さよなら二階建てバス! ラストラン&廃車ツアーを密着レポート!
ココがキニナル!
2階建てバス「ダブルデッカー」最後の1両の引退するそう。ベイサイドライン1日コースと引退イベントの取材をお願いします。また車輛の行く末もキニナル(D5000xさん/ほっけさん/浅間町9-4532さん)
はまれぽ調査結果!
二階建てバスのダブルデッカー引退が決定、3月28・29日に乗客を乗せて走るラストランツアーが開催された。今後どうなるかは未定である。
ライター:すがた もえ子
1984(昭和59)年から運行している二階建てバス(ダブルデッカー)。
今回は1994(平成6)年から導入された二代目ダブルデッカーのラストランが決まった。バスの寿命は15年ほどで、部品の確保や維持が難しくなり、引退することになったという。
二階建てバスならではの素晴らしい眺めもこれで見納め
そのラストを走るコースは、横浜の観光スポットを巡る定期観光バス「横浜ベイサイドライン」の1日コース「とことん横濱」。コースは横浜駅東口から出発し、ベイブリッジや三溪園、みなとみらい地区をまわる5時間30分のコース。利用料金は大人7300円、子ども4550円、シニア(65歳以上)6860円。
さて、当日はどんな様子なのだろうか。
残念ながら、ダブルデッカーには乗れない・・・!!
だが今回の定員は各日45名。
席数の問題と最後を楽しみにしている方たちのため、乗車しての同行取材ができなかった。非常に残念ながら今回のラストラン、ダブルデッカーに乗車することはできない。
実はダブルデッカー未体験の筆者。ああ、最後に乗ってみたかった。
そんなわけではまれぽはダブルデッカーを後ろから追いかけたり、先回りしたりしながらレポートをお届けしたいと思う。
「これって、車で追いかけるということ・・・?」
編集部・小島に確認をすると、帰ってきたのは「NO」という答え! 公共の交通機関を使って、ダブルデッカーを追いかけることに。なんというか、はまれぽらしくなって参りました。
しかも筆者、折り紙付きの方向音痴である。始まる前から不安だらけの企画だ。
はたしてちゃんとダブルデッカーのラストランを見届けることができるのか?
午前10時30分 横浜駅東口バスターミナル14番乗場 出発
この日のために事前に、横浜駅からみなとみらいエリアが乗り降りできる「みなとぶらりチケット」を横浜駅東口(そごう地下1F)定期券発売窓口で購入。
大人:500円、小児:250円
乗車場所は横浜駅東口バスターミナル14番
乗客以外にもダブルデッカーの最後の姿をカメラに収めようという人達が
予定通り午前10時30分に横浜駅を出発
その後ろ姿を見送り、次の予定地「三溪園」で待ち受けるため早足で移動する。
午前10時36分横浜からJR根岸線の磯子行きに乗車し、桜木町駅へ。
桜木町駅前から横浜市営バス8系統「本牧車庫前行」へと乗り換える
バス停「桜道」で下車し、徒歩で三溪園へ到着。
駐車場にはダブルデッカーの姿は無かったが、ここにもカメラを持って待ちかまえている人々の姿が。
桜並木をくぐってダブルデッカーが姿を現す
午前11時20分~午後0時10分(50分)三溪園
三溪園
国の重要文化財建造物などを見る事ができる日本庭園で、三溪記念館内の望塔亭(ぼうとうてい)では抹茶(500円)を楽しむことなどができる。
お客さんの中には三溪園には向かわず、ダブルデッカーの撮影をする方もいた。
今回の乗務員の右田さん(左)と山田さん
続いて「港の見える丘公園」へ向かうために移動する。
午後0時4分発、三の谷のバス停から、58系統「横浜駅前行」で乗車。
あやうくバス停の上りと下りを間違えるところだった。道が混んでおり、予定よりも遅れて「山下橋」バス停へと到着。そこから徒歩5分ほどで「港の見える丘公園」だ。
噴水の前に停車する予定だが、まだ来ていないようだ。
ここでも先回りに成功
噴水前へと追いかける
午後0時35分~午後1時00分(25分)港の見える丘公園
