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横浜と鎌倉を愛した名作家、大佛次郎ってどんな人?

ココがキニナル!

横浜生まれの作家といえば、大佛次郎は外せないと思います。港の見える丘公園には「大佛次郎記念館」、鎌倉には「大佛茶廊」があります。大佛次郎の横浜や鎌倉にまつわるエピソードなどをお願いします(河童丸さん)

はまれぽ調査結果!

大佛次郎は、生涯に渡って横浜と鎌倉を代表とする神奈川を愛した文豪。昔の作家だからと尻込みせず、ぜひ豊かな大佛ワールドに触れてほしい!

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ライター:吉澤 由美子

1897(明治30)年に横浜で生まれ、横浜と鎌倉を愛した文豪、大佛(おさらぎ)次郎。エンターテインメントからノンフィクションまで幅広い分野で活躍した作家だ。代表作は、「鞍馬天狗」「パリ燃ゆ」「天皇の世紀」など。

特に、1924(大正13)年から1965(昭和40)年まで、50編近くの作品が書かれた「鞍馬天狗」は、何度となく映像化され一世を風靡(ふうび)した。

また、大佛次郎はナショナル・トラスト運動を日本に紹介し、鎌倉の自然を守る活動を行うなど、自然保護運動を推進した。国際的な視野に立ち社会的視野を持った時代の先駆者としての業績を持っている。

タイミングよく港の見える丘公園にある「大佛次郎記念館」で「没後四十年・大佛次郎と神奈川 未来へのメッセージ」という特別展が行われているとの情報をゲット!

ということで、今回はその特別展が行われている大佛次郎記念館と、鎌倉に残る大佛次郎ゆかりの場所をご紹介。



大佛次郎記念館



港の見える丘公園のイギリス山地区にある大佛次郎記念館は、赤レンガの壁にアーチ窓が印象的な建物。
 


見晴らしのいい高台にある大佛次郎記念館


大正時代から昭和にかけて、絶大な人気を誇った大佛次郎の業績と生涯を紹介する記念館には、約7万点の所蔵品がある。
 


鎌倉で撮られた大佛次郎の写真が記念館に飾られていた


その中から、横浜や鎌倉など、神奈川に関連した所蔵品を展示した「没後四十年・大佛次郎と神奈川 未来へのメッセージ」。
 


ホールには年表や各時代の写真などが飾られていた


展示は、「神奈川」「横浜」「鎌倉」のエリアに分かれていて、作品にまつわるもの、作家や画家との交流にちなんだもの、大佛次郎の足跡をたどるものなどが展示されている。横浜と鎌倉の大佛次郎ゆかりの地を記したマップもあるので、それを参考に横浜や鎌倉を散歩するのも楽しそうだ。
 


「若い方にも大佛作品をぜひ読んでほしいと思っています」と館長の沼尾実さん


神奈川のエリアにあった「多彩な県史を」という直筆原稿の「いつも神奈川県は、全国に魁(さきが)けて時代の開花を示す活発な土地と変化した」(1969<昭和44>年「神奈川県史研究」第3号)という文章は、神奈川県民ならグッと来るものがあるはず。
 


直筆の原稿や富士山を望む江の島を描いた五姓田義松(ごせだよしまつ)の
絵画などが展示された神奈川の展示


大佛次郎は「霧笛」「幻燈(げんとう)」など横浜を舞台とした作品を多数残している。「私ほど横浜に溺れて、横浜の小説を数多く書いたものはほかにいない」という本人の言葉もある。

横浜市英町10番地(現・中区)に生まれた大佛次郎。「生家から近い赤門町が幼いころの遊び場だったそうです」と案内くださった副館長の福富潤子さん。

大佛次郎は小学校に上がってすぐ東京に引っ越したので、大人になってから横浜について勉強をし直した横浜マニアであり、コレクターだった。野毛の古本屋などで横浜に関する資料をどっさり買い込んでいた。その資料の数々、たとえば開港当時の雰囲気を伝えるジョルジュ・ビゴーの版画集なども展示されている。

また「仕事をするにもハマでないと気分がのらず」と1931(昭和6)年から約10年間にわたり、ホテルニューグランド318号室で執筆活動をしていたこともあり、ニューグランドと大佛次郎のかかわりを示す資料もあった。
 


鎌倉と横浜の展示では、大佛作品の表紙絵や挿絵の原画も


住まいのあった鎌倉のエリアでは、鎌倉文士と呼ばれた作家たちとの交流についての資料や、大佛次郎が結婚する時に奥様と交わした「マリコン条約」といった楽しい資料の展示も。この条約は当時としては驚くほど対等に結ばれた契約で、立会人に飼い猫2匹の名前が入っているのも面白い。

そう、大佛次郎は、生涯で飼った猫の数が500匹を超える無類の猫好きとしても有名だ。
 


ホールのランプの上にはそれぞれ別の猫が乗っていた!


大佛次郎記念館で常設展示されている再現された書斎や、館内のあらゆる場所に大佛次郎がコレクションした猫の置物が飾られているので、猫好きの方はお見逃しなく。
 


書斎にも猫がいっぱい