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横浜と鎌倉を愛した名作家、大佛次郎ってどんな人?

ココがキニナル!

横浜生まれの作家といえば、大佛次郎は外せないと思います。港の見える丘公園には「大佛次郎記念館」、鎌倉には「大佛茶廊」があります。大佛次郎の横浜や鎌倉にまつわるエピソードなどをお願いします(河童丸さん)

はまれぽ調査結果!

大佛次郎は、生涯に渡って横浜と鎌倉を代表とする神奈川を愛した文豪。昔の作家だからと尻込みせず、ぜひ豊かな大佛ワールドに触れてほしい!

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ライター:吉澤 由美子

大佛次郎記念館

(続き)

残念なことに大佛次郎の作品は現在なかなか手に入らないものが多くなってきている。大佛次郎記念館には全著作がそろった図書室があり、大佛次郎の著作を自由に読むことができる。
 


全著作のほか、大佛次郎賞の受賞作品もそろった図書室


幅広い知見、広い視野、優れたバランス感覚を持った大佛次郎作品は、今の時代に通じる普遍性を持っていて、気軽に楽しめる。
 


2Fサロンには、座ってのんびりできるスペースもある


そして、大佛次郎記念館には和室がある。少し広めで、縁側や水屋もある貸室なので、お茶会や句会、お食事会などに使われているが、毎年10月には大佛次郎のお茶道具などの愛蔵品や美術作品を展示しているそう。
 


落ち着いたたたずまいは、洋館の中にいるのを忘れるほど




大佛次郎と鎌倉



大佛次郎というペンネームは、作家として活動をはじめた頃、鎌倉大仏の裏に住んでいたことが由来。大佛次郎は東京新聞の記事に、「本物の大仏が太郎だから、謙遜して自らは次郎とした。『おさらぎ』と読むのは、北条氏の一族でこの土地に住むのを大仏と書いてこう読んだから」と書いている。ちなみに「大佛」は「大仏」の旧字。

その後も、鎌倉雪ノ下に住まいを移し、亡くなるまで鎌倉に住み続けた大佛次郎。

鶴岡八幡宮の裏手にある御谷(おやつ)山林に高度成長期、宅地開発の波が迫ってきた。まだ自然や景観の保護に対して一般的な関心が低かったその時代に、それを危惧した大佛次郎がナショナル・トラスト運動を紹介し、鎌倉風致保存会を立ち上げたことをきっかけにこの山林は守られた。鎌倉はゆかり深い文豪が多い古都だが、大佛次郎は別格の存在なのだ。
 


鎌倉風致保存会の事務局がある鎌倉市御成町の旧安保小児科医院


もし、大佛次郎の活動がなかったら、鶴岡八幡宮の背景にびっしり住宅が建っていたかもしれない。そう思うと改めて大佛次郎が鎌倉へ残した功績の大きさを実感できる。
 


濃い緑に囲まれた鶴岡八幡宮


その鎌倉で大佛次郎の存在をより身近に感じられる場所がある。それは、鶴岡八幡宮から若宮大路を少し下って路地に入り、ゆるくカーブした黒塀の先にある「大佛茶廊」。
 


大佛茶廊の入口。土日祝日のみの営業なのでご注意を


ここは、大佛次郎がお客様をもてなす場所として使っていた別邸。現在も大佛次郎のご子孫が住まわれているが、見学を希望する人が絶えないことから土日祝日のみカフェとして利用できるようにしたそう。
 


猫の絵がついた控え目な看板がかかっている