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デビュー50周年! 湘南育ちの兄弟デュオ「ブレッド&バター」って、どんな人たち?前編

デビュー50周年! 湘南育ちの兄弟デュオ「ブレッド&バター」って、どんな人たち?前編

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デビュー50周年! 湘南育ちの兄弟デュオ「ブレッド&バター」って、どんな人たち?前編

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ライター:山本航

『勝手にシンドバッド』の元になった名物男テーちゃん



――日本の文化やライフスタイルが大きく変わった時代ですよね。それにしても、おふたりから男の子の定番だった虫捕りや野球とかのお話しが一切出てこないですね。

(S)あー、そうね(笑)。でも、トンボはすごいいましたよ。いろんな種類がいたね。茅ヶ崎弁では、「オンジョ」とか「ナーコイ」と呼んで、捕まえたりしてた。オンジョはオスの銀ヤンマのことで、ナーコイは、その尻尾の色が濃いやつのこと。橋の下に行くと、壁中べったりとトンボだらけだったよ。

 
ブレッド&バター
昭和時代の柳島付近(所蔵・提供:茅ヶ崎市)
 

(S)昔は水がきれいだったから、川に鯉がいっぱい泳いでた。海沿いには、ヒバリがいっぱいいたし。そこら中で卵を探したりしたよ。もうヒバリなんか全く啼き声を聞かなくなったよね。
そうそう、美空ひばりの大ファンのおじさん知ってる?

当時、茅ヶ崎には地元で有名な人がいてね。自叙伝にもある話なんだけど、テーちゃんって呼ばれてた人がいて、いつも腕に時計の絵を描いていてね。夕方には消えかかってたりして。それを子どもたちがからかって、「今何時!?」と聞くといつも「んーと、だいたい3時」と答えてた、名物男(笑)。

 
ブレッド&バター
「茅ヶ崎は名物おじさんがあちこちにいたね(笑)」
 
ブレッド&バター
ブレッド&バターの自叙伝『伝説の[カフェ・ブレッド&バター]』(発売元・提供:ワニブックス)
 

(S)桑田(桑田佳祐)くんも当然知ってたから、確認はしてないけど、『勝手にシンドバッド』のあの「今何時!?」「そうねだいたいね」のフレーズは、テーちゃんがモデルだと思うよ(笑)
ほかにも、変わった有名な人はいたな。いつも腰におもちゃのチャンバラ刀をぶら下げて、夕方になると電柱にある電灯のスイッチを右手で居合抜きでバチーンって叩いて、左手でスイッチを入れて点灯させていたサダちゃんとかいたのね。そういう人って、昔はどこの街角にもいたでしょ。

 
ブレッド&バター
高度経済成長前の茅ヶ崎駅北口付近(所蔵・提供:茅ヶ崎市)
 

――当時ならではの茅ヶ崎のピースフルな雰囲気が伝わりますね。世間的には加山さん、ブレバタのおふたり、サザンが湘南という名前とイメージを全国的に有名にさせ、憧れの場所になったと言われていますが、ご本人としてはどんな気分ですか?

(S)んー。どう?(二弓さんに振る)
(F)えー!? どうでもいいかなー(ふたりとも笑う)

 
ブレッド&バター
昔も今もマイペースのおふたり
 
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昭和時代の茅ヶ崎駅広場前(所蔵・提供:茅ヶ崎市)
 


無関心だったビーチクリーン活動が全国で行われた



――以前から東海岸ヘッドランドビーチでビーチクリーンのフリーライブをしてますが、そういった地元を盛り上げたり、これからも茅ヶ崎をこうしていきたいというものはありますか?

(S)1990(平成2)年からヘッドランドではベアフット(幸矢さんが会長を務めるNPO法人)のフリーイベントを開催しているんだけど、来年が30周年なのね。それに向けていろいろと考えてはいます。

――子どもの頃から見てきた海が汚れてきて、活動を始めて目に見えて改善されたことはありますか?

 
ブレッド&バター
湘南の海を憂(うれ)う真剣な眼差し
 

(S)意識はみんな高くなってきましたよね。今では全国でビーチクリーン活動が開催されるようになったし。最近ようやく、マイクロプラスチックの影響がヤバいと認識されてきた。
僕らはずっと言い続けてきたのに、今まで社会は全然無関心だった。タバコの吸い殻も、被害は何十年も残ったままになるのにね。それが今ようやく、みんな考えてくれるようになってきたよね。

 
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夏の茅ヶ崎海岸(所蔵・提供:茅ヶ崎市)
 

――いつ頃から、海が汚れてきたと感じるようになりましたか?

(F)ベアフット運動は1981(昭和56)年に辻堂で始めているので、その頃にはもうひどかったね。

 
ブレッド&バター
昭和時代の海岸清掃の様子(所蔵・提供:茅ヶ崎市)
 

(S)81年の初開催のときからムッシュ(かまやつ・ひろし)さんとか、友人のミュージシャンを呼んで。で、裸足で砂浜に立って、安全に楽しく無料でコンサートを体験しようと呼びかけて。「君の汗と集めたゴミが入場料だよ」とね。それで行政が協力してくれてきちんとした形になったのが1990年で、そこから30周年を迎えるのね。

――そういう背景だったんですね。当時はそれだけ環境破壊が気になる状態でしたか?

(S)当時はゴミで砂浜を歩けるところがないくらいでしたよ!  76〜77年くらいは、ひどかったな。あの頃はサーファーが海に入るのに、砂浜を歩くたびに足を切ったりしたくらいでした。浜降祭もみんな裸足で神輿を担いで海に入るから、危なかったですよ。

 
ブレッド&バター
 
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時を経ても変わらない茅ヶ崎名物「浜降祭」(所蔵・提供:茅ヶ崎市)