格闘技
空手教室 瑞心道場(すいしんどうじょう)
- 横浜市営バス「本郷町」下車 徒歩1分
みなとみらい線「元町・中華街駅」から徒歩18分
JR根岸線「山手駅」から徒歩20分 - 横浜市中区本牧町1-7 キャスト本牧2F
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- 営業時間:【平日】16:30~22:00【土曜日】10:00~14:00【日曜日】10:00~12:30
- 定休日:月曜日
横浜・本牧通り沿いにオープンした空手道場。先生は、生徒を人として尊重しながら、共に「この先を生き抜く強さ」の体得を目指す心やさしき格闘家。キックボクシングも習えることがポイント!
元いじめられっ子の元プロ格闘家による熱血指導! どんな子でも楽しく稽古に通い続けられる空手道場
2018年10月26日
元プロ格闘家が子どもたちに伝えたいこと
空手はもちろん、「K-1」「Krush」「RISE」といったキックボクシングの試合でも活躍した格闘家の道場が横浜市中区の本牧にあると聞き、取材に向かった。
JR根岸線「山手駅」から横浜市営バスに乗り、本郷町停留所で降りる。見晴トンネル入口南側の交差点を渡って歩いてすぐに、みなとクリニックが見えてくる。その2階に道場がある。
瑞心道場(すいしんどうじょう)
ここが、元キックボクシング重量級ファイターの洪太星(こう・たいせい)さんが運営する「瑞心道場」だ。たしかに、窓ガラスにはキックボクシングの文字が。
洪先生は、横浜出身で1980(昭和55)年10月18日生まれの38歳。
身長185㎝、体重83kg。鍛え上げられたボディは健在!
歴戦を物語るトロフィーの数々
2003(平成15)年「第8回 全世界空手道選手権大会」に出場した後、キックボクシングのプロに転向。空手仕込みの蹴り技を得意とし、ガード越しでも相手を倒す、重くて鋭い「右のハイキック」で有名な重量級ファイターだった。
現役を引退した今は、もともと好きだった子どもたちの育成に力を注いでいる。
K-1にも参戦しキャリアを重ねたファイターとして、本場タイでムエタイの試合にも参加
鮮やかな青いマットが敷き詰められた明るい練習場
子どもの習い事として人気が高まっている空手。
ただ、運動が子どもの成長に良い影響を与えることは分かっていても、近年相次ぐスポーツ界のパワハラ騒動を思えば、武道なだけに雰囲気や指導がキニナルところ。
まずは普段の稽古を見せてもらうことに。
幼年部(3歳~小学生)の稽古スタート
平日火曜日の幼年部。
時計が午後4時30分をさす前に、子どもたちがバタバタと飛び込んで来た。
放課後はみんな習い事で忙しいよね
笑顔で迎える洪先生
子どもたちは一礼して道場に入り、未就学児・低学年の子らも自分で道着に着替え、脱いだ服をたたんでから稽古に臨む。
先生に会えてうれしそうな笑顔
最初にきちんと正座をして、師範と練習生たちがお互いに礼を交わす。
「押忍!」
武道は「礼に始まり礼に終わる」
そして、そのままの姿勢で黙想。
黙想は稽古前に雑念を払い、心身共に万全の態勢に整えるためのものであり、心を無にする瞑想と違って「考えを整理すること」を目的とする。武道では古来より行われている作法であり、剣道などでもおなじみだ。
目を閉じて静かに黙想するひととき
特徴的なのは、その後の洪先生による呼びかけ。
「みんな、今日は何をがんばる? ただ“やりたいこと”じゃなくて、“自分が今出来ていないことで今日がんばりたいこと”を考えて」
すると、子どもたちが正座したまま次々と手をあげ、
「引き手!」「平安(ピンアン)の型!」「蹴り!」「目線!」
と、それぞれの“目標”を発表。
手をピンとあげて積極的に挙手する子どもたち
洪先生からの「いままで、目線の何がダメだったの?」という質問に、「強くやろうとして、顔が下を向いちゃってた!」と答える男の子がいた。
すると洪先生は、
