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超レア? 横浜の老舗料理店も愛する「横浜生まれの焼酎」ってどんなもの?

ココがキニナル!

横浜生まれの焼酎があると聞きましたが、どういうことで、どこで手に入るの?/焼酎好きが集う「横浜焼酎委員会」という団体があるそう。ぜひインタビューを(yumaryo/あらめ屋まさるさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

「みんなの気力」「一里山」は高島屋など専門店とネットで入手可。老舗店「荒井屋」などの飲食店でも味わえ横浜焼酎委員会は酒好きのいい方ばかり!

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ライター:濱屋 亘

焼酎の仕上げを決める大事な「麹」



コンテナに積まれた芋は、次にここ、九州の蔵元「錦灘酒造(にしきなだしゅぞう)」に運び込まれる。
 


「錦灘酒造」の前にそびえる一升瓶の形をした巨大なオブジェ(提供:口口ネット株式会社)


「錦灘酒造」は全国に5軒しかない種麹(たねこうじ)屋さんのうちのひとつで、ここの「河内菌白麹(かわちきんしろこうじ)」は、近代焼酎の父とも呼ばれる河内源一郎(かわちげんいちろう)氏によって発見された麹。

麹は焼酎の仕上がりを大きく左右する。そのため小川名さんはこの白麹にこだわり、鹿児島まで自ら出向いて杜氏(とじ)に思いを伝えることで、製造を実現させた。
 


ふたつとない「もろみ」。紫芋も混ざっているため発色が鮮やか(提供:口口ネット株式会社)
 

仕込み風景(提供:口口ネット株式会社)


また、小川名さんが焼酎造りでこだわったことがもう一つあった。それは「無濾過(むろか)」という製法。

一般的に焼酎は、酒を濾過することで濁りや雑味を取り除き、味を一定に保っている。しかしこれだと、旨味も同時にそぎ落としてしまうことになる。そのため小川名さんは無濾過にすることで、原料の味や香りをより残すことにこだわった。
 


こちらは2009年度版の「みんなの気力」。びんの中で発酵して味が変わるのも楽しめるポイント


かくして、芋と麹、そして製法にこだわった、「横浜産焼酎」が誕生。芋のできばえや配合具合、麹の発酵度合いなどによって年々多少のバラつきはでるが、そこを「ボジョレーのようにその年のでき栄えを楽しむ」のもまた、「一里山」「みんなの気力」の魅力なのだという。
 


丁寧に焼酎のつくりかたを説明してくれた


手間ひまかかるだけに、年間作られる本数も4000本ほど。社長いわく、「わかる人だけがわかればいいから、大量生産するつもりはないんです」。まさに知る人ぞ知る、といった商品だといえる。

ちなみにこの酒蔵は2009(平成21)年にIWSC(インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション) で「The IWSC トロフィー」を受賞。焼酎jは2012(平成24)年には第15期「ヨコハマグッズ」に認定されている。
 


1969年にイギリス・ロンドンで創設されたアルコール飲料専門の品質、味覚競技会IWSC

 


この焼酎はどこで手に入るのか?



さて。となれば、実際に飲んでみたい人も多いはず。では、どうやったら味わうことができるのだろうか?

現在この焼酎の入手方法は、取り扱い店舗、常設飲食店、インターネット販売のいずれか。取り扱い店舗は、下記のとおり。「一里山」「みんなの気力」の2種類が必ず置いてある常設飲食店は、「荒井屋」「木の花」「四季亭」「知喜多亭」の4店舗となっている。
 


飲食店は名店ぞろい


金額は製造年度によって変わるが、アルコール度数が25度の「一里山」が2310円、原酒(うすめていないもの)でアルコール度数が37~38度の「みんなの気力」(720ml)が4095円で販売されている。

一通りお話を伺ったところで、今度は実際に焼酎を置いている店舗のひとつ、「荒井屋」さんに伺ってみた。