神奈川区のエコ石鹸を作っている太陽油脂ってどんな会社?
ココがキニナル!
神奈川区でエコな石鹸を作っている、太陽油脂さんを取材してください。気になります。(にゃんさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
太陽油脂は、環境と健康を考える人の間では有名な企業。商品の製造販売とともに、講習会など啓蒙活動にも積極的な会社である。
ライター:松崎 辰彦
名前は全国区ではない。テレビをつけてもコマーシャルは流れていない。
しかしながら、その方面の専門家や“本物”を求めている人の間で名の知られている企業は多い。横浜市神奈川区にある太陽油脂も、そんな会社の一つである。
石鹸に特化した会社
京急線子安駅。電車を降りて入江川をわたると、太陽油脂の社屋が大きく目に入る。
太陽油脂の社屋
太陽油脂(代表取締役:土屋重美)は創立65周年を迎え、半世紀以上に渡って自然の油脂を主原料に、食用加工油脂ならびに石鹸シャンプーやクリーム、ローション等を製造・販売している会社(平成24年現在、資本金1億2千万・年商166億円・従業員数135名)である。
ひまわり油や多年草のホホバからとれるホホバオイルを使用した、シャンプー類『パックスナチュロンシリーズ』、オリーブ油を使用したボディソープ『パックスオリーシリーズ』などといった各ブランドで知られている。
横浜では東急ハンズ横浜店や、そごう横浜店7階にある横浜ロフトなど、多くの店に商品が置かれている。
『パックスナチュロンシリーズ』のリンス・シャンプー・ハンドソープ・ボディソープ
(写真提供・太陽油脂)
太陽油脂の特徴は、その強い環境意識。食用油、石鹸、そして化粧品ともに天然由来のものにこだわり、本当に人体と環境によいものを追求している。
取材に応じていただいた太陽油脂特別顧問で、『はて・なぜ・どうしてクイズ石けんと合成洗剤』(合同出版)の著者でもある長谷川治さんは石鹸と合成洗剤の違いを語る。
太陽油脂特別顧問の長谷川治さん
「石鹸はヤシ油やオリーブ油などの原料の油にアルカリ分を混ぜて少し加熱すれば簡単にできます。古代ローマ時代の初期に羊を焼いて神にお供えするという風習がありましたが、そのときにしたたり落ちた羊の脂と木の灰が混じり合い、それが土に染み込んで、偶然に石鹸ができました。それがローマにあるサポーの丘と呼ばれる場所だったので、転じて『ソープ』という言葉ができたといわれています」
長谷川さんの著書『はて・なぜ・どうしてクイズ石けんと合成洗剤』(合同出版)
一方、合成洗剤はドイツで第一次大戦中に石鹸の原料である油脂が不足したときに、石油を原料とする化合物を500度まで加熱して、界面活性剤を作ったのが始まりであるとのこと。界面活性剤とは水と油を混合させる働きを持った物質で、汚れを落とす性質がある。
戦後は安価で大量に作れる合成洗剤が普及し、家庭でも一般的に使われるようになった。しかし石油化学製品である合成洗剤には、さまざまな批判の声も多い。そうした合成洗剤に対する懸念の声が、太陽油脂という会社を今日ある姿に成長させたのだった。