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30年以上続く長津田駅周辺の開発事業は進んでいるのか?

ココがキニナル!

現在横浜線の長津田駅の周辺が再開発されているようですが、最終的には、どのようになるのか知りたい。昭和54年まで長津田に住んでいた者としてとても気になるのです(ryusanbbさん/でこぼこおやじさん)

はまれぽ調査結果!

北口再開発に関して、駅前のタワーマンションと周辺施設の事業で2013年にほぼ完了。南口は、駅前広場と連結する道路の整備計画があり完成時期は未定

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ライター:小方 サダオ

北口の地元住民に話を伺う(つづき)

「また駅をつなぐ歩行者デッキを問題視する人もいます。この再開発が成功するためには大きな収益をもたらす企業が必要なため、大企業のマルエツを駅前に構えさせ、デッキなどで行きやすくしたのでしょう。結果的に下に店を構える地元商店よりマルエツを優先させる形になってしまったのです」
 


歩行者デッキは再開発ビルの大企業への導線の確保のためなのだろうか?
 

歩行者デッキを利用すると商店街には下りづらい、という

 
「開発に関してはほとんどの人たちが賛成ということで開発されました。私たちも最初から賛成の姿勢で、いろんな人たちに『賛成するようにしましょう』と声をかけて回ったこともあります。しかし交渉上手なのでしょうか、反対したことで得をした人もいて、それには納得できない思いでいます」と答えてくれた。

次に長津田駅前の特徴に関して伺うと「駅前には、一般的にマクドナルドなどのファストフード店がある駅が多いです。長津田駅は乗降者が多い駅として知られているにもかかわらず、それらがないのは、会社側が駅利用者の導線のリサーチした結果、中止したからだそうです。長津田は都内の通勤者などにとってのベットタウンで、住みやすいけれど繁華街がない、と言われます」と答えてくれた。
 


JR線から東急線へと乗り換える、人の流れ
 

駅構内は人でにぎわっている

 
また長年営業を続けていた、あるお店の店主は「北口の再開発の時は何回も説明会がありましたが、結果的に市は良いことしか言いませんでした。ビル建設が第一目標で、そこに導線を持っていくことしか考えていないのです」

「私は『再開発が街を良くする』という話に疑問を持っていたので、説明会で『良くなった街があるのなら見てみたいので教えてください』と聞くと、開発業者は何も答えませんでした」
 


市は歩行者デッキの設置を、最後になって発表したという
 

デッキを使うと、そのまま駅から文化センターに行ける

 
「駅からの導線を再開発エリアに持っていこうとする歩行者デッキも、市は最後になって『付けます』といってきたのです。事前に発表すると反対意見が出る、と思ったのでしょうか? 私たちは最終的には開発に賛成していたので、裏切られた気分でした。デッキを利用すると、外に出づらくなっているのです」
 


駅からデッキに入ると、外には出づらいという

 
「また“ゴネ得”というものがあることも知りました。最初のレイアウトでは、消防署はもっと東側に行く予定だったのです」
 


現在、消防署は再開発エリアの西側にある

 
「しかし東側の人で『うるさい』といった理由で反対した人がいて、その人の説得を優先したのか、こちらの西側に来てしまったのです。私たちのように賛成していた者が嫌な思いをして、反対した人の方が得をするというのは不条理です」と答えてくれた。

市としては、賛成派よりも反対派の意見を収めることを重視したため、“ゴネ得”が生まれてしまったのだろうか?

次に北口の再開発ビルの商業施設内に入居しているお店の店主に伺うと「以前は駅前は送り迎えの車で渋滞し、再開発後の方が駅前の状況は良くなりました。以前よりも床の面積は狭くなりましたが、家賃に関しては以前とはあまり変わりません。しかし坪単価は都心並みの価格と言えます」と答えてくれた。
 


再開発ビルには多くのお店が入居している

 
さらにテナントで入るお店の店員に伺うと「以前私たちの店は駅前にありましたが、人の流れはあまり変わっていないようです。ここの家賃はそんなに高くないです」と答えてくれた。

次に再開発エリアの周囲に店を構える、不動産関係の店員に、まずは再開発に関して伺うと「この再開発に関しては反対はありましたよ。『マンションの影になる』ということで、主に住宅地の人が多かったです。そのため2013(平成25)年3月の完成までに30年以上もかかったのです」と答えてくれた。
 


駅前にある住宅地

 
開発後の状況に関して伺うと「駅からの歩行者デッキで、下の商店街に影響があるかと思いましたが、地上に下りるエスカレーターと階段が完成しましたし、人通りに関しては以前とあまり変わりません。また駅前の地価は上がっています」と答えてくれた。
 


駅と地上階をつなぐエスカレーター。左奥には階段がある
 

南口駅前の空き地は商業施設になるかもしれない、という

 
南口の開発に関して伺うと「駅前広場の開発になりますが、用地取得が難しいようです」と答えてくれた。

駅の中がにぎやかなことに関して伺うと「外よりも駅の中の方が人通りが多いですが、駅の中のスペースが広く取れないため、ファストフード店などの飲食店が入ることは難しいです」と答えてくれた。
 


駅の構内にある店舗
 

書店もある
 

キャンペーンの案内をする人たち

 
今後のこの地域の進展に関して伺うと「このあたりには3つの小学校がありますが、中学校は1校しかありません。以前もプレハブの簡易校舎を建てて対処したりしていましたが、この地域の人口が増えている証拠です。北口に新しくマンションが出来ますし、発展してゆくことに関しては悪い材料はありません。今後に期待しています」と答えてくれた。



長津田駅南口の住民に話を伺う


 


南口の駅前ロータリー
 

南口の商店街にある、閉店したと思われる店舗

 
次に南口へと場所を移した。

長年お店を構える店主に、再開発に関して話を伺うと「再開発の話は約30年前にもあり、反対運動が起こりました。開発推進の人の家に反対派がチラシを入れたりすることもありました。古くから何百坪も持っているような地主が多く、宿場町は開発には向いていないかもしれませんね」
 


南口は旧大山街道の宿場町であった

 
横浜市のホームページによると「1986(昭和61)年度、長津田駅南口再開発促進協議会設立。1998(平成10)年度、当再開発事業の中止決定」とある。

そこで当時反対をしたという、旧家の家主に、南口の再開発に関して話を伺うと「約30年前に開発の話がありました。数百メートルのビルが3棟建つ計画で、今の武蔵小杉のようにするつもりだったようです」

「反対した理由はいくつかありますが、マンションの形になると、一つの場所にさまざまな地権者が絡んでくるので、権利関係が複雑になってしまうのです」と答えてくれた。

また北口の開発に関して伺うと「以前あの場所には市営住宅が建っていたため、ほとんどが市の土地でした。また権利者があまりいなかったために話が進みやすかったんだと思いますよ」と答えてくれた。