2004年以来のJ1優勝を狙う横浜F・マリノス!ファン・サポーターと作り上げる「沸騰プロジェクト」って何?
ココがキニナル!
最終節を残して首位に立つ横浜F・マリノス。クラブとファン・サポーターが一丸となって取り組む「横浜F・マリノス 沸騰プロジェクト」がキニナル!(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
「沸騰プロジェクト」は、ファン・サポーターの熱量で関心層を広げていく、熱いプロジェクトだった。優勝をかけた最終節は、明日12月7日14時にホーム・日産スタジアムでキックオフ!
ライター:はまれぽ編集部
元日本代表の中澤佑二(なかざわ・ゆうじ)選手や、松田直樹(まつだ・なおき)選手を有して、黄金時代を築いた2004(平成16)年のJ1リーグ以来、15年ぶりの優勝を目指す横浜F・マリノス。2018(平成30)年に就任したアンジェ・ポステコグルー監督のもと、勝ち点を積み上げ、最終節を残し首位に立った。
そんな今シーズンのF・マリノスを支える「横浜F・マリノス 沸騰プロジェクト」なるプロジェクトがあるという。それはどういうプロジェクトなのか? 何が沸騰しているのか? キニナルプロジェクト内容をうかがうため、はまれぽ編集部は日産スタジアムのおひざ元・新横浜にある「横浜マリノス株式会社」の本社を訪れることにした。
「横浜マリノス株式会社」に潜入!
編集部を迎えてくれたのは、横浜マリノス株式会社マーケティング本部のお二方、取違亮大(とりちがい・りょうた)さんと、飯尾直人(いいお・なおと)さん。
左から取違さん、飯尾さん
笑顔で迎えてくれたお二人。取違さんの珍しい名字にも驚いたが、筆者にはそれ以上の衝撃が。なんと、飯尾さんは筆者が10年以上前に所属していたマリノスサッカースクールの担当コーチだったのだ!
飯尾コーチお久しぶりです!(笑)
小学生の時に、サッカーを教えてもらっていた人に取材することになるなんて・・・と感慨深くなったが、気を取り直して、本題の「横浜F・マリノス 沸騰プロジェクト」についてお二人にお聞きしていく。
「横浜F・マリノス 沸騰プロジェクト」とは?
そもそも、「横浜F・マリノス 沸騰プロジェクト」とはどんなプロジェクトなのだろうか? 率直な質問をぶつけると取違さんが答えてくれた。
「沸騰プロジェクトは世間的に言うと、“ファンコミュニティ”のようなものです。F・マリノスのサポーターの方は、ソーシャルメディアを活用している人が多く、また発信力がとてもあります。そういった方々をクラブとしてフォーカスし、オフィシャルとして顕在化させたいと思い、2018年シーズンから始まったプログラムです」
「沸騰プロジェクト」について親身になって答えてくれる取違さん
かみ砕いて言うと、「横浜F・マリノス 沸騰プロジェクト」は、プロジェクトメンバーであるファン・サポーターを、クラブが一緒にF・マリノスを作っていくメンバーとしてとらえ、その熱量を、周囲のサポーターや非関心層に伝えていこうというプロジェクトだ。
また、沸騰プロジェクトは3つの部門「スタジアム沸騰チーム」「グッズ沸騰チーム」「クラブ沸騰チーム」に分かれ、それぞれにプロジェクトマネージャーとして、F・マリノスの現役選手が所属する。サポーターは3つのチームのいずれかに所属し、クラブと共にF・マリノスを盛り上げていくことになる。
メンバーになるにはWeb登録が必要(沸騰プロジェクト公式HPより)
主な活動としては、SNS上でのさまざまな投稿を促すサイトでの呼びかけのほか、定期的にクラブとプロジェクトメンバーが一緒になってミーティングを開き、“ファン目線でF・マリノスがさらに愛されるクラブ”になるために意見交換を行う。その場で出た意見は実際にクラブの企画として実現されたものも少なくない。
テーマを決め、実際にプロジェクトメンバーとクラブ側が顔をつき合わせて議論する
プロジェクトメンバーの意見から生まれた“The CLASSIC”
取違さんは、実際にサポーターの意見が実現した印象的な企画があるという。
「今シーズンの第9節、4月28日にホームの日産スタジアムで行われた対鹿島アントラーズ戦の“The CLASSIC”パネル企画が印象に残っています。ミーティングで沸騰プロジェクトメンバーから両チームがコラボレーションした大型フォトスポットを作ってみてはどうかという意見が出ました」
“The CLASSIC”大型レジェンドフォトスポット
「あとこの企画のすごいところは、試合当日プロジェクトメンバーの方々がボランティアスタッフとしてスタジアムの運営も行ってくれたところです。熱量がすごい方達なので、スタジアムに訪れた鹿島サポーターの方々を含め、来場者の方たちとのコミュニケーションが生まれて、おもしろいコンテンツになりました」と加えた。
当日の運営もプロジェクトメンバーが担当!
1993(平成5)年にJリーグが開幕して以来27年間、一度もJ2に降格していないのは「鹿島アントラーズ」と「横浜F・マリノス」の2チームのみ。その両チームのJ1を舞台に27年間唯一続く宿命の1戦のことを“The CLASSIC”という。
その大事なホーム戦について何かできないかとプロジェクトメンバーから声が上がり、“The CLASSIC”の企画に繋がった。当日の運営までファン・サポーターがやってしまうのだから、その熱量は計り知れない。このようなファン・サポーター発信の意見がクラブとしての企画に結びつくのが「横浜F・マリノス 沸騰プロジェクト」の肝と言えるだろう。
「#すべてはマリノスのために」Twitterトレンド日本1位!
取違さんはこの“The CLASSIC”の大型レジェンドフォトスポットの他にも、サポーターのすごみを感じた企画がもう一つあるという。
「『#すべてはマリノスのために』というハッシュタグのTwitterトレンド1位企画というものを実施しました。これもプロジェクトメンバーの方の意見から実施した企画です。F・マリノスファン・サポーターではない非関心層の方々にも、ソーシャル上で盛り上がりを伝えていきたいと思い実施しました。」
実際にこの企画は、2019(令和元)年11月20日の19時~20時の間に実施され、Twitterのトレンド日本1位、世界5位までの盛り上がりを見せた。
その時のF・マリノス公式Twitterのツイート
その他にも、沸騰プロジェクトのファンの声をもとにした公式グッズの製作や、スタジアムの整備、イベントなど実績をあげれば枚挙に暇がない。横浜F・マリノスではそのような熱量を持って意見を発信するファン・サポーターのことを、尊敬と感謝の念を込めて「スーパーファン」と呼んでいるそうだ。
このような、一人一人がクラブのことを思って、意見を出し、行動に移せるのが今年の横浜F・マリノスの強さを支え、そのチームの活躍がまたサポーターの熱量を“沸騰”させているのだろう。