山下公園の岸壁にある謎の階段は何に使われているの?
ココがキニナル!
山下公園の岸壁に、海に降りる階段が設置されており、普段は、門が閉じられており、降りることはできませんが、過去に、使われたことや、設置理由が、知りたいです。(おにぎりさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
開園時からあるが、設置された理由は記録が残っていないため不明。無用の長物というわけではなく、現在は水質調査や生物調査の際に役立っている
ライター:田中 大輔
横浜市内の数ある公園の中でも、随一の知名度を誇る山下公園。
説明するまでもなく、噴水のある中央広場や青々とした芝生広場、時期になるとバラが咲き誇る沈庄花壇(ちんしょうかだん)に氷川丸など、多くのスポットを抱えていて地元の人にも観光客にも愛されている公園だ。
今回は、そんな山下公園にある階段がテーマ。
園内には、
「水の階段」と名付けられた階段
美しいデザインのこんな階段や、
目立たないけど、こんな螺旋階段もある
覗きこむと吸い込まれそうな螺旋階段もあるが、今回は彼らの出番はなし。
キニナル今日の主役は、海へと続くなんとも不思議な階段なのだ。
山下公園のオリジナルメンバー?
その階段とは、山下公園の海側の園路沿いにある階段だ。
園内には、園路が半円状に海側に突き出た箇所が2か所ある。この部分は「バルコニー」と呼ばれているそうで、その階段というのは、このバルコニーの両側をグルリと囲うように設置されている。
「バルコニー」がある場所(横浜市ホームページより)
今回の主役。バルコニーの横から海へと続く謎の階段
ご覧の通り、階段の先はそのまま海の中。
ずずずっと階段を降りていけば、大変に危険な事態になること請け合いだ。
そのため、現在は南京錠付きのフェンスが置かれ、立入禁止のサインが掲げられている。
そんな、使い道のよく分からない階段。いったいなんだってこんな階段が造られたのだろうか。
公園を管理している、環境創造局公園緑地部都心部公園担当の得能(とくの)さん、北條さんのおふたりを直撃した。
以前にもお世話になった得能さん(右)と北條さん
1930(昭和5)年に開園した山下公園は、関東大震災の復興事業のひとつとして造られたものだ。市内で出た瓦礫などを材料に4年がかりで埋め立てを行い、国内初の臨海公園として産声を上げた。
それから80年以上が経過した現在、園内には様変わりをした部分もあるが、おふたりは「当時の設計図面が残っているんですが、それを見ると開園当時からバルコニーとその脇の階段はあったことが分かります」と話す。
公園完成時からあったという階段。当時はフェンスはなかったのかも
つまり、後から設置された階段ではなく、80余年前になんらかの理由や目的があって造られた歴史ある階段ということになるのだ。