京急新町変電所付近にある「使用停止」となった踏切警報機の存在理由とは?
ココがキニナル!
京浜急行新町変電所入口付近にある「使用停止」となった踏切警報機。線路がなく過去にあったような場所でもなく、整備の練習になるような場所でもなくただ立っています。何のためにあるのでしょうか(三ッ沢さん)
はまれぽ調査結果!
万一の踏切事故発生に備えた非常用の機材。警報機柱を、あらかじめ設置できる状態に整備しておくことで、迅速に復旧するためのものだった!
ライター:大和田 敏子
線路がないところに、「使用停止」と書かれた踏切警報機が立っている。放置されているようにも見え、何とも不思議な光景だ。どうしてこんな状態で置かれているのだろう? 何のためにあるのだろう?
こちらがキニナル投稿にあった写真
京急新町変電所とは?
キニナル情報をもとに、まずは現場に行ってみた。
鉄柵の向こうに見えるのが問題の踏切警報機
使用停止と書かれた踏切警報機が立っている
この状態を見る限り、確かに、この警報機がどのように使用されているのか分からない。そこで、京急電鉄に問い合わせてみることにした。
キニナル投稿者がご指摘の通り、ここは過去に線路があった所でもないし、ここで訓練が行われることはないという。
まず、この踏切警報機が立っている場所について確認。ここは京急電鉄新町変電所構内ではなく、隣接する京急電鉄の敷地内だという。というわけで、警報機と直接関係はないのだが、「変電所ってどういう施設なの?」という質問にお答えいただいた。
電気は、なるべく高い電圧(ボルト)で送る方が効率が良いが、実際に使うときは低い電圧で扱う必要がある。たとえば、発電所からは500万ボルトのような高い電気で送るが、家庭では100ボルトで家電製品を動かしている。そのために、電圧を下げたり変換したりする施設が変電所だ。
新町変電所では、交流2万2000ボルトで受電し、電車を動かす電気として直流1500ボルト、信号用や駅などの施設用に交流6600ボルトに変換している。
★が新町変電所のある場所(Googleマップより)
京急には、全線に20ヶ所の変電所があり、新町変電所の前後には横浜変電所、鶴見変電所がある。この新町変電所は、朝ラッシュには特に本数が多い横浜周辺の電力を支えている重要な変電所なのだという。
また、この新町変電所の至近にある神奈川新町駅には京急車両の車庫、新町検車区が併設されており、車両の検査や清掃等が行われるなど、列車運行の要となっている。
新町検車区にて点検中の車両
整備などに携わる事業用車両も見える