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「さば神社」がやたら横浜にあるのはなぜなのか? 知られざる理由を徹底調査! 後編

ココがキニナル!

いずみ中央周辺にはサバ神社が多数あります。左馬神社や佐婆神社、鯖神社だったり、何か由来があると思うのですが調べてもらえませんか。(mocoさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

源義朝(みなもとのよしとも)・源満仲(みなもとのみつなか)の官職だった左馬頭(さまのかみ)から名付けられた神社だが、詳しいことは分からない。

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ライター:細野 誠治

個性的な社が続く、藤沢の4箇所の「さば神社」



さば神社巡り最後のエリアは、境川流域の最も下流に位置している藤沢市。このエリアにある4社は実にバリエーション豊か。こちらも内陸から下流に向かって進んでみよう。

藤沢市(1)七ツ木神社(七ツ木郷鯖神社)
 


藤沢市高倉1128 森林と農地と間に位置している


藤沢市の1社目は、境川の左岸に位置する七ツ木神社。最寄りは小田急江ノ島線「長後」駅。
 


高倉中学校の裏にある
 


こちらも境川のすぐ近く
 


年季の入った木製の鳥居
 


境内に着くまで沢山の石塔が置かれている


階段を登り、狛犬の前を過ぎると境内が姿を現わす。
 


正面に本殿。左に社務所、右に水屋
 


賽銭箱が地面に埋め込まれている
 


「相模七左馬(鯖)」のひとつ
 


広い境内には石塔や道祖神、石碑などが本当に多い
 


大きさも年代もさまざまに
 


境内社も存在


勧請は文禄年代(1592~1596年)。400年を超す歴史を持つ。
『新編相模風土記稿』には「七ツ木郷鯖神社と記せるは当社なり」とある。
そして神奈川県神社庁ホームページによると「往古より鯖神社と称せるを明治初年七ツ木神社と改修す」とも書かれている。

「七ツ木」とはこの周辺一帯の土地の名前。資料を読むが、ここ七ツ木神社では「左馬頭」の気配がない。「鯖」と、土地の名の「七ツ木」のみが顔を見せている。
 


それでも祭神は源義朝


筆者が巡ったなかで最も不思議な「さば神社」に映る。
 


謎の多い七ツ木神社

 
藤沢市(2)鯖神社(今田鯖神社)


藤沢市湘南台7-201 住宅地の一角にある神社


2社目は七ツ木神社から1km南下した地点にある鯖神社(今田鯖神社)。
駅の最寄りは「湘南台」となる(徒歩15分)。
 


向かう途中にあった案内板に掲載されていた
 


鯖神社に到着。本殿までの参道が長い
 


目の前は境川
 


社殿は綺麗で荘厳な造り


勧請は1702(元禄15)年。今から313年前。江戸文化の熟成期にあたる。

こちら、今田の鯖神社は氏子衆による崇敬が篤(あつ)い。近所にお住まいの氏子にお話を聞いてみた。
 


氏子のひとり、藤本渉さん(44歳)
 

冊子を作り、地元神社の歴史を伝えている


今田鯖神社の歴史は、氏子衆の苦難の歴史でもある。1996(平成8)年、2001(平成13)年と2度の放火によって社殿が焼失しているのだ。
 


現在の社殿は2002(平成14)年6月に再建されたもの


境内社は2つ。本殿の左右に鎮座している。
 


左に荒神像。1692(元禄5)年に建立され、この場に移設されたという
 

右手には創建年不明と言われる稲荷社がある


藤本さんと2人、いただいた冊子挟みつつ「さば神社」の謎について話をする。
ここで1点、また新たな説を見つける。
『義朝公の死後400年以上もたった江戸時代の初め、義朝公を誅殺した長田忠致(おさだ・ただむね)氏の子孫という旗本の長田氏がこの地方を領しました。(中略)その長田氏が祖先の減罪に義朝公の霊を祀ったとも考えられます。』
『今田鯖神社 再建を記念して』より

大和市・下和田左馬神社で得たものの異説とも言える。「罪滅ぼし」が、さば神社を生んだのでは? という考え。
ただ、この一説も江戸時代以前の勧請神社には当てはまらない。(それぞれの社に、違う意味が込められているというならば充分に可能性はあるが)
 


今田鯖神社の由来書き


ここで今田鯖神社の面白い点を。
 


実は境内の地下に遊水池を持つ


地域を、氾濫や洪水から守る機能を備えている。
民俗学者の柳田國男は「さば神社」を「特異な神である」と言った。そして「川の神である」とも語っている。
まさに今田鯖神社・鎮守は、地域の「川の守り神」となっている。
 


川の神