地域の繋がりがまだここに! 横浜の「子どもも大人も集う駄菓子屋」に突撃!
ココがキニナル!
横浜にもまだ駄菓子屋さんってありますか?ショッピングモールなどにテナントとして入ってるお店ではなく「本物」の駄菓子屋さんです。あるなら行きたい。(山下公園のカモメさん)
はまれぽ調査結果!
横浜にもまだ昔ながらの駄菓子屋さんはいくつかある。今回調査した2店はどちらも地域に密着していて、近所の子どもや大人にまで愛されている
ライター:石岡海音
横浜市中区本郷町の「海老原商店」
最初に向かったのは、横浜市中区本郷町3丁目に店舗を構える「海老原商店」。
駄菓子屋さんといえば「子どもたちがお小遣いを握りしめて集まってくる」というイメージがあるが、このお店は駄菓子屋さんに、タバコ屋さんが併設されている。
海老原商店は、JR根岸線・山手駅より徒歩15~16分
出入口1をでたところにある「中国気功整体」の右側の坂は登らず・・・
不動産屋さんの左の道へ進む
大人の足なら難なくたどり着けそうな距離のように思えたが、お店は意外と分かりづらい場所にある。意気揚々と出発した石岡は途中で道に迷い、北方皇太神宮の近くの少し歴史がありそうな薬局で店主に道を尋ね、やっと海老原商店さんのお店へと到着!
海老原商店さん。右側の窓口でタバコ屋さんと一目で分かる
店前でポーズする石岡。にこやかに笑っているが、実は汗だく!
早速お店に入り、取材のお願いをしてみると、突然のアポなし取材にも関わらず快くOKしていただけた。
入りやすい雰囲気の入り口
「ここは、戦前から駄菓子屋をやっているの。私はお嫁にきて、3代目の店主をしています」
と語るのは、海老原商店の店主・海老原タエ子さん。
タエ子さん。はまれぽのステッカーと一緒にパチリ!
それだけ長く駄菓子屋さんをやっていると、親・子・孫と何代にもわたって来てくれるお客さんもいるのだろうか?
「ええ。小さい子どもだったお客さんが成長して、さらにその子どもがお客さんとして来てくれますよ。ただ昔と比べると、今は本当に子どもが少なくなったし、習いごとや塾があって駄菓子屋に来る子どもも減った印象がありますね」
お客さんの多くは、幼稚園や学校が終わってから来てくれる地元の子どもたちと、そのお母さん。時には常連の子どもが友達を連れて来てくれることもあり、「高校生や大学生が、グーグルなどで検索して来てくれることもあるの」とのこと。こういったところも、昔と今とで変化しているようだ。
店内には、「懐かしい!!」と思わず声を上げてしまうような駄菓子が、ズラリと並んでいる。
昔懐かしい駄菓子や、ロングセラーのお菓子が並ぶ
人気のお菓子は、小さなグミやガムなど。
1つ1つの単価が安いので、子どもたちもいろいろな味を食べて楽しめるのだろう。
子どもたちに人気のお菓子たち
店主の海老原さんの好きなお菓子を伺ってみると、「梅のお菓子が好き。甘酸っぱくて、疲れも取れるのよ」。
店主イチオシの梅のお菓子2種類
石岡も、梅のお菓子をいただくことにした。
梅のお菓子で、汗だくになって失った塩分の補給になった!?
併設しているタバコ屋さんの方はどうだろう?
タバコ屋さんの外観。「TOBACCO」のロゴが目印
こちらは近所の方などが「ちょっとタバコ1個」といった感じで買っていくことが多い。
タバコや駄菓子だけでなく、店内には洗剤、箱ティッシュ、ガムテープなど、日用品もいろいろと置いてある。
日用品は、駄菓子コーナーの裏側、店に入って左側に置いてある
ここは急な坂の多い地域なので、ご高齢の方が下の商店街まで買い物に行くのはとても大変だ。そこで「ちょっとした物は、坂を降りずにここで買いたい」「日用品の買い物は近所で済ませたい」という方のために、置いてあるのだという。
また海老原商店さんは、地域の「子ども110番の家」にも指定されている
これは万が一子ども達が不審者に出会ったり、犯罪に巻き込まれそうになるなど困った時に、安心して立ち寄れる場所のこと。「子どもたちに『危ない時はお店に飛び込んでいらっしゃい』と言っているの。お母さんたちも子どもが遊びに行く時には『海老原商店さんが開いているうちに帰っていらっしゃい!』と言っているのよ」と海老原さん。
取材中も、お店の前を近所の人たちが何人も通り過ぎていった。このお店の前を通る人は、大人も子どもも「行って来ます!」「ただいま!」と挨拶をしていくのが、印象的だ。
海老原さんのお人柄ゆえか、地域の子どもからも大人からも信頼され、頼りにされているのがよく分かる。