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かつて「ちょんの間」だった黄金町は「アート」の力で再生できるのか?

ココがキニナル!

黄金町のガード下にあるアート系の店だかアトリエだかが、正直何なのかサッパリわからない。黄金町バザールもどう楽しめばいいの?(jamies900さん、すがひこさん、ぴのたんさん、神絆会さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

黄金町ガード下お店はNPO法人「黄金町エリアマネジメントセンター」が管理、誰でも入れ、商店街を散策する際に寄ってみるのがおすすめとのこと

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ライター:山崎 島

最近黄金町からアートアートと声が聞こえてくる。ザキヤマも何度かフラフラと歩き回ったことがあるが、いつも何をやっていて、でも何をやっているのかがイマイチ分からなかった「黄金町エリアマネジメントセンター」の活動。今回はそのNPO法人を取材すると共に、「若干グダグダなんじゃないか」という投稿のあった、同センター主催の黄金町バザールにも踏み込む!

4人きょうだいのうち3人が美大という、なんとも行先危うい山崎家にとってもキニナル黄金町!! 長女としてしっかり調査してくるかんね!! 折りたたみ傘を持って出発。



今ここで表現するということ
 


駅の柱の看板


京浜急行線・黄金町駅に着くとすぐに目につくこの看板。この日は毎年恒例のアートイベント、「黄金町バザール」の期間中である。
 


バザールのマップ
 

案内看板


黄金町バザールは黄金町駅~日ノ出町駅までの京急線路沿いで行われているよう。ザキヤマはぼんやりどのような場所か知っているからいいが、ふらっと寄った方にはこのPRだけでは分かりづらいだろうなあ、という印象がある。とにかく歩みを進めよ! という意味だろうか。
 


大岡川を右手に見ながら歩く


さっそく何かやっていそうな建物が! ギャラリーのようだが人がいなく、たしかに入りづらい。
 


人!? びっくりしたあ!!!!


黄金町エリアマネジメントセンターの事務所へ近づくに連れて、古い建物を改装した建物が増えていく。青いTシャツを着たスタッフらしき人や、エリアマネジメントセンターで活動していると思われる人たちがちらほら歩いていたりする。
 


ザキヤマはほんと地図が読めない


なぜか迷いに迷ってエリアマネジメントセンターの事務所(裏口)に到着。

今回取材させていただくのは認定特定非営利活動法人黄金町エリアマネジメントセンター事務局長の山野さんと広報の立石さん。お忙しいところありがとうございます。
 


直前にお送りした企画書をみて「これは簡単に答えられないね」と山野さん(左)


さっそく黄金町エリアマネジメントセンター設立の経緯についてお話を伺った。

2002(平成14)年から、黄金町の違法風俗店の取り締まりが活発になり、有志団体が新たな街作りを目的としたイベントを数多く行ってきた。
 


2005(平成17)年に「バイバイ作戦」が行われた黄金町


そして、横浜市が掲げる「創造界隈形成事業」の一つとして2008(平成20)年8月~9月に黄金町バザールを開催。この活動を一過性のものではなく、継続して行こうと翌年2009(平成21)年にNPO法人黄金町エリアマネジメントセンターを発足。京急や地域、警察、行政と連携してアーティストの作品を発表する場や演劇などの練習できるスタジオ、アーティストが創作できる場所を作ってきた。

現在センターが管理する建物は約100件あるとのこと。多くは元違法風俗店の建物で老朽化が進んでおり、黄金町エリアマネジメントセンターが一軒70~80万円近くの費用をかけてリフォームしている。京急線高架下の建物は京急が建設し、横浜市が家賃を払っている。
 


工事中の壁にも作品が展示されている


そもそも、なぜ街の再生に「アート」を持ってきたのだろうか、という根本的な理由をお伺いする。「建物の問題が大きいです」と山野さん。元風俗店の建物は狭く、中には水道などが通っていない物もある。
 


どの建物も存在感がある


そこで飲食店などを経営するのは難しく、なかなか長続きしないのが現状らしい。劣悪な環境でも、自分自身で手を入れてその場所を有効活用できる人が良いのではないか、ということで、アーティスト・イン・レジデンス(アーティストが生活しながら創作活動できる場所)として展開したのが大きな理由だという。

たしかにアーティスト、特に若いアーティストは自分の作品を展示する場所はおろか、作る場所さえも無い人たちが多い。格安の家賃で活動の場所を提供されるのなら、多少難のある場所でも喜んで使うだろう。既にある場所を使えるし、コストの面ではかなり安く済む。
 


「ちょっとの間に行為をする」場所だったこの一帯


たしかにそうですけど・・・でも「そもそもアートって何?」って人たちに向けてはどうなのだろう。必要なものなのだろうか? 例えば、昔から住んでいた地域の人たちにとって、アートは興味深いものなのだろうか? 

ここで地域の人たちとの関わりを聞いてみることに。初めは「なんでアートなの?」との意見が多かったが、今では若い人が街に来て明るくなったと喜ばれているとのこと。
 


古い商店を巻き込んでのツアー型演劇
演劇センターF《まち歩き”緑”劇 はつこひ商店街物語Vol.1》(写真提供:演劇センターF)


「黄金町は風俗街だったという歴史を持っていますけど、現在抱えている問題はほかの街と変わりません。高齢化に伴う商店街のシャッター通り化など、街の人たちが考えないといけない問題がたくさんあります。私たちの活動を通じて地域の人たちが、これから街を後世に残すにはどうしたらいいのか? ということを考えるきっかけになってほしいと考えています」と山野さんはお話してくださった。

街に「アート」という馴染みの無い要素が入ってくることで、どう自分たちが関わっていくか、を考えざるを得なくなるというのには頷ける。まだまだ模索中とのことだが、その一歩を踏み出しているのだなあ。