「なるほど、そうだね。しっかり前を向くことを意識したいんだね。そこに気づけたのは素晴らしい! じゃあ、今日は目線を間違えないように稽古しよう。みんなもそう、自分が何をがんばるのか、きちんと自分で考えてやらないと、本当に上手にはなれないから」と、アドバイス。
瑞心道場では、稽古前に自分で今日の目標を考えて、一人ひとりがその達成を目指す。
目標が機能するためには目的が必要だが、「何のためにそれをするのか」「なぜそれをするのか」という目的の部分まで意識させてくれるから、子どもながらに目標を効果的に設定できるのだ。
武術の道場では古来より神棚が祭られている
続いて、ケガの予防と身体の柔軟性を養うためのストレッチ後、空手の基本動作に入る。
立ち方、手技、受け、足技といった、動きながら技を出す移動稽古である。これによって、足・腰の鍛錬と、動きながらのバランスの取り方、重心の移動などを学ぶ。
「ハイ、それではこれから稽古を始めます。三戦(サンチン)立ち、用意! 中段行きます。しっかり声を出して!」
息を整えながら基本の構えの準備
「1! 2! 3! 4!」
洪先生の号令に合わせ、子どもたちが基本の構えから前に進みながら手技を繰り出す。
「セイ! セイ! セイ! セイ!」
正拳中段(せいけんちゅうだん)突き
元気なかけ声が響く中、洪先生がひときわ小さな男の子に声をかけた。
「オォ、○○○、しっかりやってるな! えらいぞ! ここの腕はこうだよ、いい?」
そして先ほど目標に「目線」をあげた男の子には、
「さっそくよそ見しちゃっていたね。目線をまっすぐにする、そう自分で言ったことは自分でちゃんとやるようにしよう、いいね」
子どもたちを見つめる真剣なまなざし
ほかの子にも、
「○○○○○、肘をしっかり締めるんだよ」
「○○、引き手をしっかりね」
「○○○○、型はさ、相手をしっかりイメージしてやるんだよ。ただ自分の動作を覚えて動くだけなら、盆踊りと同じだからね」
「○○○、疲れた? ちょっと休む?」
次々とことばをかけていく洪先生。
グループレッスンでも、子どもたち一人ひとりの状態をしっかり見極めながらきめ細かく指導しているため、アドバイスと励ましの双方に納得感がある。
励ましはもちろんいたわりの言葉がうれしい
さらに練習は「裏拳左右打ち」から「正拳あご打ち」へ。
「これを早くやろうとすると手だけの動きになりがちなんだけど、しっかり腹と手と膝の3つを一緒に動かさないと強い力が出ないよ。ほかの技もそうだからね、この3つを集合させることが大事。それじゃ、あと10回!」
こうした分かりやすい説明も、洪先生ならでは。
目線はまっすぐね
また、2つのグループに分かれ、1組目が行う練習を残りのグループが座って見学し、見ること自体を学びにつなげている場面もよく登場する。
「この中で1番がんばっているのは誰だと思う? みんなでチャンピオンを決めよう」
そう洪先生が見学組に問いかけると、
「○○!」「○○○はちょっとなまけてると思う」「○○○だよ」「○○○○がすごくがんばってる!」
そんな声が次々に上がる。やっている方のグループも、見られていることを意識して自然と力が入る相乗効果がお見事。上手い下手ではなく、努力のチャンピオンだから白帯の子にもチャンスがあることがうれしい。
ほかのグループの動きを見つめる子どもたち
こうした指導法により、開始前はあんなにワイワイにぎやかにおしゃべりしていた子どもたちの顔が、稽古も中盤まで来た今は、真剣そのもの。集中できていることがよく分かる。
そして、蹴りの基本である「前蹴り」の練習に移ると、洪先生のお手本がこれまたすごい。
子どもはさすが体が柔らかくて脚が高く上がる
これぞ刺さる前蹴り。お手本がとにかくかっこいい
蹴りのポイントは「膝の上げ方」にあるため、動きのある柔軟性が大事になる。また、体重移動と荷重のためには、柔軟な股関節と骨盤の動きが必要だ。そのすべてが見てとれる洪先生の見事な蹴り。
圧倒的な力のある師だからこそ、憧れて練習に打ち込めるのだ。
ムチのように素早く蹴り出せ!
