駐輪場はなぜ設置されていない？

昨年9月、みなとみらい地区にオープンしたカップヌードルミュージアム。
先月26日にはオープン5か月にして、早くも来館者が50万人を突破した。
　

自分だけの「マイカップヌードル」が作れるなど体験型アトラクションが人気

この施設に駐輪場が設置されていないことを皆さんはご存知だろうか？何か理由が隠されているのか？デザイン的なもの？それとも需要がないから？

さっそく同施設に電話取材を試み、担当者へ直接質問を投げかけてみた。

すると「ここは交通の便がいい場所なので駐輪場は必要ないと考えています。今後も新たに設置する予定はございません」との回答。また、これ以上お答えできることはないと言われてしまった。

確かに公共交通機関の不便な立地ではない。バス利用者は、みなとみらい100円バス「ワールドポーターズ」より徒歩3分。電車利用者なら、みなとみらい線「みなとみらい駅」より徒歩8分。車利用者においては40台収容の駐車場あり。ちょっと少ない気もするが周辺の有料駐車場を利用することもできる。

はたしてこの場所に駐輪場の需要はどのくらいあるのだろうか？



近隣の駐輪場から現地までは何分？

みなとみらい地区には現在、レンタルサイクルのハマチャリと社会実験として行われている横浜コミュニティサイクル「ベイバイク」の２つのレンタルサイクルサービスがある。今回はベイバイクで実際に自転車を借りて、最寄りとされる駐輪場から現地までの所要時間を計ってみることにした。

横浜市とNTTドコモが社会実験として行っているコミュニティサイクル
　

発行されたICカードをかざすと自転車のロックが外れて利用開始となる

まずは投稿で一番近いとされる横浜美術館近くの駐輪場に自転車を止めて徒歩で向かってみる。
　

みなとみらい駅自転車駐車場（収容台数367台）
　

道路を挟んで向かいにある駐輪場（収容台数133台）

どちらの駐輪場からも約９分で施設入口へ到着。うーん。近いとは言い難い距離。もっと近場に駐輪場がないのだろうか？そこでベイバイク運営事務所に戻って尋ねてみた。

「一番近いのは赤レンガ倉庫にあるサイクルポートですね」

サイクルポートとはベイバイクの「貸出・返却拠点」のことで、現在みなとみらい・関内地区に23カ所設置されている。このように、どこのサイクルポートでも自由に貸出と返却ができることがベイバイクの特徴。

さっそく情報を元に赤レンガ倉庫にあるサイクルポートへ。ベイバイクを返却し、再び徒歩で検証してみることにした。ちなみにここには、一般の自転車用の無料駐輪場も併設されている（40台収容）。
　

赤レンガ倉庫のサイクルポート。一般車用の駐輪スペースも併設

約5分半でカップヌードルミュージアムに到着。よし！投稿よりも近い駐輪場を発見することができた。

もともとハマチャリやベイバイクはみなとみらい地区を中心エリアとするサービス。観光客が一番レンタルサイクルを利用する場所に同施設は誕生したということになる。

となると、みなとみらい地区にある他の大型商業施設の駐輪場はどうなっているのかも気になるところ。

同じように調査してみると
ワールドポーターズ／駐輪場あり（収容台数120台）
アンパンマンミュージアム／駐輪場あり（収容台数少数）
万葉の湯／駐輪場あり（駐車場横に若干の駐輪スペース）
横浜コスモワールド／駐輪場なし

という結果に。ワールドポーターズ以外はどこも大型駐輪場を整備している様子はないようだ。

ではこの日、実際遊びにきていた人はこの状況についてどう思うか話を聞いてみた。
　

インタビューに答えてくれたMさんとSさん

「みなとみらいエリアは広いので、もし利用出来る環境が整っているなら自転車で回りたいくらいです」

ベイバイクやハマチャリの存在を知らなかった彼女達は、レンタルサイクルも使ってみたいと話してくれた。だが、同施設には駐輪場がないということを伝えるととても驚いていた。

「近場の有料駐輪場より遠くの無料駐輪場を利用するかな。でも駐輪場のない施設が多いなら自転車では来たくないかも」

ごもっとも。

そもそも利用者が駐輪出来るだけのスペースも確保せず、どんどん新たな施設を建てているところが問題だとされる声も拾えた。
　

ワールドポーターズ前には放置自転車も

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