シャッターが目につく商店街を通り抜け、杉田青果店に到着

会長さんである、杉田金彌（きんや）さんに商店街の概要についてお話を伺った。
　

左から奥さんの杉田三重子さん、金彌さん、息子の聡記（さとき）さん

商店街の正式名称は「岩崎・霞台共栄会」。住所が霞台から岩崎町にまたがっているので、両方の地名が入っているそう。なお、地域住民からは「岩崎・霞台商店街」と呼ばれている。

商店街の店舗数も最盛期には50～60店あったそうだが、現在は18店舗。
キニナル投稿にあるように、八百屋さんは現在3軒。クリーニング店は以前は4軒あったが、今は1軒しか営業していないそう。
　

新鮮な野菜が並ぶ杉田青果店

「なぜこの狭いエリアに八百屋さんが3軒もあるんですか？」と聞いてみたところ、「以前は6軒あったよ」との返事！
　
「むかしは商店街加盟店が60店舗もあったんだから、八百屋が6軒くらいあってもおかしくないね」と杉田さん。
　

6年くらい前から奥さん手作りの惣菜も販売している

現在は近所のお客さんへの配達も多く、野菜と一緒にお惣菜も人気だそう。「今日のメニューは何？」と朝常連さんから電話がかかってくるとのこと。

時代とともに八百屋さんの商売のあり方にも色々と変化が必要のようだ。

この商店街までは、JR保土ヶ谷駅からバスで5～6分程度かかり、歩くと約16分近くかかるという立地にある。「若い人はみんな駅前で買い物しちゃうよ」と金彌さん。保土ヶ谷駅前も商店が多いにぎやかな駅なので、年々その影響が強くなるのかもしれない。

はじめにここに着いた時「住宅街なのか？　商店街なのか？」と思ったが、以前はお店だった場所を、今は閉店し家に建て替えているとのことであった。そのため、商店街の通りに家が多く建ち並んでいるということになっているそうだ。
　

確かに店よりも家のほうが多く見える

　

もうひとつの八百屋さん「しんみ青果店」へ

次は杉田青果店とは親戚関係にあるという、しんみ青果店に話を聞きに行った。
　

店主の新見（しんみ）さんは現在3代目だそう

この場所でお店を始めたのは約70年前。
新見さんが子どものころは、お店はとにかく大繁盛でとても忙しかったらしい。やはり「当時、八百屋は6軒あったよ」とのこと。
　
「6軒あった八百屋さんが半分になったので、その分のお客さんは増えましたか？」と聞くと「全然増えないね」との返事。
　
「忙しくて儲かるから、ほかの人も八百屋をやろうと出店して数が増える。お客さんがいないところに出店する人はいないでしょ？　そういうことだよ」と説明してくれた。

なお、もう1軒八百屋さんが通りにあるが、今回は取材拒否ということでお話は聞けなかった。
　

残り1軒となってしまったクリーニング店

以前は4軒あったというクリーニング店だが、今残っているのは1軒のみ。
　

店名は「さわやかクリーニング中山」
　

店主の中山ひとみさん（78歳）

中山さんも「クリーニング店は4軒ある時の方が忙しかった。今は1軒になったからって、その分のお客さんは増えないわね」と語ってくれた。
　
「もうお店を閉めてもいいと思っているんだけど、辞めないでねと言ってくれるお客さんもいるから」と中山さん。初めに行った嶋田薬品の久枝さんと同じ発言だった。

これまで伺った話をまとめてみると、この狭いエリアに同じ業種のお店が集中しているのかがわかる。当時は商店街が栄えていたので、八百屋さんなど同じ業種が複数出店していた。しかし、お客が流れ、次第に商店街に活気がなくなり、現在は店をたたむところが多くなる中、八百屋さんがほかの業種と比べて残っているので集中しているように見えた、ということだろう。
　

新規にオープンしたお店も！

閉店の話題が多い中、昨年の12月にオープンしたばかりという新しいお店も商店街にあった！
　

唐揚げ専門店「喜鶏（きどり）」
　

こだわりの数々！

国産の冷凍していないフレッシュなもも肉のみをしているという喜鶏の唐揚げ。
　

唐揚げ100グラム200円。お手ごろ価格だ
　

店主の小原さん

以前、保土ケ谷に住んでいたことがあり、馴染みがあったのでこの場所に出店したとのこと。
誕生日会などで食べるためなのか、まとまった量の注文が予約で入ることもあるという。
　

こんな感じの大きさ

1個1個が大きくカットしてあるのでとてもジューシー。定番という「秘伝しょうゆ味」をいただいたが、味が濃すぎずたくさん食べたくなる味だ。