新丸子にある「三ちゃん食堂」ってどんな店?
ココがキニナル!
新丸子駅の近くにある「三ちゃん食堂」っていうお店が気になります。店主がいい味を出していて、暗算おばさん?っていう名物おばさんもいるみたいです。是非突撃してきてください!(ishiさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
豪快で明るい店主と、注文・会計を一度で完璧に暗記する「暗算おばさん」こと店主の奥さんが切り盛りする昔ながらの大衆食堂だった。
ライター:石元 優
東急東横線“新丸子駅”周辺に「三ちゃん食堂」というちょっと変わった名前の食堂があるという。投稿によると、いい味を出している店主と「暗算おばさん」なる謎の人物もいるとのこと。
お店は入口が磨りガラスになっており、ますますキニナルその店内を覗くことは出来ない。これは突撃するしかない!
三ちゃん食堂の正体!?
新丸子駅西口を出てすぐ、一分くらい歩いたところで店舗を発見。
丸みを帯びた文字に親しみを感じる
看板には「三ちゃん食堂」。暖簾には「中華料理」の文字。そして事前の調べでは、昼から宴会が始まることもあるという情報も。どうやら大衆居酒屋の要素も兼ね備えているみたいだ。
ということで早速その暖簾をくぐってみた。
想像より広い店内は“ザ・食堂”という感じ
広々とした店内はカウンター席込みで64席。まず目にとび込んで来るのは入口正面に貼られたメニューで、その数140種類以上!暖簾の文字通り中華料理をメインに定食やどんぶりも揃う。そこにはレトロなポスターも貼られており、懐かしい!といった印象だ。
その時「いらっしゃい」という声とともに、私が思い描いていた通りの店主が登場。早速、店主の中山知久さんに話を伺った。
笑顔がキュートな店主
「この辺りではうちが一番賑やかだよ!」と胸を張って語る店主。土日にもなるとオープンと同時にどっと人が流れ込み、息つく間もなく閉店時間を迎えるそうだ。「去年は暇だったと言える日が1日しかなかったよ」と堂々の自信も垣間見える。
まずは気になる「この店は食堂?中華料理店?大衆居酒屋?」という疑問をストレートに店主にぶつけてみた。
すると店主は「この前ね7~8人で来たお客さんが酒を飲んでいて、その隣に座ったお客さんが普通に定食を注文したの。そしたらその中の1人が“こんなところで飯食ってるよ”って言い出して。だから“当たり前だ!うちは食堂だよ!”って笑い飛ばしてやったんだ!ははは」と豪快に笑い飛ばす。
有名・著名人のサインもズラリと並ぶ
「結局ここは食堂という認識でいいんですね?」と念を押してみた。すると「うちは居酒屋ではない!食堂だ!」と言い切った店主。
「では暖簾の中華料理という文字は何ですか?」とすかさず聞いてみる。それはどうやら創業当時の話のようだ。
左上の中華料理メニューが創業当時のもの
創業は昭和43年、先代であるお父さんが昭和26年からやっていた八百屋をたたみ、同じ地で食堂を開いたのが始まり。当時ラーメンブームの走りで時代に乗って始めたという三ちゃん食堂。
つまり、創業時はラーメンを中心に中華料理を提供していたから暖簾に中華料理と書かれているのだ。その名前の由来も先代、三之助さんの愛称だった「三ちゃん」からきているという。
暗算おばさん登場
次に投稿にもあった「暗算おばさん」なる方を紹介してもらった。
暗算おばさんの正体。それは店主の奥様!忙しすぎてメモを取る暇もなかっただけだという。どんなに大勢の客が来ても、一度に入った注文は全て暗記。そして客が帰る時にはその客が何を注文したか記憶しており、レジで暗算…「○○○円になります」と余裕でこなしていたそうだ。
三ちゃん食堂の名物と呼ばれた中山初枝さん
「若い時だと、それはもう本当にすごかったのよ。名物と呼ばれるくらい(笑)。でも今は年取ったから正確には出来なくなっちゃったけどね」と笑顔で話してくれた。最近ではホールに出ることはあまりないようで、厨房で調理をすることが主になっているという。
この日は3名の若い女性スタッフがホールを回しており、ほぼメモなしでランチタイムをこなしていた。聞くところによると、暗記しなさいと指導しているわけではないという。忙しさのあまり自然と身に付く能力のようで、伝票がない三ちゃん食堂では必須なのかもしれない。