お母さんにインタビュー
小休止の時間に、5歳からここに通い始めて現在8歳(小学2年生)の男の子のお母さんに話を伺った。
○この2年間で、お子さんに何か変化が感じられましたか?
「うちの子は小児喘息持ちなんですが、瑞心道場に通い始めてから本当に体が強くなりました。おかげさまで体力もついて、小学校に上がってからは見た目に分かるほど、ほかの子より肩幅がガッチリ。体育も得意で、積極的に楽しんでいるようです」
未就学児にも分かる言葉を選んでしっかり伝える
○数ある道場の中で、ここに決めた理由は?
「実はホームページで、屈強な先生が元いじめられっ子だったと知って興味を持ちました。それで無料体験に参加してみると、あんなにすごい経歴の持ち主なのに、とにかく人柄が優しくて謙虚で・・・子どもからも一度も稽古が辛い、嫌だとは聞いたことがなくて、ひたすら楽しめているようです」
見上げる背丈の洪先生だが、一番大きいのは心
○一番良かったと思うことは何でしょうか?
「成果をストイックに求めてくる先生ではないので、段位昇進のプレッシャーもなく、マイペースで通えるところですね。本人の希望と先生からの見立てがマッチしたベストなタイミングで、あわてずに上がって行ければいいと思っています」
道場への強い信頼感が伝わってくるお話ばかりだった。
稽古の終わりと振り返り
さて、その間に稽古の方は、1分間の水飲み休憩をはさんで蹴り込みと打ち込みの練習へ。2人1組になり、洪先生の号令に合わせて、お互いのミットでパンチと蹴りを受け合う。
かなりの破壊力だ
手刀回し受け
最後は、子どもたちが大好きな練習のひとつである「ひざ歩き」。これによって太股に重力と体重を支えるだけの筋力をつけ、バランス感覚を養っていく。笑顔を見せながら競い合う子どもたち。
危ういバランスで進まなければいけないところがおもしろい
「ハイッ、今日の稽古は終わり!」と洪先生が言うと、「え〜っ、はやっ!」「もう?」と子どもたちから不満そうな声が上がるのは、稽古が楽しかった証拠。
「姿勢を正して正座します。神前に礼!」
「押忍!」
みなさんおつかれさまでした
そのまま黙想すること数秒、目を開いた洪先生に「今日はどうだった?」と聞かれて「引き手うまくいった!」「型やれたよ!」などなど、成果を口々に語る子どもたち。稽古前に自分で立てた目標が達成できたかどうかの振り返りの時間まであるのだ。
そして練習が終わった途端に、ヤンチャな遊びが始まる。子どもが子どもらしくいられる時間もちゃんとあることがうれしい、充実した稽古内容だった。
新しい仲間を待っている
基本情報
店名 | 空手教室 瑞心道場(すいしんどうじょう) スイシンドウジョウ |
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ジャンル | 道場(空手、キックボクシング) 子供の習い事(礼儀作法) |
住所 | 〒231-0806 横浜市中区本牧町1-7 キャスト本牧2F |
アクセス | 横浜市営バス「本郷町」下車 徒歩1分 みなとみらい線「元町・中華街駅」から徒歩18分 JR根岸線「山手駅」から徒歩20分 |
駐車場 | 無 |
TEL1 | 045-299-8021 はまれぽを見たとお伝えください |
TEL2 | |
FAX | |
営業時間 | 【平日(火~金)】:16:30~22:00 【土曜日】:10:00~14:00 【日曜日】:10:00~12:30 |
定休日 | 月曜日 |
URL | https://suishin-dojo.com |
カード利用 | 不可 |
個室 |