川崎市中原区にある常楽寺が別名「まんが寺」と呼ばれている由縁は?
ココがキニナル!
等々力緑地の近くに「まんが寺」っていう変な名前のお寺があるって聞きました。「マンガ喫茶」みたいなお寺なんですかね?
はまれぽ調査結果!
別名「まんが寺」と呼ばれる常楽寺。その内部は時代を写した風刺漫画が本堂を埋め尽くす異質な空間だった。
ライター:はまれぽ編集部
お寺とマンガ。
結びつけようとも、どうしても結びつかないこの2つの言葉。調べてみたところ、どうやら中原区にある常楽寺というお寺が別名「まんが寺」と呼ばれているようだ。頭の中であれこれ考えていてもしょうがない。というわけで、等々力緑地近くにあるというそのお寺に直接お邪魔してみることに。
貴重なマンガ本の宝庫?
取材当日はあいにくの雨。寒さに震えながら、最寄駅のJR武蔵小杉駅から15分ほど歩くと、「常楽寺」と書かれた石柱を発見。さっそく中へ入ってみる。
閑静な住宅街の中にぽつりと発見
案内板に従い境内を進むと、ほどなく本堂が目の前に。外観はいたって普通のお寺といった佇まいで「まんが的」要素はまったく見当あたらない。
本堂には威厳がただよう
本堂入口上にはまんが寺ではなく「常楽寺」
いざ本堂内部へ
住職の許可を頂き、いざ本堂の中へと足を踏み入れる。
中へ入った瞬間、ここが一般的にイメージする「お寺」とは異質な空間だとすぐに認識する。
襖、壁面とほぼ何かしらが描かれている
こちらの部屋も同様
和服を着た女性の姿も見える
壁という壁、襖という襖に、それぞれ作風の異なる「漫画絵」がこれでもかというほどに描かれているのである。前を見ても漫画。右をみても漫画。もちろん左を見ても漫画。
一つ一つの作品に目を向けると、元首相の田中角栄氏と周恩来氏が握手を交わす「日中国交正常化」を描いたものや、ルバング島から帰還した「小野田少尉」の姿を描いたものなど、世相を現した漫画が集められていることに気が付く。
握手を交わす田中角栄と周恩来
敬礼する小野田少尉の姿が生き生きと描かれている
どうやら「まんが寺」とはコミックのようなマンガをたくさん置いてある寺ではなく、日本の歴史的事件や当時の世相を反映した貴重な風刺漫画が多数コレクションされた寺のようだ。
「日本漫画博物館」なる文言も発見