ここでは25分間の自由散策となる
ここでダブルデッカーを見守る女性に声をかけてみると、彼が乗り物好きで今回のツアーに参加したという。
M・TさんとK・Eさん
「2階の1番前の席なので見晴らしがいいです。狭いカーブを曲がる時なんかはスリルも感じました」というK・Eさん。
「日本に数台しかない車種がラストだというので参加しました。座席もふかふかしていて、背もたれも高いので疲れません」というM・Tさん。
ふと見回すと、三溪園でも見かけたカメラマンのグループが。今日は1日ご一緒することになるのだろう。
次に乗るバスの時間が迫っていた
噴水から「港の見える丘公園前」のバス停まで100メートルほど。ジャストタイミングで到着したバスに乗り込む。みなとぶらりチケットをどや顔で提示すると「お客さんどちらまで?」と運転手さんに聞かれた。なんと中華街は反対側だという。
慌ててバスを降り反対側に渡る。
バス停には数人が並んでおり、乗りたかった午後0時55分発の11系統「桜木町駅前行」のバスはまだ来ていないようだ。
しばらく待つと「あかいくつ号」がやってきた。
予定していたバスではないが、ここはぐずぐずしている場合ではない。とりあえず乗り込んで、中華街へと向かった。
午後1時15分~午後2時30分(75分)中華街
バスの停車場所、ローズホテル向かいの駐車場へと向かう。なんとか先回りすることができたようだ。
予定より10分ほど遅れての到着
ここでは1日コースに含まれている「同發別館」のランチをいただく人たちと、自由散策の人たちに分かれて行動するようだ。
バスガイドのように目印の旗を掲げる右田さん
時間が押したため、出発も午後2時30分に変更となった。
午後2時45分~午後3時00分(15分)マリンタワー、山下公園
中華街からマリンタワーまで徒歩で移動する
朝陽門の正面で、ダブルデッカーを狙うカメラマンの皆さんが待機していた。
山田さんによると乗客の皆さんを降ろすのはマリンタワー前の路上ということだったので、先回りしてバス停付近で待つことに。
残念ながら雨が降り出した。
これでは山下公園の散策は厳しそうだ
乗客の皆さんはマリンタワーの見学へ
筆者は予定通り、午後3時5分マリンタワー前発のバス「あかいくつ」中華街・元町ルートの「桜木町駅前行」へと乗り込んで移動する。日曜日に加えて雨も手伝い、車内は通勤ラッシュ並の混雑だった。
午後3時45分~午後4時20分(35分)赤レンガ倉庫
雨はあいかわらず止まない
スズメが水浴びを楽しむほどの雨
強まる雨の中、ダブルデッカーが最後の目的地へと到着
みなさん足早に赤レンガ倉庫へと向かっていく。
雨なので、バスから降りない人もいるようだった。
ここで乗客の方にお話を伺えた。
今回でダブルデッカーを見送るのは3回目という池田さん
「乗りなれているので、ラストだけどがっつかなくてすんだ。最後に乗れて良かった」と語ってくれた。
幸い雨は徐々に弱くなってきた。そろそろ移動しないと、横浜駅で待ちかまえることができなくなってしまう。
そう思いバス停に並ぶが、横浜行きのバスが来ない。
ようやく乗り込んだと思えば、なんと目の前をダブルデッカーが走っているではないか!
最後の最後で先回り失敗か?
少しの間前を走っていたダブルデッカーだったが、途中で道が分かれた。
乗客を乗せたラストラン、ゴールまではもう少しだ。
午後5時14分 横浜駅
道路状況により、予定よりかなり遅れて横浜駅に到着。
急いでバス停へと向かうと、ダブルデッカーの姿は無かった。
というか、カメラマンの皆さんの姿も無い。
これはやってしまったか・・・?
最後の最後で間に合わないとか、笑い話にもならない。
雨が降って気温が低くなってきたが、しばらくの間バス停で待ってみることにした。
すると
来たー!
最後のお客さんを見送り、仕事を終えた。
ダブルデッカーは長居をせずに移動していく
その後ろ姿は少し寂しげに見えた。
明日はいよいよ「ダブルデッカー廃車ツアー」当日となる。