を目的に1962(昭和37)に開設。
 


開館当時の文体(提供:横浜文化体育館)

 
2020年5月で開館から58年を迎える文体の建物。長い歴史と共に、昭和の歴史を醸し出している建物に老朽化が目立つようになってきた。
 


現在の文体

 
以前から横浜市には、武道専用の施設や多様化される利用形態に対応できる中央体育館の建設を望む声が数多くあったという。そこで市は、関内周辺地区の街づくり計画を先導的に取り入れるため、現・文体敷地に「メインアリーナ施設」、隣接する旧横浜総合高校敷地に「横浜武道館」を整備することが決まった。

現・文体については以前、取材しているので、詳しくはその記事を確認してほしい。

 
 
 

最後まで「安心」「安全」をモットーに


 
文体の館長である宮田豊(みやた・ゆたか)さんに文体での思い出や今後について詳しく伺った。
 


2018(平成30)から館長を務める宮田さん



ーー館長に就任し、取り組んだことを教えてください

「閉館のファイナル事業に向けて、横浜文化体育館の58年の歴史をホームページ上でまとめました。今後は、ホームページでの公開だけではなく、記念誌の編纂(へんさん)や写真展を開催する予定で進めています」

文体の館長に就任する前、2016(平成28)年から2年間「横浜国際プール」の館長を勤めていた宮田さん。普段からスポーツに取り組んでおり、以前は「バレーボール」「空手」「スキー」を行っていたが、現在は「ウォーキングとパンケーキ巡りです(笑)」とお茶目な一面も垣間見せる。


ーー文体での印象深い思い出を1つ教えてください

「東京オリンピックで男子バレーボールチーム(日本)がオランダに(セットカウント)3-1で勝ち、銅メダルをとったことです」

1964(昭和39)年に開催された第18回オリンピックでは、文体でバレーボールが22試合実施。その際、女子日本代表は金メダル、男子日本代表は銅メダルを獲得する日本の歴史に残る結果を収めた。

また、この第18回オリンピックの開会前の同年10月7日には文体前を聖火リレーのランナーが通り、多くの人がその様子を応援しに集まったそうだ。
 


文体前で聖火ランナーを待つ市民(提供:横浜文化体育館)

 


市内を走る聖火ランナー(提供:横浜文化体育館)

 

ーー閉館するにあたり、利用者や職員からの声はありますか?

「市民の皆さまからは、文体での想い出を募集し、ホームページで公開しています」
 


現・文体にある案内板に募集のポスターがあった(クリックして拡大)

 
郵送またはメール、館内応募箱から応募することができる、この「文体の想い出」。せっかくなので、寄せられた想い出の中から、市内在住の50代男性から「僕にとっての金メダル」という想い出をご紹介しよう。

“小さいころは、太っていて、走ると股ずれができていました。喘息もちで、身体が弱く、スポーツは得意ではありませんでした。
そんな肥満な僕が、中学生に入り、一大決心をしてバレーボール部に入りました。小学校の時にクラスでやったレクリエーションのバレーボールでたまたま入ったサーブを担任の先生に褒められたのがきっかけでした。入部当初は、太っているせいもあり、思うように身体が動かずうまくなりませんでした。
3年生が引退した夏、2年生になっていた僕は、4月から始めた1年生にレギュラーを奪われました。そこから、夜の秘密特訓が始まりました。
すると、みるみるうちに痩せ、身長ものびていきました。
3ヵ月後には、レギュラーで活躍するようになり、引退時には、学校でただ一人選ばれる「体育活動優等生徒」になりました。
横浜市内の各学校代表は、夢の聖地「横浜文化体育館」に集まり表彰を受けました。
生きている中で、メダルを授与されたのは、これっきりです。今でも大切に保管されていますーー”
 


授与された金メダル(横浜文化体育館ホームページより)

 
1964(昭和39)年に開催された東京オリンピック大会で、バレーバール日本代表が獲得したメダルもしかり、この男性にとって同じ価値のメダルが授与された想い出が文体にはあった。
募集の締め切りは2020年3月31日まで。応募特典も多数あるので、皆さんの文体での想い出を寄せてみてはいかがだろうか。


ーー「横浜武道館」と「メインアリーナ」が今後どのような役割を担っていくと思いますか?

「横浜の屋内スポーツの新たな拠点となり、武道をはじめ、球技や体操競技を中心とした体育館であるとともに、新しい文化の発信やエンターテイメント施設として市民に愛されていくと思います」

ーー2020年9月6日で閉館する現・文体にメッセージをお願いします

「最後まで安全安心をモットーに管理運営をして、市民とともに想い出を振り返りながら、『横浜武道館』と『メインアリーナ』にレガシーを引き継ぎたいと思います」