陸の孤島から徒歩で脱出

「岡村は不便で、どこの駅までも遠く最寄り駅がわからない問題」。
岡村町に住んでいた友人がよく嘆いていた。バスの本数が限られていて、駅まで歩くにも相当かかる。雨の日は最悪、と。その反面、住み慣れてしまえば、いろいろな駅に出られて便利とも話していた。

岡村といえば、ゆずの出身地という印象が強いだろう。ゆずの『岡村ムラムラブギウギ』の歌詞にも岡村の土地を象徴するフレーズが出てくる。
♪「秘境の地と人はいうけれど」「バスがやたら走るのは近くに駅がないからさ」。
まさに陸の孤島。小高い丘状になっていて、坂しかないのも孤島といわれる所以（ゆえん）だろう。
　

Google mapで調べた磯子区岡村の地図（Google mapより）

今回のミッションは岡村の中心地から、投稿にあった最寄り駅がどこかを探すこと。地図アプリなどを利用すれば、うっすら答えが見えてくるかもしれない。
が「横浜マラソンの試走のときよりはラクでしょう！」と、編集部・小島。やっぱり、歩くのだ。岡村中心部が、最寄り駅から徒歩○分といえるよう、生きた情報を足で稼ぐとする。さぁ、歩きますか。

まずスタート地点を確定するために、1丁目～8丁目まである岡村町の中心部を探す。「南北あれば“中”がある！？　センター北・南のど真ん中を探せ！」のときと同じように、工作用紙を岡村の形に切り取り、穴を空けて糸を通しおもりで吊るすなどして、地図の重心、すなわち中心地を割り出す。
　

住宅街の岡村町を切り取り、中心を探す
　

各駅の位置関係※クリックして拡大

キニナル中心地は、岡村のシンボルでもある岡村公園の入口付近であった。実際の地形も、岡村公園が丘の頂上付近になっていて、そこから放射状に伸びるように駅へのルートができている。では、スタート地点の岡村公園へ。
　

岡村のオアシスといえば岡村公園

JR根岸駅からバスロータリーの4番乗り場で横浜市営バス78系統、または133系統に乗り16分で「天神前」へ。ここから坂を上り、徒歩6分。ちなみに根岸駅から岡村公園まで約22分かかった。これを参考に徒歩で、各駅までどのくらいかかるか、いざ調査。
　

「岡村町」「笹堀」も近いが最寄りは「天神前」のバス停

最初はJRから攻めることに。小島は根岸駅へ。筆者、山口は磯子駅を目指す。グーグルマップを参考に、徒歩での最短距離ルートを歩く。
不動産広告などの徒歩の所要時間80メートルで１分とされていて、時速4.8km。このペースだとやや早歩きなので、アプリを使いおよそ時速4.5kmを意識して、歩みを進める。
バスで上ってきた道を自分の足で下るのかと思うとぞっとするが、いざ出発！
　

体を張った取材に少し不安げな小島
　

スタートは岡村公園の入口。さぁ出発！

山口はJR磯子駅へ
　

磯子駅までのルート

岡村公園から南側へ進み、住宅街を抜けて行く。
　

戸建ての多い、穏やかな住宅街
　

岡村7丁目辺りは下りではなく、上り階段がちょいちょい
　

風致地区なので緑や景観が保たれている

歩いて10分程度だが最短ルートを通ると、店や自動販売機も見当たらない。閑静な住宅地とはまさにこのこと。陸の孤島と呼ばれるのもうなずける。
　

坂と階段しかない
　

工場夜景の聖地、森町が見えてきた
　

広い道路に出て、その先は国道16号線
　

国道16号線を渡れば、あと少し

さて、距離とタイムはどのくらいか。
　

磯子駅に到着！

結果は2.4kmを34分で到着！　途中で上り階段がいくつかあったが、緩やかな下り坂が続くルートだった。30分以上歩いたので体が温まった。ダウンジャケットを脱いでバス停へ。

「磯子駅前」のバス停から78系統根岸駅前行きに乗り「天神前」で降り、再び岡村公園を目指す。
　

2番乗り場から神奈川中央バスで「笹堀」でもOK
　

立派な構えのお宅の前「天神前」

すぐ近くにある岡村交番の交差点を曲がり、岡村天満宮の鳥居をくぐり、岡村公園へ。このように、歩きで駅へ行き、バスで戻るという往復をひたすら繰り返して調査する。